
「次の目標は2ndライブだー!これからもついてきてねー!」――1stライブの最後に放たれた言葉。その約束は、2年を経た今日、無事に果たされた。
今シーズン一番の冷え込みとなった10月29日。Kアリーナ横浜は熱狂と、季節外れの桜吹雪に包まれた。女性VTuberグループ「ホロライブ」所属のさくらみこが「Sakura Miko 2nd Live “Blooming Parade!!”」を開催したのだ。
オリコンデイリーアルバムランキングで1位を獲得した2ndアルバム『Blooming Cinderella』を引っ提げ、桜を基調とする自身の世界観にシンデレラのモチーフを加えた、唯一無二のステージ。ブラスを迎えた重厚な生バンド演奏から、マーチング隊を従えたパレードまで、贅沢な演出の数々で35P(ファンネーム)に感謝を届けた単独公演の模様をレポートする。
降り注ぐ流星群の映像で、オープニングがスタート。時計台の針が12時を指すと、カウントダウンが35から始まる。合間に映るキービジュアルや、会場に魔法をかけるようなみこのシルエット映像が期待を何倍にもあおり、35Pによる全力の歓声の中でライブは開幕した。
映像が終わると、まだ暗いステージセットの前にさくらみこが現れた。歌うのは、1stライブで本編の最後を彩った「flower rhapsody」。それもそのはず、今日はあのとき交わした約束を果たす日だ。サビに入るとステージが明転し、彼女の背後に城のエントランスのようなセットが現れた。レースやフリル、光る装飾をふんだんにあしらった”flower fantasista!”衣装はプリンセス感満載で、ロケーションにもぴったりハマっている。よく見れば、バンドメンバーもシックな正装に身を包んでいるようだ。
いきなりクライマックスのような雰囲気が会場を満たしていたが、「2nd Live “Blooming Parade!!”、始まるよ~!」との宣言からご機嫌なアップチューン「サキミダレアッパレード♪」に突入。仕草も天真爛漫なものになり、キラキラの目でコーレスを煽ったり、決めポーズにはウインクを合わせて可愛さを上限突破させながら、会場のボルテージを引き上げていく。やがて桜吹雪が彼女を包み込んだかと思えば、一瞬で早着替え。ライブのキービジュアルの衣装をベースとしているが、ミニ丈のドレスにお団子のアップヘアで、「Blooming Cinderella」のジャケットで描かれていたものだ。クラシカルながら活発な印象で、彼女がステップを踏むたびに花の詰まったパニエが軽やかに揺れる。
M2「サキミダレアッパレード♪」

曲が変わって「きゅんきゅんみこきゅんきゅん♡」では自撮り棒を持ち、配信で楽しんでいる35Pへアピール。親しみを込めて「吊るし席」などとよくネタにされる配信勢だが、ハートの映像演出も相まって、自分だけに歌ってくれているかのような特別感がもたらされた。一方の現地では、スパークラーが吹き上がる中ステージを駆け回り、キャッチーなダンスを余すところなく見せつけた。ダイナミックなダンスに加えて、細やかな表情・視線管理もアイドルの腕の見せ所。みこはジト目や赤面をまじえた隙のないパフォーマンスを展開し、ラストには「みんなー!よくできました!」と頭をなでるというご褒美までプレゼント。
そのままトロッコへ移動し、「あてんしょんぷりーず! (Blooming Cinderella ver.)」へ。マーチング隊とみこだにぇーを従え、パレードに乗り出した。トロッコは4面からみこの姿を見られるほか、配信では車内上方に設置されたカメラが上目遣いを逃さない。<おわりたくないよ 賛成のひとー?>の呼びかけに、割れんばかりの歓声が呼応した。
M4「あてんしょんぷりーず! (Blooming Cinderella ver.)」

いきなりフルスロットルのオープニングパートを終え、最初のMCへ。みこはステージに戻り、「みんな~!にゃっはろ~!」とおなじみの挨拶。観客に感謝を述べた後はこだわりの詰まった新衣装を紹介し、「かわいい?もっと言ってほしいな~」「これが味わいたくて2ndやったまである!」と無邪気な一面を見せる。「世界中のみんな、みこ、ここまで来たよ~!」との言葉は、一緒に夢を追いかけてきた我々にも大きな達成感を与えてくれた。
早く歌いたくてたまらない様子のみこは、休憩もそこそこに「DAI DAI DAI ファンタジスタ」でライブを再開。1stライブでも披露した曲だが、だからこそ衣装の変化とブラスバンドアレンジによる進化がわかりやすい。「イェ~イ、神様みってる~ゥ!?」という挑発的な口上で始まった「電脳神楽ミコビート」では、ステージの両脇でみこだにぇーと35Pの着ぐるみがキュートかつキレのあるダンスを披露。叫んだり鳴いたりとファン側もハイカロリーな楽曲だが、みこは神楽鈴を携えコーレスをリード。和ロック曲「乙女のススメ♡!」では、メロディアスなボーカルラインに加え優美な舞いでも観客を魅了した。
M6「電脳神楽ミコビート」

「みんな、もっともっともっと、声出して盛り上がっていくぞ!」となだれ込んだのは、“咲き乱れみこちメドレー”。「1135」「あーゆーれでぃ」「ベイビーダンス」をたたみかける中、MCから引き続きステージには通常の35Pのほか下手からサングラス35Pが合流。客席には金縄35Pも登場し、会場はお祭り騒ぎの様相だ。
「ファッションビート」では1stライブ衣装のみこが現れ、過去の自分とのダンスバトルのような掛け合いも見られた。続く「Sakuraful March」では衣装に変化が。お団子部分からロングヘアが垂れ、マント風の肩布やティアラをあしらった華々しくも威厳ある姿に変身。バトンを手にしたサーカス風の空間から、彼女のアイドル魂を軽妙な言葉選びで表現した「桜華絢爛歌合戦」へとつないでいった。
M11「桜華絢爛歌合戦」

みこが一度退場すると、暗転した会場では、妖精のようなきらめきがステージの随所にブーケを咲かせていく。その光に視線を導かれると、ステージ下手側の2階部分にみこが登場した。彼女が「SUNAO」を歌い上げていくなか、ステージの中央には大きな桜の木が登場し、やがて満開を迎える。「咲き誇れアイドル」に入ると階段をゆっくり降りていき、彼女の合図に合わせてペンライトをピンクに切り替えれば、ちょうど<さぁ皆で咲かそう>のタイミングで会場に数多の桜の花が咲き広がったように見え、圧巻というほかない景色だった。
M13「咲き誇れアイドル」

「your petal」に入る前には、自身がその詞を書いたときのこと、そして1stライブ以降の2年間を振り返った。「ずっと想っていたはずの夢をあきらめかけた日もありました。そんなときにも、みこを信じて待ってくれてる人がいました。今日ここに立っているのは、これからもみんなと一緒に夢を叶えていくって覚悟を決めたみこです。みんなと一緒にこれからも、どんなことがあっても、生きて、生き抜いて、咲かせていく。そう決意したみこです。みこはこれからも間違ってないって、ここが正解だって、証明し続けていきます」
1stライブでは35Pへの想いを語るにあたって手紙を用意していた彼女だが、今回はその場で言葉を紡ぐ姿にも成長を感じられた。普段の配信ではコメント欄と軽口やプロレスを繰り広げることも多いけれど、こうした節目の場では、感謝の言葉を惜しまない。どれほど規模が大きくなっても一人ひとりの心を掴んで離さないのは、他でもない彼女自身が35Pを一途に想い続けているからなのだろう。
「それでは……」と一瞬話を止めたかと思えば、「ちょっと待って!水飲ませてください!」とお茶目に切り出し、エモーショナルな空気が少しほころぶ。息を整えれば、再び凛としたエリートアイドルの表情に戻っていた。
ここまでアップチューンが続いたが、「your petal」は語りかけるような歌い出しから始まるバラード。ステージの桜も静かに寄り添うような夜桜に変化し、彼女の息遣いや、感情の高ぶりによる声の震えがダイレクトに伝わってくる。
その余韻を抱えたまま、本編ラストの「シンデレラ・ストーリー」へ。「奇跡」なんて不確かなものじゃない。さくらみこのストーリーは、彼女と35Pによって、これからも着実に続いていく。終幕に向かう寂しさではなく、これからへの確かな期待を感じさせながら、ライブは一度幕を閉じた。
M15「シンデレラ・ストーリー」

ライブテーマに沿ったコンセプチュアルな選曲や演出が光った本編に対し、アンコールパートは、より「さくらみこらしさ」を体現した内容だったように思える。1曲目はホロライブの全体曲から、ホロメンやスタッフへの感謝をこめて選曲したという「Our Bright Parade」。みこはライブTシャツを着て上手側の2階に登場すると、ブラスバンドによるスペシャルバージョンの同曲を歌いながら階段を降りていく。ホロメンの色をあしらった旗を力強く突き立てれば、床に金色のエフェクトがぱっと広がった。続いてTAKU INOUEが手掛けた「PON-DERFUL!!!」では、<どぅーんばーん>の声に合わせて銀テープが発射。ステージの背景では、これまでの配信ライブや1stライブの映像が流れていった。
M17「PON-DERFUL!!!」

これで終わり……かと思いきや、みこがトロッコに降り立ち、なんとダブルアンコールがスタート。「全開!満開!アイドル道!」の生演奏は祝祭のような多幸感にあふれ、マーチングバンドやみこだにぇー、35Pとともにクライマックスのパレードへと突き進む。ステージの方に設置されたバズーカからはサイン入りグッズも発射され、エンディングに向けてボルテージは最高潮へ。惜しみない量の仕掛けに、「やれることは全てやり尽くす」という気概が満ちあふれていた。曲が後半に入ると、客席中央まで来ていたトロッコが停止。みこは会場中からのコーレスを浴びながら、堂々と歌い上げた。
トロッコが上昇し、全方向から見えやすい位置になると、撮影許可タイムがスタート。ステージからはどうしても遠くなってしまう後方ブロックに向けても「こっちのみんな、遠いと思ってたでしょ?こんなに近くにいるから!みこはいつでも!」と呼びかけた。ホロライブでは日々、各タレントのソロライブや全体ライブなど、さまざまな公演が行われている。それらで培われた技術を血肉としつつ、さらに新しい演出へと昇華させている点も見事だ。
最後の最後、「この曲はみんなと一緒に歌いたい」との曲振りで始まったのは、みこにとっても35Pにとっても大切な曲「サクラカゼ」。花びらを巻き上げる一陣の風のように、ピアノの旋律が空気を塗り替える。Cメロでステージに戻ると、城のセットがエントランスから外観へと変化。みこは今の等身大の歌声を届けきり、晴れやかな表情で「次の目標は、3rdライブだ!これからもみこについてきてねー!」と高らかに宣言した。
M19「サクラカゼ」

大ジャンプによる大団円を迎えた後も、みこは、もう何度言ったかわからないお礼の言葉を重ねていく。「最高のライブ、作れたよね!?最高のパレードだったよね!?」――その問いへの答えは、会場いっぱいに咲き乱れるピンクのペンライトが物語っていた。
記念撮影を終え、「おつみこ」の挨拶とともに彼女が完全にステージを去った後も、ファンの名残惜しい気持ちが「みこちコール」を起こす。それに呼び戻されるように、ステージ脇でマイクをにぎったみこ。「みんなー!さっきね、みんなに言ってもらったこと、まだ返してない!」そう言って、マイクを通さない生声で「愛してるよー!」と叫んだ。
Kアリーナの大舞台をハイヒールで駆け回ってしまうような、少しお転婆なシンデレラ。彼女は誰かに幸せにしてもらうのではなく、大切なファンを連れて、自分の手でチャンスを掴みに行く道を選んだ。ライブの冒頭で彼女がかけた魔法は、12時の鐘が鳴っても解けることなく、私たちに夢を見せ続けてくれている。

取材・文/ヒガキユウカ
写真/Takashi Konuma
配信チケット・アーカイブ視聴
▼配信チケット
(SPWN、ZAIKO)配信チケット:6,800円(税込)
(SPWN)VIP配信チケット(本編+全景固定映像):8,800円(税込)
■受付期間
2026年11月29日(日)20:00まで
※公演終了後、公開準備ができ次第アーカイブ視聴可能となり、受付期間終了日の23:59まで何度でもご視聴いただけます。
SPWNチケット購入
日本:https://spwn.jp/events/evt_26102901-jpmiko2ndlive
Overseas:https://spwn.jp/events/evt_26102902-engmiko2ndlive
ZAIKOチケット購入
共通:https://hololive-production.zaiko.io/ja/item/383338
Sakura Miko 2nd Live “Blooming Parade!!” グッズ



■販売期間
2026年11月30日(月)18:00まで
日本:https://shop.hololivepro.com/products/sakuramiko_2ndlive_bloomingparade_secondaryorder
Overseas:https://shop.hololivepro.com/en/products/sakuramiko_2ndlive_bloomingparade_secondaryorder
会社概要
■ホロライブについて

「ホロライブ」は、ホロライブプロダクション傘下の女性VTuberグループです。YouTubeを中心としたライブ配信のほか、ゲーム大会の企画運営プロデュースやBillboard JAPAN Hot 100にランクインするアーティストまで、それぞれの個性を生かした活躍の場をバーチャルだけでなくリアルの領域まで広げています。
・ホロライブ公式サイト:https://hololive.hololivepro.com/
・ホロライブ公式YouTube:https://www.youtube.com/@hololive/
■カバー株式会社について

カバー株式会社は、インターネットを活用したIPビジネスを手がけ、世界屈指のVTuberIPと熱量の高いファンコミュニティを擁する次世代のITエンターテインメント企業です。 「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」をミッションに掲げ、VTuber事業を始めとした日本発のグローバルに広がる新たな2次元エンターテイメントを展開しているほか、2D/3D等のバーチャル技術やコミュニティプラットフォームの開発など、コンテンツ×テクノロジーを駆使し、世界が愛するバーチャルカルチャーを生み出すことを目指しています。
・所在地:東京都港区
・代表者:代表取締役社長 谷郷 元昭
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