またカメラに新機能! エフェクト・顔固定・3カメでクオリティーアップしよう【週間VRChat】
日本でも大流行のソーシャルVR「VRChat」。本連載「週間VRChat」では、日々何かしらの新しい技術や文化が生まれているその最先端を、同サービスにどっぷり浸かっている水菜氏(@mizunana_T)にレポートしてもらいます。
VRChatは5月10日、前回のアップデートから数週間という異例の速さでカメラ機能をアップデートした。エフェクト、カメラ位置の固定、マルチカメラといった3要素を追加して、より多彩な表現が可能になった。
このカメラ機能の登場により、VRChatではユーザーが毎日のように撮影会を行うようになった。可愛いポージングをしての撮影だったり、自撮り、ツーショットだったりと、以前よりもVRChat内のスクリーンショットを活用する人が増えたように感じる。TwitterなどのSNSでシェアをしたり、お互いにスクリーンショットを交換しあったりと、さほど現実と変わらない消費のされ方だ。もちろん、中身の多くはおじさんではあるのだが……。3つの要素について詳しく見ていこう。
エフェクトの追加
エフェクトは全部で12種類も用意。カメラを出して赤いボタンを押すと、効果をつけられる玉が現れる。実際に適用した上で、今回は魔王ヘルネス様をモデルに撮影してみた。
1.画面が青くなる効果
画面上では綺麗に見えるが、ワールドによっては酔い誘発のため注意。
2.サイバーパンク全開になる効果
さながらマトリックスのような世界になる。ロボット等の機械系のアバターと合わせるといい。
3.画面にキラキラが付く効果
魔王様の女子力が全開。インスタ映え間違いなし。
4.グリーンバック効果
LIVE配信していたらリアルタイムでクロマキー合成が可能。収録においても、プロモーションビデオの撮影などでは大きく役立つ機能になっている。
5.画面上に渦のようなものが出る効果
用途がいまいち分からないが、視聴者を洗脳したい時に使うといい。
6.背景を透過にし、モデルのみで保存される効果
PNG形式で保存されるので、撮影してからすぐにコラ画像をつくれる。
7.白黒になり、線画のような状態になる効果
保存した後に色塗りができるかもしれない。
8.アナログテレビのようになる効果
ノスタルジックな効果。ワールドによってはとてもよく合う。監視カメラの映像にも見えたりするので、演出具合によっては視聴者をうならせるだろう。
9.モザイク効果
危ないものが映ったときは即座にこの効果へ切替ましょう。
10.セピア効果
こちらもノスタルジックな効果。思い出を語ったり、辞世の句を読むときに使うといい。
11.全ての効果無効
エフェクトを全て解除。
12.魚眼レンズ効果
こちらも場合によっては酔いを誘発するので注意が必要。
カメラ位置の固定
1.ワールドに固定するモード
ワールドに固定できる。置いた後はレンズもモニターも追従することなく、その場に残る。ワールド内ならばどこにでも置くことができて、レンズとモニターはどれだけ離れていてもいい。以前のデタッチレンズと同じモード。
2.周囲に固定するモード
自分の周辺にカメラを固定するモード。1と同様にレンズとモニターがデタッチ(分離)されるが、1と違うのは自身が移動をするとレンズも追従してくること。なので、モニターだけ移動しつつ、レンズを自分の周りに固定することができるという、今までなかった新モードだ。
3.レンズとモニターを一致させるモード
モニターの真ん中の位置にレンズがくるモード。いわゆる普通のカメラモードで、前回のデタッチレンズをしていない状態と同じになっている。
4.顔追従モード
常に顔を追従し続ける。1~3のモードどの状態においても、常にレンズは顔の方を向く。ワールド固定モードにしても向き続けるので、自分が移動することによってレンズを回転させることができる。
5.手ぶれ補正モード
レンズを移動させた際に手ぶれ補正がかかるモード。また、大きく動かしても一定の速度でレンズが動くので、配信等を見ている人への酔い防止になっている。
6.通常モード
上記4と5のモードを解除したモード。
3カメ機能
カメラの状態を最大3つまで保存できる。青のピン留めのようなボタンを押すと、下に3つボタンが出現し、選択中のピンに現在のカメラ状態を記録できる。保存されるのは、エフェクト効果とカメラのモードの2つ。カメラのレンズをワールド固定にした場合は、そのレンズの配置座標も維持される。
この機能で、配信中にできなかったワールド固定をした状態でのカメラ切り替えがスムーズに行えるようになった。同じ機能をリアルで再現しようとすると、3台のカメラとスイッチャーが必要になるが、VRChatなら手軽にカメラ機能だけで実現できるわけだ。これはVRの優位性を存分に発揮した機能と言えるだろう。なお、紹介していない緑のボタンと紫のボタンは前回説明した機能のままになっている。
追加機能により、配信や収録の手軽さがグッとあがった。エフェクト機能のセピアやモザイクは、配信中にリアルタイムで演出できるし、グリーンバック機能を配信中に使えば、翌日コラ画像に使ってもらえるだろう。PCスペックに余裕があればグリーンバックを合成してVRChatをやりながらゲーム実況も出来るかもしれない。
カメラの手ブレ補正や、顔の追従も配信で大きく役立つものだ。視聴者が求める物は配信者の顔であることが多いので、顔の追従でどんな表情も見逃さないようにできる。
使いこなせるようになるには、慣れが必要だがこの機能を使った新しい撮影方法は今後生み出されていくに違いない。今後もクオリティの高い、配信や動画に期待ができるだろう。
(TEXT by 水菜)
*記事冒頭のアバターは「キツネツキ式櫻歌ミコ」の改変モデルとなります。櫻歌ミコ公式サイトはこちら。
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