HTC、視線追跡のVRゴーグル「VIVE Pro Eye」とプレミアムPC VR「VIVE Cosmos」発表 VTuberも瞬きできるように
HTCは米国時間の7日、8日から始まる家電見本市「CES 2019」に合わせてプレスカンファレンスを開催し、視線追跡対応のプロ向けVRゴーグル「VIVE Pro Eye」を2019年の第2四半期(4~6月)に発売すると発表した。
また、新たにお披露目したVRシステム「VIVE Reality System」を搭載するプレミアム
PC VRゴーグル「VIVE Cosmos」も発表。2019年早期に開発キットの提供を始め、後半に詳細や価格を公表する予定だ。
VIVE Pro Eye
VIVE Pro Eye。装着したユーザーの視線を取得して、操作やグラフィック処理の負荷軽減に活用できる。日本市場においては、バーチャルキャストの「VisrtualCast Enterprise版」が対応しており、装着したユーザーの視線や瞬きをVRM対応のアバターに反映できる。この機能は今後、「VirtualCast Consumer版」にも適用予定だ。
VIVE Pro Eye実機を撮影した写真。左右のレンズの周りにぐるりとセンサーがあるのがわかる。視線追跡以外のスペックはVIVE Proと同等だ。
例えば、ボタンを見つめ続けるだけでコントローラーを使わずに選択したり、ユーザーがどこを見ているのかプロダクトデザインの段階でリサーチするといった用途に使えるほか……。
ユーザーが見つめているところから離れた場所の描画解像度を落として、グラフィック処理の負荷を軽減する「フォービエイテッド・レンダリング」に活用可能だ。
VIVE Cosmos
VIVE Cosmosの紹介動画。
額と後頭部で固定するタイプで、ゴーグル部はフリップアップが可能。例えば、VR体験中に飲み物をとる際などでも、ゴーグルを外さなくて済む。
HTCの製品ページには「プレミアムPC VRシステム」と記載されているが、上記の動画中にはスマートフォンが映されるシーンもあり、PC以外での動作も示唆している。
会場に置かれていたモックアップ。ケースブレスで使えるVRゴーグルとしてHTCは、すでに一体型の「VIVE FOCUS」を発売しているが、こちらはシステムがGoogleのAndroidベースとなる。Cosmosでは自社開発のシステム「VIVE Reality System」(後述)を載せたのが新しい。
正面にはVIVE Proのように2つのカメラを用意。
さらに左右の側面にそれぞれ1つずつ、合計4つのカメラを用意する。頭や体、手の位置もすべて6DoFに対応しており、外部のセンサーを用意することなく、このセットだけでバーチャル空間でものに近づいたり、回り込んだり、持ったりすることが可能だ。
事実上のOculus Quest対抗と思われる。発表会会場には実機は用意されておらず、トラッキング精度がどの程度かは体験できなかった。
コントローラーももちろん無線。
親指部分には1つのアナログスティックと2つのボタン、ホームボタンを用意。薬指部分にもボタンがあることがわかる。ちなみに写真は左手側でボタン名がXとYだが、右手側はAとBになっている。
裏側は、人指し指・中指のL1/L2、R1/R2を用意。既存のVIVEコントローラーとは操作体系が若干異なっており、アプリの移植の際には微調整が必要になりそうだ。
VIVE Reality System
VIVE Reality Systemの動画。
ユーザーインターフェースやアバター、ホーム画面を提供してくれる。VIVEでいえばSteamVR Home、Oculus RiftでいえばOculus CoreにあたるPCのOSのような存在だ。
アプリケーションなどを選択するメニューは、レンズと呼ばれる空間に穴が開いて出現するものになる。
Viveport Infinity
Viveportの既存のサブスクリプションサービスもアップデートを発表。月額の定額を払うことで、4月5日より500以上のタイトルを無制限でダウンロードして遊べる「Viveport Infinity」が使えるようになる。価格は発表されていない(現在のサブスクリプションは月額8.90ドル/3ヵ月19.99ドル/6ヵ月39.99ドル/12ヵ月79.99ドル)。なお、ViveportはSteamに相当するコンテンツ配信プラットフォームだ。
Viveport Infinityは、VIVEだけでなくOculus RiftやPico NeoなどほかのVRゴーグルでも動作する。
紹介動画。
【お詫びと訂正2】公開当初、VIVE Cosmosについて一体型と記載しておりましたが、正しくは「プレミアムPC VRシステム」でした。関連する文中の記載を訂正いたしました。お詫び申し上げます(2019年1月8日12時50分)
【お詫びと訂正】公開当初、VIVE Focusについて「Daydreamベース」と記載しておりましたが、正しくは「Androidベース」でした。訂正してお詫び申し上げます(2019年1月8日9時31分)
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