絶望的な戦場をパートナーと駆け抜けろ! PS VR「Bravo Team」レビュー

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「Until Dawn」等のゲームソフトを手がけたゲームスタジオ「Supermassive Games」が開発し、4月26日に国内向けに発売したPlayStation VR専用FPS「Bravo Team (ブラボーチーム)」。

PANORAでは以前、「E3 2017」での試遊体験をレポートしたことがあったが、この度製品版が発売となり、家庭でもプレイできるようになった。

PS VRシューティングコントローラーに対応したタイトルとのことで、筆者としてはぜひともプレイしてみたかった作品だ。今回、ストーリーやその他モードについて一通りプレイしてみたので、その内容についてレビューしていきたい。

 

▲「Bravo Team」 ローンチトレーラー

 

PS VR シューティングコントローラーに対応


▲PS VR シューティングコントローラー 外観

「Bravo Team」は、DUALSHOCK 4やPS Move モーションコントローラー(2本必要)にも対応しているが、今回プレイするにあたっては、「PS VR シューティングコントローラー」を使用した。

このコントローラーは、両手持ちの銃のような形状をしたコントローラーで、持ち手の人差し指位置にあるトリガーが大きな特徴。PS VRをかぶってこれを構えると、実際にライフルを構えているようで、FPSゲームなどでは特に高い没入感を得ることができる。

 
筆者はこのコントローラーを使うのは初めてだったが、実際に握ってみたところ、さらさらとした肌触りで、手汗をかいてもべたつき辛く握りやすい。ボタン配置もよく考えられており、グリップを握ってトリガーに人差し指をかけながら、親指でスティックやボタンの操作が可能となっている。

また、こういったコントローラー独特の「燃える」感覚を味わえるのも魅力だ。RPGの剣型コントローラー、レーシングゲームのハンドル型コントローラー、釣りゲームの釣り竿型コントローラーなど、ゲームにマッチした特殊形状のコントローラを握るだけで俄然やる気が出てくる感覚である。

プレイ前から妙にテンションが上がる感じ、分かる人には分かると信じたい。

 
筆者の気持ちもいい感じに高ぶってきたところで、いよいよゲームをプレイしていこう。ゲームを起動すると、最初の画面では「カスタマイズ」と「オプション」のメニューのみ選択することができるようになっている。

 

▲「カスタマイズ」のメニューでは、使用するキャラクターの性別、顔を選択できる


▲顔の種類は3種類。白人系か、黒人系、アジア系から選ぶことができる

 

▲「オプション」メニューでは、ゲームの操作方法などをカスタマイズでき、利き手の設定や、字幕のオン/オフ、動作の選択を銃の向きで行うか視線の向きで行うか、の3つの項目を選択できる

 
これらの設定が終わると、次はゲーム中のパートナーを務める相手を、オンラインのランダムなプレイヤー、フレンド、CPUから選ぶ。CPUを選んだ場合は、自動的にシングルプレイモードとなる。今回はCPUパートナーを選択。

 
ここまで終わると、ストーリーなどが遊べるようになる。今回は「シングルプレイモード」の難易度「ノーマル」を選択してプレイしていこう。

 

▲チュートリアルモードもあるので、操作を確認する際はこちらをプレイするといいだろう

 

移動システムを使いこなし、戦場を駆け抜けろ!

●プロローグ


▲プロローグのスタート画面

プロローグが始まると、まず最初に映し出される場面は車両の中。自分の他に4人が乗っている。NPCたちの話を聞いていると、現在自分たちはモルデオという国におり、この国の大統領であるトーマ大統領を護衛している部隊であることが分かる。

目の前にいる短髪の女性がトーマ大統領。右前にいる男性がコードネーム「ライオン」と呼ばれ、チームのリーダー格であることが伺える。どうやら大統領を家に送り届ける道中らしい。

 

▲トーマ大統領がスマホを見せながら話しかけてくるなど、VRを活かしたイベント演出も

 
一同の平和な雑談を聞きつつ、そのままイベントが進んでいくと、突如車両が何者かに襲われ、トーマ大統領が連れ去られてしまう。その後、一同を襲撃したのはモルデオの軍隊であることが分かる。

チームのリーダー格である「ライオン」も殺され、部隊は自分と相棒の2人だけに。2人はナビゲーターの指示に従い、協力しながら戦場から脱出を目指すこととなる。

 
●ゲームプレイ


▲ゲーム画面。初期武器はアサルトライフルを装備している

プロローグが終わると、いよいよ実際にキャラクターを操作してゲームを進めていくゲームパートに入る。ゲームの流れとしては、敵を倒しながら道なりに進み、2人でゴールに到達することで次のマップに進むというシンプルなものとなっている。

なお、このゲームでは、マップをクリアすることでリザルトやチャプターメニューが表示されることはなく、1度ゲームをスタートするとシームレスにエンディングまで進行する。

ただ、1度到達したマップには、途中でゲームをやめてもそのマップの最初からであればプレイできるので、全て通してクリアしないといけないということはない。適宜、休憩や水分補給なども行いながら楽しんでほしい。

 

▲コントローラーのボタン配置。クリックで拡大

シューティングコントローラーでの操作は、トリガーボタンで「射撃」、□ボタンで「リロード」、×ボタンで「移動」、○ボタンで「前のポイントへ戻る」、△ボタンで「メイン/サブ武器の切り替え」が可能。

後ろグリップのアナログスティックを倒すことで、瞬時に後ろを向くこともできる。これは座ってゲームをプレイしていても背後の敵を狙えるよう配慮したものだ。

また、このゲームでは、プレイヤーは遮蔽物に隠れている状態がデフォルトとなっており、前グリップにあるL1ボタンをホールドすると「立ち状態」に移行できる。敵の銃撃を避けるときは遮蔽物に身を隠し、こちらが射撃する時には立ち状態で狙うというのが基本になってくる。

名作ガンシューティングゲーム「タイムクライシス」をやったことがある人は、あれをイメージすると分かりやすいだろう。さらに、「Bravo Team」はPS VRで頭の位置をトラッキングしているため、壁から頭だけ出して先の様子を伺う、銃撃するといったことも可能だ。

前グリップのスティックでは、「ついて来い」や「移動しろ」「パートナーを探せ」といったハンドジェスチャーでのサインを出すことができる。相棒がCPUの場合、これで行動を指示することも可能。

 

▲2人での協力も重要。CPUも上手く操ることで有利になる

 
また、このゲームで特徴的なのは、キャラクターはあらかじめ設定されたポイントのみにしか移動できないというシステム。VRのFPSゲームではよくあるようにワープ移動で好きな場所に飛べるわけではなく、マップ上の、遮蔽物の陰となるポイントのみを移動しながら進んでいくという形だ。

 

▲銃を向けた時、白い盾のマークが表示される場所に移動できる。パートナーと同じ場所には移動できない

 

▲移動時は、VR酔い対策として3人称視点に切り替わる

 

▲マップに配置された弾薬箱の前に移動することで、弾薬を補給可能

 

▲敵の視界に入らないように接近できれば、ステルスキルも可能。ただし、前述の通り移動箇所が限定されているため、上手く見つからないように移動するにはタイミングを見計らう必要がある

 

▲味方がダウンした際は、近くに行くことで治療できる。2人ともダウンしてしまうとゲームオーバー

 
敵の位置を見定め、どのポイントに移動すればより有利に立ち回れるのかを考えていくことになるので、頭を使ってプレイする戦略性も楽しめる。

たった2人で大量の敵と銃撃戦を繰り広げることとなる本作では、この移動システムを上手く使いこなすことが重要になってくる。

 
●ゲームを進めると様々な武器や敵が出現

ゲームを進めていくと、アサルトライフルだけでなく、ショットガンやスナイパーライフルを使える場面が出てくる。ショットガンは一定の距離までは一撃で倒すことができ、あまり精密なエイムも必要ないので、近距離で戦う場合は非常に強力だ。

スナイパーライフルは、シューティングコントローラーではなかなか扱いが難しい武器。コントローラーを顔に近づけ、ゲーム内、つまりVR空間内で実際に銃のスコープを覗きこんで敵を狙撃していくからだ。

 

▲ショットガン。室内戦では特に使いやすい

 

▲スナイパーライフル。狙撃は難しいが、VRならではの臨場感が楽しい

 
また、進んでいくと敵の種類も豊富になってくる。固定機銃で銃弾の雨を降らしてくる兵士や、ショットガンを持って突撃してくる重装兵、遠距離から狙撃してくるスナイパーなど厄介な敵も多く、PvEながら単純さを感じさせない、刺激的なゲームプレイが楽しめた。

 

▲ショットガン兵は一定以内の距離なら一撃でダウンさせてくるうえ、気が付くとすぐ近くまで迫っている危険な相手。こちらもショットガンを持っていれば楽に倒せるのだが、地味に他のエネミーより耐久力があり、アサルトライフルなどでは倒すのに時間が掛かるのも厄介だ

 
ストーリーモードの長さとしては、筆者は大体4時間ほどでクリアすることができた。プレイスタイルや技術にもよると思われるが、目安として参考にしてほしい。

 
●ハイスコアモード

また、「Bravo Team」では、ストーリーモードの他にも「ハイスコアモード」を遊べる。ストーリーのマップをプレイしつつ、ヘッドショットで敵を倒すと高得点を得られるなど、スコアアタックが楽しめる。

 

▲ハイスコアモードのプレイ画面

このモードでは、敵を倒した後、一定時間内に別の敵を倒すと得点の倍率が上がるシステムがある。いかに効率よく敵を連続で倒していくかなど、立ち回りの上手さもスコアに関係してくるため、自分の腕を測りたい人にはもってこいだ。

 

1人でも楽しめる、アーケード風の直感的なゲーム性

実際にプレイしてみると、「Bravo Team」はゲームセンターの筐体型シューティングゲームによく似たゲームだと感じる。銃型のコントローラーで直感的にエイムする感覚や、障害物に隠れつつ、撃つ時だけ身を乗り出して狙うというスタイルなどは感覚的にかなり近い。

このゲームではそれにVR視点による臨場感や移動システムによる立ち回りの戦略性が加わり、独自の進化を遂げたゲームになっている。

ゲームの難易度としては、それなりに歯ごたえのある感じだ。ノーマルでも無理な突撃をすれば簡単にやられてしまうなど、ごり押しプレイはなかなか通用しない。2人でしっかりと協力しつつ、着実に敵を倒していく必要がある。

なお今回はシングルプレイで挑んだため、パートナーはCPUだった。CPUの性能は、攻撃面では少々心もとないが、耐久力が高いのかなかなかダウンせず、「援護しないとすぐにやられてしまう」というようなことはなかった。

むしろ自分がやられた際、銃弾を浴びながら平然と蘇生させてくれたりもするので、思っていたよりは頼りになる。

ただ、「二手に分かれて行動し、一方が敵を引き付けている間にもう一方が倒す」といった戦略的な動きはなかなか難しく、そういったプレイについては他のプレイヤーとコミュニケーションを取りながらの方がやりやすいだろう。

より戦略的な動きで攻略したい人は、マルチプレイモードがおすすめである。

 
タイムクライシスシリーズが好きだった筆者としては、十分に楽しめる作品だった。興味がある人は、ぜひPS VR シューティングコントローラーを使ってプレイしてみてほしい。

 
●「Bravo Team」製品概要
発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
ジャンル:シューティング
CERO:D(暴力)
プレイヤー:1人(オンライン:1~2人)
対応デバイス:
・PS VR、PS Camera 必須
・PS Move(2本必要)、PS VR シューティングコントローラー 対応

※PS4 Pro ENHANCED:PlayStation 4 Proでプレイすると一部の映像表現が強化
※オンラインマルチプレイ時PS Plus加入必須

 
(TEXT by 高橋佑司)

 
●関連リンク
「Bravo Team」
Supermassive Games(英語)

(c)2018 Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Supermassive Games.

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