ジョリーグッド・大塚製薬の共同事業FACEDUO「認知症ケア支援VR」の提供が開始

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株式会社ジョリーグッド

株式会社ジョリーグッド(東京都中央区、代表取締役CEO:上路健介、以下 ジョリーグッド)は、大塚製薬株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:井上眞、以下 大塚製薬)との共同事業であるVRトレーニングプログラム「FACEDUO(フェイスデュオ)」の新たなプログラムとして、「認知症ケア支援VR」を開発し、2024年9月10日(火)より提供を開始しましたので、お知らせします。今回の提供はプレリリース(お試し体験)で、12月に販売を開始する予定です。

認知症ケアラーへの支援が急務となっています。認知症高齢者の数は2025年の471.6万人から、2040年には584.2万人に増加し、認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)の推計612.8万人*1と合わせて、約3人に1人が認知機能の低下に至るとされています。一方2030年には、家族を介護する833万人のうち約4割が、働きながら家族の介護に従事するビジネスケアラーとなる中で、仕事と介護の両立困難による労働生産性の損失は約8兆円になると指摘されています*2。

認知症との共生社会を実現するには、認知症の進行に伴って出現する心理・行動症状へ適切に対処する必要があります。認知症の方がその人らしく暮らし続けることを可能にしながら、介護者のストレスに対処することによって、双方が充実した日々を送れるよう、ジョリーグッドと大塚製薬は「認知症ケア支援VR」を開発しました。

「認知症ケア支援VR」は、認知症の方のご家族や介護士をはじめとする介護者の方々が、認知症の方の気持ちや行動の背景を知り、具体的な対応を学ぶための、専門医監修の体験型VRトレーニングプログラムです。

認知症になると物事の段取りや手順が分からなくなったり、もの忘れをしたりなどの症状がしばしば起きます。ただ、当事者は何も分からなくなってしまったのではなく、認知症による自身の変化に戸惑ったり、不安を感じていたり、他者とコミュニケーションがうまく取れないことにストレスを感じていたりします。本プログラムは、認知症の方の気持ちや行動の背景を理解し、対応の工夫を学ぶことによって、行動・心理症状を軽減し、介護者の精神的負担を緩和することを目指しています。

FACEDUOは2022年10月の提供開始以来、医療機関や就労移行施設を中心に導入が進んでいますが、「認知症ケア支援VR」は介護施設や自治体、認知症のご家族を支援する民間サービスにも販路を拡大します。

ジョリーグッドは今後、様々なパートナーとともにヘルスケアVRの制作ノウハウを他の精神科領域にも拡大してまいります。

*1 令和5年度老人保健事業推進費等補助金「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」

*2 経済産業省(2024年)「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」

■認知症介護による精神的負担 9割近く「感じる」

認知症当事者だけでなく、介護者を含めた支援体制の整備は急務と言えます。認知症当事者を介護するご家族は、介護疲れによるうつやストレス、孤立、睡眠障害などに悩まされることも珍しくありません。

認知症当事者のご家族など介護者を対象とした調査結果によると、精神的負担を「やや感じる/強く感じる」と回答した人は86.9%で、身体的負担や経済的負担を上回りました。

※社会福祉法人東北福祉会認知症介護研究・研修仙台センター 平成29年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業):認知症の家族等介護者支援に関する調査研究事業報告書. 2018 を元に作成

■ソーシャルスキルトレーニングVR「FACEDUO(フェイスデュオ)」

「FACEDUO」は、人とテクノロジーで社会課題に対する解決策を提案するVRトレーニングプログラムです。社会生活の様々な場面を教材にVRで練習できる「ソーシャルスキルトレーニングVR」、ひきこもり当事者のご家族に社会参加を促す際に有効なコミュニケーションのポイントや対応方法を学ぶ「ひきこもり家族支援VR」、良好な人間関係を築くスキルを育てる「感情認知トレーニングVR」があります。

認知症ケア支援VR概要

「認知症ケア支援VR」は、認知症の方の気持ち、行動の背景を知り、具体的な対応を学ぶ、体験型ケア支援VRプログラムです。本プログラムは専門家の監修に基づき開発され、大きく3つのテーマで構成されています。

  1. 「認知症の症状の理解」介護者が戸惑った場面を家族目線で体験し、場面を振り返りながら、認知症の症状について理解を深めます。
  2. 「認知症の方の気持ち・行動の理解と工夫」介護者が認知症の方と接する中で難しいと感じる場面の体験を、「きっかけ→気持ち・行動→対応」という流れで分析を行い、きっかけを変えることや、認知症の方の気持ちを理解した対応へのアドバイスが提供されます。テーマ2は認知症の各症状に起因するそれぞれの行動に対しての複数のコンテンツが用意される予定です。
  3. 「リラックスVR」リラックスできるVR空間で呼吸法を用い、介護者の方々が体と心をリラックスさせる体験を通じ、ストレス軽減を図ります。

2024年9月10日に「認知症の症状の理解」および「認知症の方の気持ち・行動の理解と工夫」のプレリリース(お試し体験)を行い、12月に販売を開始します。当事者と介護者の方々の体験を通じて得られたご意見を基にさらなる開発を行い、当事者と介護者双方が充実した日々を送ることが出来る製品・サービスの提供を目指します。

認知症ケア支援VRの特徴

「認知症ケア支援VR」は、認知症の方の気持ちを知り、接し方の工夫を学べるよう、ジョリーグッドの強みである実写VR技術によるリアル感と、3Dグラフィックスを活用した仮想空間を組み合わせました。それにより、学びやすさとわかりやすさ、継続して受講しやすい要素を加えています。

VRの進行役とドクターがトレーニングを進めるため、認知症介護者を教育する支援者の負担の軽減にも繋がります。


なお、全てのVRコンテンツは慶應義塾大学 医学部 精神・神経科/医療安全管理部 准教授 藤澤大介医師に監修いただきました。

大塚製薬とジョリーグッドは、「FACEDUO」を通じて、当事者やご家族・支援する方々が抱える課題を解決するため、今後も新たなコンテンツの開発を行ってまいります。

・FACEDUO公式ページ(認知症ケア支援VR):https://www.faceduo.jp/dementia-care/

・お問い合わせ:https://www.faceduo.jp/form/contact/

■認知症ケア支援VR に関するコメント

コンテンツ監修:慶應義塾大学医学部 精神・神経科/医療安全管理部 准教授 藤澤 大介 医師

認知症ケアでは、認知症のご本人のケアに加えて介護者の心のケアが大切です。このプログラムは、認知行動療法と応用行動分析の考え方に基づき、認知症の方と介護者の両方の心のケアを目的として開発されました。VRの特長を生かし、認知症の方と介護者の双方の視点を体感できるように作られています。認知症の方の心の理解、その理解にもとづいた認知症の方に優しいコミュニケーション、介護者の方のメンタルケア、それぞれに役立つと期待しています。

大塚製薬株式会社 ポートフォリオマネージメント室 DXアライアンス担当 プリンシパル 大西 弘二 氏

認知症当事者の気持ちや行動の背景の理解を深めるための体験型介護支援VRトレーニングプログラム「FACEDUO(フェイスデュオ):認知症ケア支援VR」をプレリリースしました。今後、当事者と介護者の方々の体験を通じて得られたご意見を基にさらなる開発を行い、当事者と介護者双方が充実した日々を送ることが出来る製品・サービスの提供を目指しています。

■大塚製薬株式会社について(https://www.otsuka.co.jp/

大塚製薬は「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」(世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造する)の企業理念のもと、病気の診断から治療にアプローチする医療関連事業と、日々の健康維持・増進をサポートするニュートラシューティカルズ関連事業の二つの事業を中心に、トータルヘルスケア企業として多様な事業を展開しています。

■株式会社ジョリーグッドについて(https://jollygood.co.jp/

ジョリーグッドは、米国やアジアを中心に、高精度なVRソリューションと、VR空間のユーザー行動を解析するAIによる医療福祉向けサービスを開発するメディカルテクノロジーカンパニーです。VRやAIなどのテクノロジーにより、医療教育、精神疾患治療など、人の成長や社会復帰を加速し、医療の進化や人の生きがいを支えるサービスを様々な研究機関や企業の皆様と共に展開しています。

これまで日本では250以上の医療・福祉機関への導入実績があり、米国ではハーバード大学やボストン大学、タイではマヒドン大学と共同開発事業を手掛けています。

「ひらけ、医療。」プロジェクト

ジョリーグッドが立ち上げ、推進する「誰もが医療に参加することで、あらゆる場所に医療がある未来の創出を目指していくプロジェクト」です。日本の医療は高齢化による医療ニーズの増加や人材不足といった課題を抱えており、あらゆる生活者が医療に参加しやすい環境構築が必要とされています。詳細はこちらをご覧ください。https://jollygood.co.jp/hirake-iryou

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