メガネ型VRや、女の子とVR2ショットなど、最先端が集まった「JapanVR Fest 2018 銀座」厳選レポ
JapanVR Festは1月13、14日、VR体験会「JapanVR Fest 2018 銀座」を開催した(ニュース記事)。2013年にVRクリエイター主導で「OcuFes」として始まったイベントで、今回は「世界一地代の高い場所で行われるVR体験会」というキャッチコピーの元に銀座フェニックスプラザで実施。2日間にわたって50弱のブースを展開し、約700人の来場者を集めた。
そんな現地の様子を、同じVR開発者で2日目に現地を訪れたというサメジ部長さんにお願いして、いくつかの展示をレポートしていただいた。
体験しやすい絶妙な来場者数
サメジ部長でございます。
1月14日に私が自分の作ったコミュニティの雑談Slackを眺めていたら、メンバーから「展示するのでぜひ来てね」という発言がありました。つまり2日目の当日朝に教えていただいたわけです。それで、これは行くしかない、と馳せ参じました。なので1日目のレポートはありません! 本当に申し訳ない。次回は全日程を制覇する所存ですので、ぜひご期待の程を。
建物前にでかでかと表示されるデジタルサイネージ看板。外からよく分かるので安心して入れます。
午後1時位に会場に到着すると、それほど人でごった返しているわけではなく、展示者の方々も余裕を持って対応しているようでした。中には列なしで、すぐに体験できるコンテンツもあったほどです。個人的にはこのくらいの余裕が最適で、これ以上増えると死ぬ(経験談)。というのも、入場制限か列整理専門の人員が必要になってくるからです。
お客さんはほとんど男性でしたが、ちょくちょく女性や家族連れを見かけました。6歳未満のお子さんに二眼のVRゴーグルをかぶせちゃった展示者さんはいませんよね? 面倒でも一眼のゴーグルは用意すべきです。
会場は人いっぱいで入場できないというわけでもなく、かといって閑古鳥が鳴くこともない、絶妙な人数でした。
入口に張り出された年齢分布の図。私の入場時は10代以外はほぼ同数であることがうかがえます。
「Dlodlo メガネ型VRヘッドセットV1」
(dlodlo×双日プラネット)
Dlodloと機材一式。大きさや軽さについては別記事にてチェック。
出展者パンフレットをもらうと、すぐ近くに話題のメガネ型VRゴーグル「Dlodlo」(トト)がありました。そんな目立つところにまだ国内でも気軽に触る機会がない機器を展示したら、ガジェット大好きマンが列をなして通路を塞いでしまうぞ!……と思いましたがそんなこともなくさっくりと体験できました。
あまりの体験に口が半開きになる私。
私は極度の近視(右目が0.01)で両目に乱視もあるので、スペック的にはカバーできないのですが、それでもメガネ族が裸眼でちゃんとVRコンテンツを体感できるのがすごいです。フレームレートも90Hz出るそうですし、FPSでもバッチリかと。
フレームレートやポジショントラッキングの性能を見るべく高速でしゃがんでみました。
画質に関しては正確なことが言えないので、目がくっそ悪くてもそれなりに、いえ、目が悪いなりにもそれなりに見える、という感想に留めさせていただきます。後続のバージョンが控えてるそうなので私くらいの視力にも対応してくれると嬉しいです。SteamVR対応でSteamにあるゲームを遊べるのもメリットですね。
懸念としては、ユーザーの体の位置をバーチャル空間に反映してくれる「ポジショントラッキング」がないという点ですが、サードパーティーのトラッカーで実現するとのこと。実際、どうなるかは検討中だそうですので、今後の動向に期待したいところです。
個人的な要望を言わせてもらえれば、同機種・照明・自然光の干渉を受けず、1セットのトラッカーで4人程度を一度に捌けるとうれしいですね。あくまで要望です。
今回使用していたトラッカー。ネットで調べるとこの製品でしょうか……? お値段たったの199ドル。
Dlodloの細かいスペックや最新情報は公式サイトを参考にしてくださいね。私もチェックしないと。
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・公式サイト
「ナナイちゃんと撮影」
(VRJCC)
アダルトVRの会の創設会員の私としては、本来は会員であるVRJCC様を目立つように扱う義務がある(トップに取り上げるとか)のですが、これも構成上の都合、お許し下さい!
ブースにいたなないちゃんのクロースアップ。かわいい。
なないちゃん全身。かわいい。
展示は同人ゲーム「なないちゃんとあそぼ!」のなないちゃんとバーチャル空間で触れ合って、写真撮影ができるというものです。実際にモーションアクターさんがその場にいるので、なないちゃんのポーズもお好みのまま。一緒に撮った写真は、専用のTwitterアカウントに投稿される仕組みです!! そしてこれが私の痴態です。
モーションアクターと握手。下が私が映っている写真。
なないちゃんとツーショット撮影しました! pic.twitter.com/RE2KnwdGuw
— asobo_twoshot (@asobo_twoshot) January 14, 2018
私自身、VRJCC様とはよく一緒に展示したりもするのですが、彼らの展示はかなり目立っており、グッズの見せ方やパンフレット、体験そのものも質が高く参考になります。
内部の様子をプロジェクターで写している。
惜しい点を挙げるとすれば、せっかく目の前にアクターがいるのに、握手しても私が握るのはViveコントローラーという点です。これが例えば手袋をしたアクターの手だったらプレゼンスも上がるはず。それと全世界に痴態をツイートされる旨の説明を聞き逃しました。体験拒否する人も出るでしょうが確実に説明しないといけないと思いました(2018年1月18日編集部追記:筆者であるサメジ部長さん以外には、説明していたとの指摘をVRJCCよりいただきました)。
あとは、今回の写真用アカウントは不適切なものが映る可能性はないので、Twitterの不適切フラグは外すほうがいいかと思いました(勝手につくものでしたっけ?)。その場でアカウントが見つけられず、いつの間にか私の設定もチェックが入ってたので、教えてもらって外しました。
それはそれとして、続編の「アンナちゃんとあそぼ」のアンナちゃんともキャッキャウフフしたいのでぜひお願いしたいところです。
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・VRJCC
「手裏剣・忍者」
(VRZ_Project)
上は「デジゲー博」バージョンの手裏剣・忍者の動画。
自動で進むステージに現れる敵忍者やスコアアイテムを撃破してポイントをかせぐゲームです。開発チームのVRZ_Projectは、ハッカソンで知り合ったメンバーを中心に他ルートで合流した4人で構成されており、制作ツールは「Unreal Engine 4」とのこと。
展示の様子。ゲーム内容が見られてわかりやすいです。
インスト。ひと目でどう操作すればいいか理解できます。
手書きの黒板がいい味を出しています。
手裏剣・くない・忍者刀という3種類の武器を両手で使い分けて、投げつけたり、直接切りつけることで敵を倒していきます。「忍者刀二刀流!!」とか「巨大手裏剣二刀流!!」なんてことも実現可能です。特に爽快だと感じたのは、敵の攻撃を手持ちの武器で撃ち落とせた瞬間です。敵を倒したエフェクトも心地いい。
逆に「うーん」となったポイントは、BGM・SE・音声のバランスです。特に冒頭の説明パートでは、BGMと会場のノイズで、音声がかき消され気味でした。誰かのキャラがしゃべるときは、BGMのボリュームを思いっきり下げるべきです。
手裏剣とクナイが、思った方向に投げられないのももったいない。現在、調整中とのことで、今後のバージョンアップに期待したいところです。個人的には、忍者刀が一番素直に方向をコントロールできたのですが、ステージ終了間際に気づいたこともあって、投げられるとわかっていても投げたくない心理が働いてしまいました。
なお、製作者の方に「もしかして……」と伝説のカルト忍者アクションゲーム「立体忍者活劇 天誅」の話を振ったところ意気投合。私の越後屋のモノマネで盛り上がったので、これは「天誅」ファンとしても見逃せない作品になるかも、と勝手に思いました。
ただ、恐らく「天誅」のように隠れゲーではなく、現状のようなライド型シューティングで固まるでしょう。それが最適であると私も分析します。ライドの終着点にボスが出てきたりすると興奮しますしね。ところで鉤縄で移動するVR忍者爆殺アクションゲーとかつくりたくない? つくりたくない?
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・VRZ_Project
イス型コントローラー
(いっちー)
イス型コントローラーは、本当にイスです。イスの中に体重計の部品を組み込み、4方向に体重を掛けると移動とジャンプが、回転させることで移動方向の変更がそれぞれ可能です。バイブレータを2つ搭載しており、ダメージ時は尻に結構ブルっと衝撃が来ます。
中を見せてほしいと頼んだら、工具を使わずにスルッと見せてもらえました。
ゲームパートは、ステージクリア型の障害物ゲームです。内容はライフアイテムのハートとスコアアイテムを取りに行き、敵のどくろを回避するといったもの。ステージ構成が素晴らしく、展示のレベルデザイン的にはお手本とも言えます。ちなみに初見はノーミスクリアできました。
イスそのものも、手を加えているにも関わらず安定感が高くガタツキもありませんでした。VRゲーで椅子が不安定だとゲームに集中できないのでこれは重要なポイントです。トータルで安定した体験ができる作品と言えるでしょう。
イス型コントローラーの解説。必要な情報がわかりやすく詳細に書かれている。
残念なポイントとして、ゲーム部分そのものの完成度は高いにも関わらず、開発者ご本人も言われていたように、ジャンプが直感的でなく、説明と練習が必要ということです。ハードウェア側の改良になってしまい面倒ですが、ジャンプ用の荷重ポイント(真下とか、肘掛けとか)をつくって、前後左右は横移動と加減速に振り分けると、より直感的に操作できると思います。
加速する私。
こういったハードウェアで工夫するモノはなかなか楽しいですね。
ガンナーオブドラグーン
(サークルHydrangea)
VR展示といえばガンナーオブドラグーン──。インディーながら、誰かがそう呼びそうなほど怒涛のアップデートと圧倒的な展示回数を誇る作品です。
私の体調の関係で体験を泣く泣く見送ったのですが、体験待ちをしていた人達と「俺達はこれをやりに来ているようなものだよな」「いいよな」「いい…」と言ったような会話をしたので、固定ファンがついているのは明白。
次回はぜひとも万全の体制で望まさせていただきたいです。ところで、ガンナーオブドラグーンオンリー体験会とかやってませんかね……。私含めて10人は確実に来ますよきっと。いや30人は堅いかもしれない……。
野生さんのガンナーオブドラグーン、Odessey版を体験させて頂きました。
雲やパーティクル、大地がとても綺麗でずっとドラゴンに乗っていたい。#銀VR pic.twitter.com/aZGC4j89nH— afjk(エーエフ) (@afjk01) January 14, 2018
afjkさん掲載許可ありがとうございます。
幻想的な世界観がひと目で分かるアートワーク。iroさんにオリジナル版画像を提供いただきました。ありがとうございます。
ほかにも取材した興味深いコンテンツが山ほどあるのですが、締切の関係で泣く泣くカットしてしまいました。そして総数25の中、体験したコンテンツは14と、私が触れなかったコンテンツがあるほど、内容も層もアツかった銀VR2日目でした。次は必ず全部を!
(文/サメジ部長)
●関連リンク
・JapanVR Fest 2018銀座
・JapanVR Fest