2022年3月19日(土)〜20日(日)の2日間、女性VTuberグループ・「ホロライブ」の3度目の全体ライブ《hololive 3rd fes. Link Your Wish Supported By ヴァイスシュヴァルツ》が開催された。
配信活動に加えて歌やダンスを生かしたアイドル活動も行なうホロライブにとって、この全体ライブは年間で最も盛り上がるメインイベントのひとつ。2020年1月に豊洲PITで初の全体ライブ《hololive 1st fes.『ノンストップ・ストーリー』》を開催すると、2020年12月には2日間に規模を拡大した《hololive 2nd fes. Beyond the Stage Supported By Bushiroad》を開催。このライブは当時の情勢を鑑みて無観客で行なわれ、ラスト曲ではAR演出を使ってメンバーがステージを越えてくるようなパフォーマンスも話題となった。3度目の全体ライブとなる今回は幕張メッセを舞台にして《hololive SUPER EXPO 2022》と同時開催。各日19人ずつ、総勢38人のメンバーがステージに立つグループ史上最大規模のライブとして開催された。
中でも見どころは、グループ初の試みとなる、観客を会場に入れた状態で行なわれる有観客での「全編AR演出」+「生バンド演奏」が行なわれること。また、昨今の情勢下ではなかなか実現しなかったホロライブインドネシア(以下、ホロライブID)/ホロライブEnglish(以下、ホロライブEN)の面々も初参加。「Link Your Wish」という公演名通り、世界各地のメンバー/リスナーの“願いがつながる”機会となった。
初日のDAY1は、0期生のAZKi、さくらみこ、星街すいせい、1期生の赤井はあと、白上フブキ、夏色まつり、2期生の大空スバル、ホロライブゲーマーズの戌神ころね、3期生の白銀ノエル、宝鐘マリン、4期生の天音かなた、常闇トワ、姫森ルーナ、5期生の桃鈴ねね、尾丸ポルカ、ホロライブENの一伊那尓栖、がうる・ぐら、ワトソン・アメリア、ホロライブIDのムーナ・ホシノヴァが参加。加えて本編には参加しない面々も3か国語の影ナレーションを担当。DAY1は日本語版を“秘密結社holoX”のラプラス・ダークネス、博衣こより、鷹嶺ルイが担当し、英語版をホロライブENのIRyS(アイリス)、九十九佐命、セレス・ファウナ、インドネシア語版をホロライブIDのクレイジー・オリー、アーニャ・メルフィッサ、パヴォリア・レイネが担当した。
DAY1はホロライブJPメンバー全員が歌うホロライブ初の全体オリジナル曲「Shiny Smily Story」でスタート。ホロライブのロゴマークを思わせる三角形をあしらった2段組のステージに登場して15人全員で歌いはじめると、カラフルな照明が降り注ぎ、観客も様々なメンバーカラーのぺンライトを振り、早速全体ライブならではの華やかな雰囲気が生まれていった。
続いて1期生&ホロライブゲーマーズの白上フブキと、3期生・宝鐘マリンが登場すると、ラジオ番組『ホロライブpresents Vのすこんなオタ活なんだワ!』から生まれた2人のユニット”BABACORN”の「Happiness World」を披露。「みなさんすこんだワ~!!」というお馴染みの挨拶で登場すると、揃いの振り付けを踊って華やかなムードで会場を盛り上げた。
こうした序盤からも感じたのは、今回ならではの臨場感溢れるライブパフォーマンス。全編に導入されたAR技術は、メンバーのパフォーマンスや熱量を観客席側までよりダイレクトに伝えてくれる。また、ステージ両脇に陣取ったバンドによる生演奏も素晴らしく、特に低音は会場にいると体が震えるほど分厚い音圧になっている。そしてこうした変化が、メンバーそれぞれの個性や楽曲の魅力をこれまで以上に際立たせてくれているような雰囲気だ。
続いて4期生の天音かなたのソロパートへ。この日療養から復帰した彼女は、田淵智也が手掛けたソロ曲「特者生存ワンダラダー!!」を披露。冒頭の「いけー!!」という合図から勢い全開の生演奏に乗って歌いはじめると、間奏ではエアギターも披露。終盤も「かなた!」というコーラスに観客がペンライトで反応するなど、楽曲の魅力を全身で表現していった。
5期生の尾丸ポルカは、自身のオリジナル曲「HOLOGRAM CIRCUS」を披露。冒頭、「Welcome! あなたは選ばれし/ポルカサーカスin幕張のお客様!」と特別仕様のナレーションを披露したり、ビッグバンド風のきらびやかなサウンドの魅力を歌でも表現したりと、ライブの序盤にぴったりの賑やかな雰囲気で会場の熱気をぐんぐん増していった。
一方、3Dライブでリスナーの予想の斜めをいくような選曲で楽しませてくれることも多いホロライブゲーマーズの戌神ころねは、過去に配信でもプレイした『ロックマン』シリーズのボスをテーマにした楽曲「エアーマンが倒せない」をカバー。レトロゲーム風の映像にあわせてスラっとした手足を生かしたダンスを踊り、間奏ではハンドスプリングも披露した。
続いてDAY1出演者の中でもダンスが得意な夏色まつり、大空スバル、桃鈴ねねの3人がキュートなエレクトロポップ「Candy-Go-Round」を披露。頭上でくるくると回るミラーボールの光を浴びながら、次々にセンターが入れ替わるフォーメーションダンスや揃いのステップを生かした“DAY1のパッション組”らしいパフォーマンスで観客を魅了した。
次に白上フブキが歌ったのは彼女の初のオリジナル曲「Say!ファンファーレ!」。この曲では、「ライブバージョン」として一部の歌詞を変更。「おしゃべりをしてゲームと過ごす」という歌詞を「バカ騒ぎしてみんなと過ごす」という歌詞に変えたり、「歌とかステージはまだまだ恥ずかしいけど」という歌詞を「少し成長したけど」というフレーズに変えたりするなど、彼女のこれまでのライブを通じての変化やリスナーへの感謝が伝わる内容になった。
ホロライブプロダクション内のレーベル・イノナカミュージックでの活動を経て4月からホロライブに移籍したAZKiはオリジナル曲「画面の中の君が好き」を披露。AZKiの楽曲にはVTuberという存在自体について考えさせられるようなものが多く存在するが、この曲はリスナーの目線で綴られた曲。タイトルにもなっている「画面の中の君が好き」という歌詞のリフレインを、声の表現力ひとつでエモーショナルに聴かせる姿が印象的だった。
続いて5期生の桃鈴ねねのソロ曲「ねねねねねねねね!大爆走」がスタート。彼女はキレキレのダンスが印象的なアイドルとしての総合力が高いメンバーで、一面オレンジになったペンライト&照明を受けつつヒゲドライバーが手掛けたピコピコと忙しない&ポップな楽曲をパフォーマンス。会場全体がパッと明るくなるような雰囲気で観客を魅了した。
ここで、全体ライブならではの新鮮なユニット曲へ。1期生・赤井はあとと、5期生の尾丸ポルカはNeruのボカロ曲「脱法ロック」を披露。お互いに赤をワンポイントにしたシンクロ率の高いアイドル衣装や息の合った歌とダンスを披露すると、他人が思いつかない型破りな企画が得意な2人の配信の雰囲気ともマッチした選曲に観客も大いに盛り上がった。
続いて、「みんな~おる~?」というお馴染みの挨拶で4期生・姫森ルーナが登場。彼女のオリジナル曲「絶対忠誠♡なのなのら!」がはじまると、のんびりとしたAメロと、急にテンポが変わって華やかになるBメロ~サビのきらびやかな雰囲気の対比が心地いい。普段はひときわ体力がないことで知られる彼女がダンスをばっちり踊って会場が湧いた。
次に現われた0期生のさくらみこは、直前に登場した姫森ルーナの”パパ”としても知られるかんざきひろが楽曲提供したオリジナル曲「花月ノ夢」を披露。普段は王道アイドル感たっぷりのライブが印象的な彼女だが、この日はド派手なレーザー全開のクールなパフォーマンスを披露。ドロップ部分でダンスをして会場がEDMフェスのような熱気に包まれた。
また、この日は完全初披露の新曲を歌うメンバーも。3期生の宝鐘マリンは大海原を進む大航海をイメージした演出をバックにストリングスや壮大なコーラス、哀愁を帯びた歌謡曲綺麗なメロディの新曲「マリン出航‼︎」をパフォーマンス。この楽曲の作者は明かされていないが、彼女のリスナーであれば曲を聴いた瞬間に想像が膨らんだことだろう。
3期生の白銀ノエル&4期生の姫森ルーナは、2人でじーざすPのボカロ曲「しんでしまうとはなさけない!」をカバー。「勇者と姫」が登場する歌を、お互いの個性でもある「騎士と姫」に変え、ゲームのコントローラーをイメージしたダンスも披露。「てゆうか私は一兵卒です」を「てゆうか私はVTuberです」に変えるなど、遊び心一杯に観客を盛り上げた。
ここからはこの日3Dモデルが初お披露目となる海外メンバーのステージへ。1番手はホロライブENのがうる・ぐらが初のオリジナル曲「REFLECT」を披露。この曲はホロライブIDの楽曲なども手掛けるFarhan Sarasinによる楽曲で、「みんなどうもーサメです!」というお馴染みの挨拶で会場を沸かせると、スパニッシュやエレクトロの要素を加えた楽曲を、小さな体からは想像できないしなやかなダンスと高い歌唱力で表現した。
同じくホロライブENのワトソン・アメリアは、TVアニメ『N・H・Kにようこそ!』の挿入歌として知られる宍戸留美の「ふしぎ・プルプル・プルリン・リン!」をカバー。この曲は彼女がデビュー配信を筆頭に様々な配信で歌ってきたお気に入りの楽曲のひとつで、3Dになったことで今回初めて振り付きのパフォーマンスが観られることになった。これまでの配信を見てきたリスナーであればあるほど、感慨深いパフォーマンスだったことだろう。
続くホロライブENの一伊那尓栖は登場するなり「わぁ!」と会場の風景に驚いて満面の笑顔に。音響系のエレクトロニカ~アンビエントの要素なども加えて空間をたっぷりと取ったアレンジが印象的なオリジナル曲「VIOLET」を歌いはじめ、「足跡を合わせて歩いてみたら」と歌う部分では、3Dでのパフォーマンスらしく歌詞に合わせて自分自身も歩くような振りを披露。じっくりと歌声の魅力を伝えるような雰囲気で観客を引き込んでいった。
DAY1の海外メンバーの最後を飾ったのは、ホロライブIDのムーナ・ホシノヴァ。ホロライブJPメンバー・兎田ぺこらとの交流や高い歌唱力を生かした歌配信などで人気を集める彼女は、自身の2作目のオリジナル曲「High Tide」を披露。アイドルというよりアーティスト/シンガー的なパワフルな歌声やグッと腰を使うようなクールなダンスに会場が度肝を抜かれることとなった。
以降はお馴染みの仲良しコンビ・さくらみこ&戌神ころねのユニットである”みっころね”が登場。わちゃわちゃと賑やかな2人らしい雰囲気で、ナユタン星人のボカロ曲「太陽系デスコ」をカバー。2人で背中を合わせたり、向き合ったり、別方向を向いたりと息の合ったシンクロダンスや歌を披露して、会場がピンクと黄色のペンライトで埋め尽くされることとなった。
ここで、「今からはゆるふわノエちゃんタイム!」と3期生の白銀ノエルが登場し、渡辺翔が提供した彼女のオリジナル曲「ほめのび」を披露。おっとりした癒し系の楽曲に合わせ、一面真っ白の照明&ペンライトを受けながら「みんなも一緒に!」と伝えると、観客も「みゃ/みゃ/みゃー」「ポン/ポン/ポン」というコーラスにあわせてペンライトを振った。
1期生の赤井はあとは、初期にはオーストラリアに住みながら配信を行なっていたことも知られる持ち前の英語力を生かして、全編英語詞のソロ曲「Infinity」を披露。この曲は「赤井はあと」と「はあちゃま」という2つの人格をテーマにしつつ、クラブミュージックの要素を加えたエモーショナルな楽曲になっている。最後は観客に「いつも応援してくれてありがとう。(中略)これからもよろしくお願いします!」と感謝を伝えてステージを終えた。
次に登場したのは、ホロライブJP屈指の力強い歌声を持つメンバーのひとり、4期生の常闇トワ。彼女は今年1月に発売した1st EP『Scream』の収録曲で、ANCHORが提供した「born to be real」をパフォーマンス。他人に媚びず我が道を行くようなアイドル像が想像できるダークな曲調や、情緒溢れる歌詞を持つ楽曲を持ち前の綺麗な低音で歌い、「堪んねえな」という歌詞に合わせて空中にキックを決めると、会場から大きな拍手が巻き起こった。
その後は、AZKi&天音かなたが登場し、2人でDECO*27の楽曲「モザイクロール」のリバイバル版「モザイクロール(Reloaded)」をカバー。もともとキュートな楽曲から激しいロック曲まで幅広い音楽性に振り切れることができる2人が、ここではロック的な魅力を全開にしたパフォーマンスを披露。ライブ終盤へと熱気を繋いでいった。
DAY1もいよいよ終盤。ここで2期生のムードメーカー・大空スバルが登場し、「みんな~まだ疲れてないよなぁ? 盛り上がって行くぞ!!」と伝えてソロ曲「ぷ・れ・あ・で・す!」を披露。全身で楽しさを表現するようなダンスに加え、間奏では会場の両端ギリギリまでステージを広く使って盛り上げるなど、陽性の明るい雰囲気でDAY1のバトンを繋いでいく。
1期生の夏色まつりが選んだのは「HiHiハイテンション!」。この曲はファンメイド曲などをライブで披露してきた彼女が、生誕祭に向けてリスナーへの感謝を込めて準備した初のオリジナル曲。手や足の先までビシッと意識が通ったダンスに加え、ジャンプを披露するなど天真爛漫な雰囲気で魅了。ヒマワリをモチーフにした映像も彼女らしい雰囲気だった。
そしてDAY1のソロパートの最後は、昨年アルバム『Still Still Stellar』がオリコン週間チャート6位を記録した歌姫、星街すいせいが登場。作曲をTAKU INOUEが手掛け、自身で作詞を担当した「Stellar Stellar」を歌いはじめると、「だって僕は星だから」という冒頭から観客が盛り上がり、会場いっぱいに手拍子が生まれた。生バンドの演奏も過去以上に楽曲の壮大なスケール感を強調していて、観客が圧倒されて聞き惚れる姿が印象的だった。
以降はユニット曲のラストとして、ホロライブのクールなアイドル像を代表する2人、星街すいせいと常闇トワが登場。星街すいせいのオリジナル曲「GHOST」がはじまり、楽曲のMVを連想させるような天体をモチーフにした映像表現などをバックに、この2人ならではの力強い歌声やでダンスを披露。中でもサビで2人の声が重なる様子は圧巻だった。
DAY1の最後は、それぞれに白か黒かを選んだTシャツ姿で登場したホロライブJPメンバー全員で、今回の公演に向けて公開された最新の全体オリジナル曲「Prism Melody」を披露。5u5h1が手掛けたこの曲は、これまで以上に王道アイドルソングのど真ん中を行くような雰囲気で、歌詞では「みんなでつないだこの奇跡が/途切れないように歌うんだ/もっと高く/大きな声で」と、グループの過去と未来とをつなぐような楽曲になっている。「ホロライブはこれまでも、これからも止まらない」。そんな気持ちを感じさせる曲でDAY1を締めくくった。
取材・文 / 杉山仁
写真 / 中村ユタカ https://twitter.com/yutamacaron
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▼SPWNチケット
・DAY1(3月19日) :¥5,500(税込)
・DAY2(3月20日) :¥5,500(税込)
・DAY1-DAY2(通し券):¥10,000(税込)
※2022年4月20日(水)23:59まで購入、視聴可能です。
※購入後、何度でもご視聴いただけます。
※2022年4月20日(水)23:59を過ぎると、アーカイブ視聴中でも視聴できなくなります。
チケット購入URL : https://virtual.spwn.jp/events/22031901-jphololive3rdfes
▼ニコニコ公式有料生放送チケット
・DAY1(3月19日) :5,500ニコニコポイント
・DAY2(3月20日) :¥5,500ニコニコポイント
・DAY1-DAY2(通し券):¥10,000ニコニコポイント
※1ニコニコポイント = ¥1(税込)となります。
※2022年4月20日(水)23:59まで購入、視聴可能です。
※購入後、何度でもご視聴いただけます。
※2022年4月20日(水)23:59を過ぎると、アーカイブ視聴中でも視聴できなく
なります。
チケット購入URL : https://blog.nicovideo.jp/niconews/161864.html
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