最優秀賞は風流な「バーチャル俳人の恋言」が受賞! VTuberハッカソン全国ツアー・島根大会レポート
地方に眠る才能同士を引き合わせて、もっともっとVTuber業界を盛り上げて行きたい。才能をつないで新しいVTuberを生み出すという流れをぜひ日本全国に持って行きたい。そんな思いを各地で熱心に活動されているハッカソン開催者・団体に伝えさせていただき、ご賛同いただいたことで開催している「VTuberハッカソン 全国ツアー2018」。
8月の福岡、
VTbuerソフトのデモに沸いた開会式
1日目はあいにくの雨でしたが、申込者全員がきちんと集合し、島根大会主催者である地域おこしXR研究会、山田さんの司会進行で開会式がスタートしました。ちなみに会場のAJITOといえば、過去にVR界で著名なGOROmanさん、yuujiiさん、野生の男さんらが登壇して大いに盛り上がった「xR開発事例紹介セミナー」も開かれた場所です。
貸出機材の紹介に続き、Perception Neuronを身に纏った山田さんがVTuberハッカソンで役に立つ「Vカツ」や「VRoid Studio」「Hitogata」といったモデリングソフトウェアを次々と紹介していくと、会場からは驚きの声が湧き上がります。
VTuberハッカソン全国ツアー2018【島根会場・開会式】
最後に司会の山田さんが5つのチーム編成を発表し、各チームごとに座り直して開発をスタートしました。
VRoidの裏技?も編み出した開発1日目
VRoid StudioやBlenderを使ってVTuberモデルの制作を進めたり、VIVEやPerception Neuronでモーションキャプチャーの準備をしたり、シーン作りを進めたり、声入れをするために静かな場所を探して彷徨ったりと、分担作業が始まります。
なおVRoid Studioを使ってモデリングする際、女の子の頭に鹿の角を生やすために試行錯誤した結果……
髪の毛を加工して鹿の角に見えるようにしてしまうという
モデリングハックを編み出す猛者も現れました。
19時過ぎに「続きは明日やろうっと!」と言い出して片付け始めるチームが出たかと思えば、初日の20時の時点で「ヤバい、間に合わない」と言い出してエナジードリンクを買い込んでくるチームもあったりと、常に会場のどこかから笑い声が聞こえてくるのが島根大会の特徴でした。
最後まで和気あいあいだった2日目
5チーム中3チームが一時帰宅して、会場に残った2チームのうち1チームは全員が完全に徹夜していたとのこと。2日目も未明から土砂降りという環境でしたが、帰宅組は朝9時まで全員会場に戻ってきていました。その意欲には脱帽の一言です。
ヘトヘトで切羽詰まった顔つきなのに、1日目同様に2日目も会場のあちこちから笑い声が絶えません。
外が土砂降りということもあり、お昼も食べずに粛々とモーキャプしたり映像編集を進めます。
なお島根大会でのモーキャプとレンダリングエンジンの組み合わせは以下の通りです。
・HTC VIVE + Unity:3チーム
・Perception Neuron + Unity:1チーム
・Oculus Rift + Unreal Engine 4:1チーム
終了まで残り10分を切ると、ようやく「ヤバイヤバイ」という声が聞こえ始めてきますが、それでも笑い声も絶えないという和気あいあいのままの会場でした。
5つの傑作が明かされた成果発表
17時のハッカソン終了までに全チームとも無事にVTuber動画をYouTubeにアップロードし終わって成果発表が始まりました。発表順にレポートします。
VTuberハッカソン全国ツアー2018【島根会場・成果発表】ライブ配信&アーカイブ
【VRアカデミア】バーチャル俳人の恋言(れごん)です!秋の季語を紹介します。
(チーム名:Freeee)
俳句について話すVTuberコンテンツが出来上がりました。継続的なVTuber活動をしていくために、Oculus Rift、ほぼ初めて触るものの美麗な表現が得意な UE4、俳句、レッサーモクリ、VRアカデミアを選んで今回チャレンジしたとのことでした。プレゼン資料はこちら。
八雲と鹿の出雲弁!
(チーム名:七難八苦)
島根に辿り着いた小泉八雲さんが山の中で出会った山中鹿之介さんに出雲弁を教えてもらうVTuber物語を作ったとのことです。声を先に録って、動きを後から合わせたという割には違和感を感じない仕上がりになっていました。
VTuberハッカソン2018:OGURAISU
(チーム名:OGURAISU)
数々の迷言を残した注目のチームです。出雲神が民の願いを叶えるというVTuberコンテンツは、笑い要素があちこちに散りばめられています。
Vtuberハッカソン VR Cat
(チーム名:ネコ)
VTuberを知らない人達が「VTuberってこういうものなのか〜」と理解してもらうためのコンテンツを制作したとのことです。VR空間内で選んだモノによって自分にぴったりな猫になれる。また、続きをVRコンテンツとして楽しめるというアプローチになっています。
【月面旅行へ行きたいか】チコとラネムのVtuber高校生クイズ大会【視聴者参加型企画】
チーム名: 出雲兎
一緒に遊べるクイズ参加型 VTuberコンテンツとして、天衣チコちゃんがお送りするVtuber高校生クイズ大会の模様が繰り広げられます。大学で研究中という接触判定機器と組み合わせて「触れるVTuber」にしたかったとのことですが、残念ながら間に合わなかったとのことでした。プレゼン資料はこちら。
終始笑いに包まれていた表彰式
ちょっとしたハプニングが起きたものの、ようやく審査結果が出て最優秀賞の発表が島根大会主催の山田さんから行われました。
VTuberハッカソン全国ツアー2018【島根会場・表彰式】ライブ配信&アーカイブ
最優秀賞は………!
タイトル: 【VRアカデミア】バーチャル俳人の恋言(れごん)です!秋の季語を紹介します。
(チーム名: Freeee)
審査員講評:コンテンツの作り込みや構成の作り込みは各チームともそれぞれ良く甲乙付け難い中で、Freeeeは総合的に継続してやっていけそうな点を評価しました。
最後に SVVR Japanから全チームに対して一言づつコメントをさせていただき、懇親会を経て一部の方は帰宅してしまいましたが全員で集合写真を撮影して、終始笑い声に包まれていた島根大会が終了となりました。
片付けも終わって撤収になると、帰り際にみなさん「続けてやっていきます!」という嬉しい声を掛けてくださいました。みなさんが継続していくモチベーションを保っていただくための VTuber関係のセミナーやワークショップなどを継続的に開いていこうか、というような雰囲気が運営チームに漂っていたのが印象的でした。島根近県のみなさん、要チェックですよ!
●VTuberハッカソン2018島根大会概要
・開催日時:2018年9月8日(土)9:30〜9日(日)21:00
・開催場所:コワーキングスペース AJITO
・主催:地域おこしXR研究会
・開催協力:しまねソフト研究開発センター
・会場提供:合同会社S-WORKS
・運営協力:株式会社トルクス、島根大学ものづくり部 Pim
・フードスポンサー:株式会社トルクス
・総合主催:PANORA(株式会社パノラプロ)
・共同主催・運営:SVVR Japan
(TEXT by SVVR Japan)
●関連リンク
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・VTuberハッカソン全国ツアー2018【島根会場・開会式】(YouTube)
・VTuberハッカソン全国ツアー2018【島根会場・企画発表】(YouTube)
・VTuberハッカソン全国ツアー2018【島根会場・成果発表】(YouTube)
・VTuberハッカソン全国ツアー2018【島根会場・表彰式】(YouTube)