24時間365日いつでもメタバース内で働いてくれるAIアバター「AOI」が誕生 早速VRChatで会ってきた

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ソーシャルVR内にいるアバターは人間が動かしているものが主流となっている現在ですが、今後はAIが動かす、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)としてのAIアバターが増えるかもしれません。

8月30日、音声認識技術の国内シェアNo.1であるアドバンスト・メディアが、国内初ソーシャルVRアプリ/サービス向けAI音声対話型・AI Avatar AOI(エーアイアバターアオイ)を発表しました。


音声認識技術を活用した音声対話アバター

開発の背景に関しては、メタバース領域におけるコンタクトセンター/カスタマーサービス分野へのチャレンジがあるとのこと。アドバンスト・メディアが持つ音声認識技術AmiVoiceはコンタクトセンターでの導入実績が442社57793ライセンスとなっていますが、コロナ禍以降は対面によるカスタマーサービスの利用数が激減した反面、ボット通話・ウェブチャット・チャットボット・メール・ビデオチャット・SNSなどオンラインを活用したコミュニケーションチャネルが育ってきています。

このうち無人による対応が可能になるチャネルはボット通話とチャットボットのみでしたが、メタバースの市場規模が急拡大していくと見られているなか、メタバース内のAIアバターは無人化かつ、音声・テキスト・映像などのメディアを用いたコミュニケーションも可能です。

そこで生まれたAI Avatar AOIには、以下の特徴があります。

・AIがお客様対応を自動化。24時間365日対応が可能
・メタバース空間上を自由に移動し、任意の説明を実施
・シンプルな管理画面で、対話内容を簡単に確認・編集
・音声認識エンジンを用いた自然なコミュニケーションを実現
・人間らしい自然な動きでユーザーエクスペリエンスを向上

メタバースの商業利用に注目している企業は増えていますが、メタバース内の現場で務めるスタッフの確保はまだ難しい状態です。アバター姿で働くアバターワーカーは増えてきていますが、メタバースに関する知識を持ちながらも様々な業態のカスタマーサービスを行えるだけの知識・経験を持った人材は極めて少数です。

しかしAI Avatar AOIは24時間365日休みなく、事前に作成した会話想定データに基づいた、伝えたい情報面では間違いのない接客やアテンダントが可能です。日本語の自然言語研究に長けた企業が手掛けたAIアバターゆえに、実在する人間と同じように喋りかけても自然な回答をしてくれます。

会話内容は管理画面上で確認できるため、VOC(顧客の声)も収集しやすくなる。利用者に応じたアバターの外見変更が可能。利用者の目を見た対話も可能で、顧客接点を強化できるというメリットもあります。


VRChatなどソーシャルVRを活用した商業利用の可能性が広がる

VRChatの特設ワールドにいたAI Avatar AOIを見てきました。

AI Avatar AOIのシステムはワールド内に組み込むものではなく、アバター側に組み込むものとなります。会話の内容はExcelファイルで設定が可能なため、Officeアプリが使える人であれば誰でもAI Avatar AOIの話す内容を記すことができます。

対話をするだけではなく、ワールド内の移動やエモートの起動も可能です。

もちろんアバターの外観も変えられます。また、現在は四国めたんさん、春日部つむぎさん、九州そらさんと同じVOICEVOXのAPIを使用していますが、他の音声合成APIを利用することも可能とのことです。

実際にAI Avatar AOIと話して、何か懐かしい感覚を覚えました。そうだ。これは現実世界で、はじめてPepperくんと話したときに抱いた感情と同じです。

レスポンスは決してよいものではなく、相手が理解してくれる会話内容は何かを探りながらのコミュニケーションが求められます。しかしVRChatのアバターの中に組み込めるシステムであることを考えると、レイテンシが発生するのは当たり前。会話に関しても設定データ量を増やすことで対応力を高められるでしょう。

発表会に登壇したアドバンスト・メディア CTI事業本部 事業部長の今宮元輝さんは、さまざまなシーンでの利用が考えられる、と語ります。接客応対の完全無人自動化だけではなく、より詳しい解説が求められるシーンでは有人アバターがログインしたり、日中は有人アバターがフロアに立ち、夜の時間帯(海外においては日中の時間帯)だけAI Avatar AOIを活用した24時間運用も視野に入れていいでしょう。

「アドバンスト・メディアは、AI音声認識を活用した人と機械の自然なコミュニケーションによって、メタバースという新たな顧客接点の場におけるまったく新しいユーザーエクスペリエンスを提供を実現すべく、Avatar AOIさらなる開発改良に努めて参ります」(今宮さん)

いまはまだ生まれたばかりのAI Avatar AOI。これからどんな成長を見せてくれるでしょうか。今後の発表に期待したいですし、業務利用を考えている企業の方はアドバンスト・メディアまでお問い合わせくださいとのことでした。


(TEXT by 武者良太


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