VRChat社は、同社が提供するソーシャルプラットフォーム『VRChat』におけるAIの利用について、いま現在の考え・見解と今後の取り組みを10月7日に公表した。
あわせてクリエイターガイドラインを更新し、実際の内容と異なるサムネイルの使用を禁止した。一方、AI生成コンテンツの扱いそのものについては、社内でも議論が続いているとしている。
Regarding AI Usage on VRChat:https://ask.vrchat.com/t/regarding-ai-usage-on-vrchat/49058#p-91217-h-2
今回の発表には、プラットフォーム上で広がっていたAI利用への反対運動があり、AI生成コンテンツがプラットフォームとユーザーに弊害をもたらしているとユーザーが主張し、運営に対応を求めていた。
生成AIによるワールドの粗製濫造や、AI生成のサムネイルと実際のワールドの内容や品質が一致しないなどの問題が増加し、クリエイターのなかには「NO AI」の共通バナーを掲げる動きが広がるなど、公式側へメッセージを送っていた。
VRChat社は「皆さんからのフィードバックは、しっかり届いています」としたうえで、クリエイターガイドラインを更新した。見る人を欺くサムネイルは「VRChatにふさわしくない」として、実際の体験と異なるサムネイルを使用しないように禁じた。ワールドの名称やタグ、説明文についても、誤解を招く表現を避けるよう求めている。
生成AIについても言及しており、「AIについて、私たちは悩ましい岐路に立っています。AIは開発を加速させ、技術的な負担を軽くしてくれます。」「その一方で、手間をかけずに作られた低品質なコンテンツを際限なく生み出し、人と人とのつながりを損なうおそれもあります。」と長所・短所を明示したうえで、「私たちもまだ答えを持っていません」と率直に認め、チーム内でもいまだに議論が続いていることもあかした。
あわせて「VRChatの制作におけるAI利用」として 公開された画像では、 翻訳や文法チェック、コーディング支援、自分用のツール作成、UnityやBlenderのスマートツールといった制作の補助的な利用は問題ないとする一方、Udonシステム全体やアセット、ワールド全体の生成については引き続き議論中とした。

また同社は今後の課題として、AIによって多くのワールドが短期間で公開できるようになった影響で、ワールドが見つかりにくくなっていることも認識しており、クオリティの高いものを評価し、粗製乱造コンテンツの表示順位を下げるといった、ワールドの探索の仕組みそのものを改善すると表明した。
AI生成コンテンツへのラベル付けについては、A!をどの程度利用したかの基準が曖昧であること、正しくラベル付けされているかをどのように確認するのか、さまざまな課題や問題もあり具体的な導入には踏み切れないとしている。
