ケモノはいてもノケモノはいない 会場の一体感が最高なKMNZ 1stライブ『「KMNZ VR LIVE」in cluster』レポート
Wright Flyer Live EntertainmentとIPプロダクション「Ficty」が共同プロデュースするバーチャルガールズユニット「KMNZ(ケモノズ)」。
リタ(LITA)ちゃんとリズ(LIZ)ちゃんの2人からなる本ユニットは、昨年5月末からのデビュー以来、YouTubeやREALITYなどを通じて活動。歌ってみた動画やラジオ配信等を行い、地上波番組でのMCなども担当した。
また8月には、2人の初のオリジナル曲となる「VR – Virtual Reality」をリリースし、iTunes Store Japanの「Hip-Hop/Rapカテゴリ」でチャート1位を獲得。12月には大阪城ホールで開催されたライブイベント「m-flo presents “OTAQUEST LIVE”」に出演も果たし、音楽ユニットとしても確固たる地位を築いている。
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2月15日、そんな彼女たちによる初の単独VRライブとなる『「KMNZ VR LIVE」in cluster』が、バーチャルイベントプラットフォーム「cluster」にて開催された。
デビューから半年が経ち、満を持しての開催となる単独ライブ。今回、本ライブに参加してきたので、その様子をレポートしていきたい。
雪降る暗闇に佇む、雰囲気たっぷりのライブハウス風ステージ
ライブの開場時間は19:00。clusterのイベントルームに入ると目に飛び込んできたのは、雪の降る暗い景色の中、ぼうっと光を放つ地下への入り口という幻想的な光景だった。ライブハウスに近づくと、その壁には「KMNZ」の文字が光っている。
▲地下へと続く、ライブ会場への入り口。その佇まいは、どこか蠱惑的な感さえある。
▲壁には「KMNZ」の文字。
▲入り口の先は地下へ続いている。
下に続く階段を降りていくと、受付のカウンターがあるロビーに繋がっている。壁にはKMNZのポスターが張られていた。
▲階段の先は、カウンターのある受付ロビー。カウンターの奥にSTAFF ONLYのドアがある辺り、作りが細かい。
▲ここに張られているポスターは、KMNZ2人の動画のサムネイルに使われてきた画像。
そして受付を抜けると、いよいよ今回2人がライブを行うステージがお目見え。ライブハウス風のステージには、早くも開演を前に待機するHZ(KMNZのファン)たちの姿がある。
▲ライブ会場の様子(前)。
▲ライブ会場の様子(後ろ)。
▲ステージに向かって左側の壁には、リスナーのコメントが表示されるようになっていた。
なんともムーディな装いの今回の会場。ポップで華やかなステージもテンションが上がっていいが、こうしたステージも、静かに引き込まれるような独特な魅力がある。ライブへの期待感が高まる中、他のファンと共にライブの開始時間を待つ。
▲ライブを待つHZ(ファン)の姿
clusterでは、観客の姿もアバター(今回のイベントではロボットアバター)として、会場に現れる。アバターの観客は、会場内を自由に移動することができ、また「エモーション機能」を使って、拍手したりペンライトを振ったりできるほか、「!」や「ニコニコマーク」などで感情を表現することも可能だ。
さらに、HTC VIVEなどのVRデバイスを使用すると、アバターの視点からVRでライブを見ることができ、臨場感のある体験が楽しめる。VRデバイスでアバターの手や頭などを同期して動かすこともできるので、手や首を振ってアクションし、観客側の盛り上がりなどを壇上のバーチャルタレントにダイレクトに伝えられるのも特徴だ。
その他、コメントをしたり、有料の「ギフトアイテム」を贈ることもできる。
いよいよ開演の時間 1曲目は「VR」!
しばらく待機し、いよいよ開演時間の20:00を回った。まず会場にリタちゃん、リズちゃんからの場内アナウンスが流れ、注意事項等が2人から告げられる。その後ついにライブの開演が宣言され、1曲目の「あの曲」が流れ始めた。
▲VR – Virtual Reality (Music Only) / KMNZ [Official Music Video]
ライブのオープニングを飾ったのは、やはりこの曲、KMNZ 1stシングル「VR – Virtual Reality」だ。歌いながらリタちゃん、リズちゃんがステージ上に登場し、一気に会場のボルテージが上昇する。
▲ついにステージにKMNZが登場!
▲KMNZ 左:リタ(LITA)ちゃん、右:リズ(LIZ)ちゃん
歌だけでなく、歌詞の合間には観客へのコールで会場を盛り上げるライブらしいパフォーマンスも披露。また、2人で手を重ね、「今日は絶対成功させます!」と語って「エイエイオー」をするなど、気合の入った様子を見せる。
▲手を重ね合わせ、意気込む2人。
観客席のHZたちも、待ってましたとばかりにペンライトを振って2人を応援。出だしはバッチリという感じだ。
そうして1曲目を歌い上げ、観客席から拍手が贈られるなか最初のMCタイムに突入。やはりかなり緊張しているのか、初めは若干ギクシャクした会話を繰り広げる2人。
すると突然、ステージの目前に大きな花輪が登場!
▲突然大きな花輪が!
この花輪は、観客がイベントの主催者に贈ることができる「ギフトアイテム」。しかもその中でも特にポイントの高いアイテムだ。開幕にこれを贈るとは、かなりの猛者とお見受けする。
KMNZの2人も、この花輪の登場には大いに驚いた様子。しかしそれが緊張をほぐすことにもつながったのか、無邪気にはしゃぐ姿が見られた。
その後、いつもの挨拶をステージ上で行うと、観客からは拍手が沸き起こる。本人たちとしては「話しかけて反応が無かったらどうしよう」と思っていたそうだが、要らぬ心配だったようだ。
▲「Hey yo what’s up KMNZ でーす!」という彼女たちのお決まりの挨拶。観客席からは拍手やグッドのエモーションが飛び交う。
その後、リズちゃんからの提案で、エモーション機能を使った遊びを行うことに。MCから「○○な人~?」という問いかけが行われ、それに当てはまる観客はエモーションで応える、という形だ。
▲最初は、リズちゃんからの「今日のライブが楽しみだった人~?」という問いかけ。そんなことは問うまでもないといわんばかりに、観客たちが一斉に各々のエモーションで応える。
▲お次はリタちゃんから、「女の子はハート、男の子はグッドで応えて!」という問いかけ。やはりグッドが多い様子だが、中にはハートで応えている人も見受けられる。
▲中にはどっちでもない人も……?
▲その次は、リズちゃんから「昨日の夜、日付が変わる前に寝られた人は拍手!」という問いかけ。意外にもこれは多いようだ。リズちゃんからは「ほんとか~?」と疑いの目を向けられていたが真偽のほどは如何に。
その後は、2人から今回の意気込みが改めて語られたり、雑談も交えたトークが行われる。また観客からは、次々にくす玉のギフトが贈られ、会場も様子も賑やかになってきた。
▲ギフトアイテムのくす玉は、垂れ幕に乗せるメッセージを選ぶことができる。「すき」「エモい」「あっぱれ」「ガチ恋」など、観客からメッセージのこもったくす玉がそこかしこに出現した。
▲その後は、再びコール&レスポンスでコミュニケーション。リタちゃんが「お前ら盛り上がってるかー!?」 リズちゃんが「お前ら愛してるぞー!!」と定番のコールで呼びかけ、HZたちからは「ハート」のエモーション返すというやり取りが行われた。
良い感じに場も温まってきたところで、ここで2曲目と3曲目を続けて披露することに。楽曲は、「ふわふわ時間(ふわふわタイム)」、そして「水星」だ。
●ふわふわ時間
▲ふわふわ時間 – けいおん!(Cover) / KMNZ LIZ
「ふわふわ時間」は、テレビアニメ「けいおん!」の劇中歌。作品内のバンドユニット「桜高軽音部」の楽曲としてシングルリリースされている。
この楽曲は、以前にリズちゃんがカバーした動画が投稿されており、ポップな曲調と可愛らしい歌詞が特徴的な1曲。なお今回は動画とは異なり、リタちゃんがコーラスとラップ部分のメインを担当した2人で歌うライブバージョンである。
ノリノリなアニソンの選曲で会場も大いにヒートアップし、観客席では、ペンライトを振って盛り上がるHZたちの姿も多く見受けられた。ちなみに筆者は「けいおん!」ドンピシャの世代なのでこの選曲は非常に嬉しい。
●水星
▲水星 – tofubeats feat, オノマトペ大臣(Cover) / KMNZ LITA with YACA
3曲目は、tofubeats氏とオノマトペ大臣氏による楽曲「水星」。この曲は、リタちゃんが「ワニのヤカ(YACA IN DA HOUSE)」さんと一緒にカバーした一曲だ。今回はリズちゃんと2人で歌った。
先ほどとは一転して、こちらは静かめなしっとりした楽曲。2人の美しい歌声が際立つ選曲に、「ふわふわ時間」ではペンライトを振ってノッていたHZたちも聴き惚れている様子。
また曲中、天井に星空が映し出され、大きな水星が頭上を回るというライブ演出も大いに目を引いた。さすがVRライブだけあって、こういったビジュアル演出もお手の物である。
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