学校法人常翔学園
摂南大学(学長:久保康之)理工学部住環境デザイン学科は、拡張現実(以下、AR)技術を活用した防災学習ゲームプログラムを開発し、11月17日に大阪府寝屋川市の成美小校区地域協働協議会が主催するイベント「みんなで成美小を救おう大作戦!AR防災まちあるき」にてARコンテンツを提供します。
【本件のポイント】● 理工学部住環境デザイン学科が地域貢献の一環として、AR防災ゲームプログラムを開発し、イベント に協力● 参加者は、まちを歩きながらタブレット端末でARクイズに挑戦し、ゲーム感覚で楽しみながら防災知 識を習得● 地域によって異なる「災害リスク」や「地域が抱える課題や強み」に対応し、地域ごとに内容が変わる 形式へコンテンツをアップデート |
学生と参加者のまちあるきの様子
近年、地震や台風などの自然災害が頻発しており、防災意識の向上は喫緊の課題となっています。本イベントは、AR技術を活用することで、子どもたちがゲーム感覚で楽しみながら防災について学べる機会を提供します。加えて、地域住民が主体的に防災活動に参加することで、地域コミュニティーの活性化にもつながることも期待しています。「AR防災まちあるき」は、小学生を含む家族を対象に、AR技術を活用した防災学習イベントです。「ドジでわがまま」な設定のドラゴンが、行く先々でハプニングを起こします。参加者はまちを歩きながらタブレット端末を使ってARクイズに挑戦し、ハプニングを解決することで災害時の危険箇所などを学んでいきます。
昨年、進行役として参加した3年生が、今年は4年生として企画から準備、当日の進行までを担当し、運営しています。依頼者である地域協議会との打ち合わせも、学生が担っています。
昨年からの変更点として、地域によって災害リスクや地域が抱える課題や強みは異なるため、対象地域が抱えるリスク(ハザードマップによる調査)や課題や強みを調査(ヒアリング)し、地域が変わるとクイズ内容が変わるという仕掛けを施しました。
楽しみながら、災害時に役立つ防災知識が身につくことを願っています。
■イベント概要
本イベントは、成美小校区地域協働協議会が主催し、摂南大学理工学部住環境デザイン学科空間情報デザイン研究室が協力しています。昨年は卒業研究(小学校低学年を対象としたAR防災学習コンテンツに関する研究)のフィールドワークとして開催しました。昨年の内容を見学した地域協議会からの依頼により、今年も開催することが決定しました。大阪公立大学によるARアプリ「MUSUBOU-AR」をベースとしたARコンテンツの開発、イベントの企画・運営、当日の運営サポートなど、多岐にわたって社会貢献活動として参画しています。
・日時: 2024年11月17日(日)10時~15時 ※所要時間は45分
・場所: 寝屋川市立成美小学校 体育館(集合場所)
・対象: 小学生を含む家族(12組限定) ※保護者1人の同伴要、事前申込み制
・参加費: 無料
■理工学部住環境デザイン学科 榊 愛准教授からのコメント
① 繊細な子どもに配慮したコンテンツ設計
わがままドラゴンが起こすハプニングは、自然災害を模しています。自分が住む大事な町が自然災害の被害に合う様子を見せることは、子どもによってはストレスになることが考えられます。
繊細な子どもに与える影響を軽減するために、災害を直接示すのではなく、わがままドラゴンによるハプニングとして伝えています。周りに頼れる大人がいない時間・場所で災害(ハプニング)が起こっても、子ども自身が自分の命を守る力をつけてほしい、という想いで企画しました。
② 子どもの主体性を育てる仕掛け
ARクイズを取り上げているのは、子どもが楽しんで参加してもらうためです。子育て世代は忙しいため、他世代に比べて地域の防災訓練の参加率が低いと言われています。子どもの「行ってみたい!やってみたい!」から始まる、家族で楽しめる防災学習となることも目指しています。
【過去に実施したイベントの様子】
ARクイズを体験する子どもたち
同様のイベントは、今年9月に東大阪市石切東小学校工区においても開催しました。参加者からは、「楽しかった」という声が目立ったほか、「災害の時にどのような行動を取れば良いか分かった」「学校は、授業とかいっぱいあって訓練の時間は短いが、町歩きでは、避難訓練を学ぶ時間があって楽しかった」「本当に起こったら今日学んだことを思い出したいと思います」などの声が寄せられ、災害について考えるきっかけとなった様子が見受けられました。