
品川インターシティで開催中の「SHINAGAWA TECH SHOWCASE」は、先端技術をテーマにした体験型イベントだ。会場には、顔認証決済、VTuberとの1on1コミュニケーション、ドローンなど、分野の異なる展示が並ぶ。会期は4月15日(水)~17日(金)までの3日間限定。企業や自治体、テック系プレイヤーがそれぞれの技術を展示している。
これがトレーラー? VTuberとの1on1をおしゃれ空間で体験

その中でも、PANORA読者にとって最も気になる展示のひとつが、トヨタ自動車とNTT東日本によるVTuberとの1on1コミュニケーション体験だろう。ほとんど等身大に見える大きなモニターに見えるのは、ハコネクトの明堂しろねさん。

実際に体験してみて印象的だったのは、ソファに座ると目線がぴったり合うことと、しろねさんの背景が室内そのものだったことで「同じ空間にいる!」という感覚。
VTuberとのトークが楽しめるイベントでは一般的に、事務机やパーティションといった無機質な空間だったり、ヘッドホンを装着したうえでの会話など、物寂しい印象を少なからず感じていた。それだけに、ディフューザーが置かれていい匂いのする空間でソファに座ってまったり会話できるというのは新鮮。

さらに特徴的だったのが、会場内で販売されているフードを持ち込んで体験できる点だ。取材時には時間の都合もあって、フードと一緒に会話を楽しむことはできなかったが、しろねさんに伺うと「こっちでも食べるものを用意してますよ~」とのこと。ファンの方と乾杯したりしたのでしょうか……!
チケットは2分あたり6000円とややお高い設定だが、飲食に使える金券が1000円分含まれている。ぜひ、余裕をもって到着して、ドリンクやフードを片手に推しを乾杯してみよう。
ちなみに、しろねさんに「トレーラーということで、行きたい場所はありますか?」と聞いたところ、「自然がいっぱいあるところとか、リアルイベント会場のそばで1on1やってみたい!」と返ってきた。確かにVTuberによる音楽イベントは各地で行われたりするが、その会場のすぐそばで1on1のトークも一緒にできたらイベントの幅が広がるかもしれないと感じた。それが実現するかは今回の盛りあがり次第!?
参加VTuberは日ごとに異なり、15日の明堂しろねのほか、16日は鴉紋ゆうく、17日は巻乃もなか、雌竜神となっている(チケットページ)。
トヨタのトレーラーがVTuberとの1on1会場になった、壮大な理由

さて、トヨタ自動車×NTT東日本による今回のプロジェクト。参加VTuberのラッピングが施されたトヨタのトレーラーが会場に置かれており、この中でトークを楽しむことになっているが、話を伺ったところ、このトレーラーはVTuberとの1on1専用のものではなく、さまざまな用途での活用が考えられているようだ。
イベントでの活用のほかは、工事現場や高速道路関連の仮設オフィスなど、お堅い用途での実証が考えられ、将来的には災害時の活用にもつなげたいという。
つまり、VTuberのイベント実施の場や工事現場の休憩所など、さまざまな用途で「移動できる場所」としてのトレーラーが世の中に広まることで、災害が起きた時には即時救護施設として活用できる。そんな未来のための第一歩が今回の実験とのこと。なぜトヨタ自動車がVTuberの1on1を実施しているのだろうと思ったが、大きな構想があったことに感心した。
また、NTT東日本はこのプロジェクトでは通信部分を担当しており、次世代情報通信基盤構想「IOWN」を提供している。VTuberの配信はトラッキングやLive2Dなどさまざまな技術によって実現しているが、そもそも通信状況によっては動きや音声などがずれる遅延も気になるところ。通信については日頃生配信を見ているユーザーからすると、ある程度の遅延には慣れてしまっていると思うが、体験してみると、動きや会話が即レスであることが楽しめるはずだ。
テック食材にXRやメタバース、さまざまな展示
会場全体に目を向けると、はXRやメタバース分野のほか、各種テック企業の展示を横断的に見られる場になっていた。


1on1のトレーラーにも持ち込み可能だというフードメニューも、サステナブルな食材やテック食材を活用したメニューが並んでいる。ユーグレナ育ちの卵「なごみたまご」を使用したピクルスや。規格外の魚の加工食材「フィシュル」のおにぎりなど、なかなか見かけないメニューばかり。
タマネギの端材を独自の乾燥技術で旨味と香りを閉じこめた調味料「タマネギぐるりこ」使用のチリビーンズポテトと、廃棄予定だったパンなどから作られたビール「Breaking Bread Ale」をいただいたが、風味も味わいも違和感を感じる要素はなく、美味しかった。

AI活用に関する取り組みや、顔認証プラットフォーム、ドローンのデモなど、さまざまな展示や・実証実験を兼ねているなか、メタバースやXR関連の取り組みもあった。
「未来を先取りした先端技術の展示」というだけあり、体験はエンタメというよりは、都市や商業空間、地域文脈にどう接続するかという視点での展示になっていた。


VTuberとトークを楽しめるといったエンタメ要素はないものの、技術自体への興味がある方なら楽しめるだろう。
ソニーグループ傘下のSoVeCによるロケーションベースのARコンテンツを見れるほか、豊田市がクラスター上で実施している取り組み「メタバースとよた」の延長として、豊田市の高校生が制作したラリーコースを展示していた。こちらはクラスターで公開中のワールドとのことだが、実際にハンドルコントローラーで遊べる機会はなかなかない。
●SHINAGAWA TECH SHOWCASE開催概要
・日程:4月15日(水)~17日(金)
・時間:17時30分〜21時00分
・会場:品川インターシティ「屋外広場」および「B1Fアトリウム」
・入場:無料(1on1のみ有料)
(TEXT by ササニシキ)
