昨年からPANORAでその取り組みを追ってきた「メタバースヨコスカ」。 2月に記念艦三笠が変形した巨大ロボ「みかさロボ」を猿島ワールドに登場させて以来、約二か月ぶりに届いた情報がこの「えーあいそうだんいん」だ。 横須賀市観光課が本気で取り組むVRChat上での観光PRという、他に類を見ない展開が気になるためさっそく体験してきた(ニュース記事)。
聞くところによると、横須賀市は全国の自治体で初めてChatGPTを導入したという。それ以前にも位置情報ゲーム・イングレスの大会を開催したり、市民向けにUnityの講座を開くなど、IT活用においてのフットワークがかなり軽い。
そんな横須賀市がメタスカVRの次なる展開として用意したのが「えーあいそうだんいん」。
大人気アバター「まめひなた」にAIアバターシステムを搭載して運用されるが、あくまで試験運用とのことで、期間は本日4月27日から5月31日までの約一カ月となっている。
「えーあいそーだんいん」に相談してみた
「えーあいそーだんいん」は主に観光案内などが得意なので、ぜひ横須賀市の観光スポットやグルメについて聞いてみよう! まめひなたがてきぱきと喋ってくれる姿がとにかくかわいいので、ずっと喋っていたくなってしまう。
うまく喋るコツは、ビールケースのすぐ目の前に立つことと、滑舌よく、端的に話しかけること。日頃業務などでChatGPTを活用している方はすぐに応答のコツをつかめるかもしれないが、わかりやすい言葉遣いが重要だと感じた。
こちらの言葉を認識すると、尻尾を振る。少しの間黙っているが、考え中なので安心して待とう。
体感的には2秒ほど待つと質問の答えを喋り出すような感覚で、答えが返ってくるのをほんの少し待つ、という形だ。
取材での体験時は、初めに筆者がVRChatのアバター表示の設定を調整しながら独り言で「Personal Spaces…」とつぶやくと、その単語を拾った「えーあいそーだんいん」が「パーソナルスペースについてしりたいんだね」とかなり長い話をし始めたのがかわいかった。
担当の小山田さんによると、難しいことを聞くと話が長くなる傾向があるという。しかし、難しいこともてきぱきと答える様子がかわいいので、逆に少し難しいことを話して欲しくなって「転職相談」「新規事業の壁打ち」をやってみた。
AIらしい鋭い答えが返ってくるので見た目とのギャップが面白かったのと、見た目がまめひなたであることから心理的ハードルが下がるのを感じた。
駅や公共の場にいる案内ロボット等にはどうしても話しかけるのが恥ずかしいと思ったが、見た目がまめひなただと中に人がいるような錯覚がしてきたり、自分の活舌の悪さからうまく認識されなかったさいには「ごめんね!」という気持ちがこみ上げてきた。
また、リクエストすれば写真のポーズをとってくれたり、ダンスも披露してくれる。ダンスは本当にかわいいのでぜひ見て欲しい。
「えーあいそーだんいん」は、うえぞうさんによってAIアバターシステム部分が実装されている。
今回はメタバースヨコスカという観光PRの場での活用なので主に観光案内や雑談がメインとなるが、ChatGPTによる活用の幅はかなり無限大。今後は福祉や教育といった現場でも活用できそうだと感じさせられたが、まずは試験運用の場としてVRChatにその場を選択する横須賀市という自治体が面白いと思わされた。
●「えーあいそうだんいん」運用概要
・試験運用期間:2024年4月27日(土)~5月31日(金)
・4月の実施時間:27日・15:00~25:00、28日 ・ 18:00~25:00、29日 ・ 18:00~25:00、30日 ・ メンテナンス※5月以降の詳細なスケジュールはメタバースヨコスカ公式X(旧Twitter)にて告知
・設置場所:VRChat内 Dobuita&Mikasa World(JPパブリックインスタンスを予定)
(TEXT by ササニシキ)
●関連リンク
・メタバースヨコスカ 公式サイト