アユート、表情キャプチャーに便利な「Facerig Kit」を日本初展示 Neuronと一緒に使いたい無線カメラ
「Perception Neuron」といえば、米Noitomが開発しているモーションキャプチャー機器。同じジャンルでは、20万9800円という破格の値段で全身の動きが取れると話題を呼び、バーチャルキャラクターの操作に使われることも多い。
PANORAでも、6月に発売予定の「Perception Neuron Pro」をレポートしたが、そのNeuronシリーズの国内代理店であるアユートが、一緒に使うのにぴったりな表情キャプチャー用のカメラ「Facerig Kit」の発売を予定しているとのこと。価格は未定(米国では249.99ドル)で、早ければ4月中に販売が始まる。
先端デジタルテクノロジー展のPANORAブースにて一緒に展示し、バーチャルYouTuberをやりたいと考えている方なら関心が高いと思われるので簡単にレポートしていこう。
全身に加えて表情まで一気通貫でキャプチャー
Perception Neuronは、無線で動いて全身や指の動きを取得してバーチャルキャラクターに反映できるが、表情までは対応しておらず、別途、ゲーム用コントローラーで指示したり、後から顔だけ手付けするなどのひと手間が必要になる。
一方、FaceRigは表情をキャラクターに反映できるPC向けソフトで、Skypeなどのビデオチャットでキャラクターを操作するために開発された。日本では、2015年末にイラストを元にアニメーションがつくれる「Live2D」に対応して、自作イラストを動かせるようになったタイミングでネットで大いに注目を集めた。
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そうした前提があったうえで今年2月、FaceRigがNeuronに対応して、体の動きだけでなく、表情まで一気通貫でキャプチャーすることが可能になったわけだ。その際、このカメラ(Facerig Kit)がなぜ必要かというと、無線で運用できる点に価値がある。
FaceRigはもちろん、PC内蔵やUSB接続のウェブカメラでも動作するが、Neuronかつ無線で運用する際にはケーブルが動きの邪魔になってしまう。そんな不便を解消すべく生まれたのが、ネックバンドで撮影角度を調節できて、無線で運用できるこのカメラというわけだ。
こんな感じでカメラを装着して……。
キャラクターに反映できる。かわいい。
カメラ。
首の固定具はおそらくウレタン製でやわらかく、角度の調節も自由自在だ。
Facerig Kitには、無線LAN対応のIPカメラや2つのバッテリー、首の固定具が含まれている。実際に使う際のポイントとしては、別途無線LANのドングルの購入必要で、Neuronとカメラのデータで別々の経路で送ることになる。例えば、本体内蔵の無線LANはNeuron側、ドングルはIPカメラ側といった指定だ。
現在、対応が確認されている無線LANドングルは、NetgearのN600とN900だが、アユートではFacerig Kitの発売までに国内で入手しやすいメーカーのもので検証を進める予定だ。なお、FaceRig自体も含まれていないので別途購入が必要だ。
バーチャルYouTuberがここまで大きく普及したのは、YouTuberの動画を視聴することが根付いた中、モーションキャプチャ技術が桁違いに低価格化して、個人でもキャラクターを生々しく動かせるようになったという背景がある。
Neuronはその安価なソリューションの中でも、全身や指を動かせるなど表現力が豊かなポジションにある(周辺の磁場にやや弱くて、たまに動きがずれるという弱点もあるが)。これから特に企業でバーチャルYouTuberを始めたい方は、Facerig Kitとのセットでの導入をぜひ検討してみよう。
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