VR演劇コミュニティ「メタシアター」が一般社団法人へ

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VRマクベスを上演して以降、意欲的にVR×演劇をけん引してきたVR演劇コミュニティ「メタシアター」は4月3日、一般社団法人「メタシアター」として法人化。4月5日、VRChat上にてお披露目した。

メタシアターはこれまで2022年にVR演劇「マクベス」を皮切りに、翌年にはVRChat上の演劇祭「メタシアター」を開催。演劇だけでなくダンスやファッションショー、漫才など「シアター」で上演される演目をまとめて楽しめるフェスティバルとしてパワーアップした。2024年、ついに一般社団法人化したというのが発表の内容だ。

設立メンバーはぬこぽつ氏(代表理事)、maropi工房座長のmaropi氏(理事)、VRマクベスで主演を務めた役者のともよろう氏(理事)の三人。

ぬこぽつ氏
maropi氏
ともよろう氏

VR×演劇の未来図として、演劇に携わる中でコロナ禍で活動を辞めることになった役者たちを見てきた代表のぬこぽつ氏は「一度演劇をあきらめてしまった人にとってのセカンドキャリアとして、またはVR演劇に触れることでリアルのワークショップに出るといった(演劇を通じたVRとリアルとの)相互関係が生まれれば」と語った。

VRChat上でさまざまな劇やパフォーマンスが生まれている中、メタシアターが法人化することで「VR演劇」という新しい文化芸術としての側面や、VRとリアルの共存関係など、さまざまな面でVR演劇シーン全体を盛り上げていくという。

メタシアターの理念は「バーチャルのパフォーマンスをよりゆたかにしたい!」とのことで、事業として加盟団体に向け、個人やグループだけでは難しかった上演許可や音楽権利のサポート、広報活動や法務関係のサポートといったパフォーマンス以外のデスクワークのサポートを行う。

もちろん、「メタシアター演劇祭」は継続実施するという。また、VRChatの有料サブスクリプション「クリエイターエコノミー」を活用した劇場の新設など、VRChat上の演劇コミュニティを一層盛り上げていく。

モノガタリ交流会などを主催するVRChat上の創作グループ「A-Literary Works」とメタシアターの共催でシナリオコンペも開催予定。

VRSNSを拠点としたコンペで、応募資格、ジャンルやテーマなどは不問。詳細は追って公開されるという。

22年の「マクベス」から毎年シェイクスピア作品を上演しているメタシアターだが、今年のメタシアターにて「ハムレット」の上演が決定。昨年の「真夏の夜の夢」の喜劇から一転して、マクベスと同様シェイクスピア四大悲劇であり、シリアスな復讐劇となる。

メタシアター理事のひとりmaropi氏が座長を務めるmaropi工房の第2回公演「カレイドメモリー」の公演が4月下旬を予定。「今からVR演劇に興味を持った方に来てもらえれば」と語る。

(TEXT by ササニシキ

●関連リンク
一般社団法人メタシアター公式サイト