VR意識調査「自宅で体験したい」61.7%、「酔いそう」というイメージも根強く … MMD研究所調べ
MMD研究所は、15~69歳の男女を対象に、10月4日~8日の予備調査8820人および10月7日~12日の本調査1043人に対し「2016年10月VRに関する意識調査」を実施し、その結果を公表した。調査方法はインターネット調査、設問数は予備調査が1問、本調査が3問となっている。
●VRへの理解、VRに対するイメージ
予備調査において、VRへの理解を聞いたところ、以下のような結果となった。
・知っていて理解している(45.2%)
・知っている(17.8%)
・VRという言葉を知らない(36.9%)
このうち、VRを「知っていて理解している」と回答した3992人に「VRに対するイメージ」を聞いたところ「映画やアニメを楽しめそう」「自宅でゲームが楽しめそう」と、エンタテインメント分野を連想する回答が上位となった。一方で「酔いそう」という回答が次いで多くなり、VRデバイスでの体験に対しネガティブなイメージも少なからず見られたようだ。
いわゆる「VR酔い」は、デバイスの品質に加えて利用者の体質によるところも大きい。利用者の動きとデバイス(主にゴーグル)に映し出される映像の感覚的な差異によって「VR酔い」が起こりやすいとも言われており、これに関しては近年のデバイスでは大きく改善されている。また、VRコンテンツそれぞれで酔わないカメラワークなどの工夫も見受けられる。
●VRをどこで体験したいか
予備調査において、VR所持者、購入予約者、購入検討者、体験者、機能を理解していると回答した1043人(VRに興味を持っている 449人、VR体験者 422人、VR所有者 172人)を抽出して行われた本調査にて、VRをどこで体験したいかという質問をしたところ、「自宅」と回答した人が61.7%、「自宅以外」が34.3%となった。
また、自宅以外でVRを体験したいと回答した399人に対し、どこで体験したいかを聞いたところ、「映画館」が31.1%と最も多く、次いで「イベント」が29.6%、「観光スポット」が28.8%となった。VRは1人でゴーグルを装着して楽しむコンテンツが多くを占めるため、「映画館」では、VR(仮想現実)体験というより、AR(拡張現実)体験やMR(複合現実)体験がイメージされているのかもしれない。
そのほかの上位の回答には、「遊園地」「ゲームセンター」「動物園や水族館」といったアミューズメント施設が目立つ。これは現状のVRの導入状況にもリンクした結果と言え、大小の規模を問わず、現在多数のアミューズメント施設がVRを利用したアトラクションの導入を積極的に行っている傾向にある。特にゲームセンターの市場規模は縮小傾向にあるため、「ZERO LATENCY VR」(関連記事)や、「HADO」(関連記事)のような、そこでしか体験できない新しい遊びを含めたVR/ARコンテンツの登場に期待したいところだ。
●360度映像について
本調査にて、360度映像について質問したところ、「知っていて、撮ってみたい」が37.4%と最も多く、次いで「知らなかったが撮ってみたい」が30.3%となり合わせて67.7%の人が利用意向を示した。
空間をそのまま残す感覚が味わえる360度映像用のカメラも、昨今は非常にカジュアルになっている。先日発表されたばかりの、代表的な360度カメラシリーズの新モデル「RICOH THETA SC」(関連記事)は、毎日持ち歩くことをコンセプトに、軽量化に加えて4色のカラーバリエーションを用意している。VRコンテンツの浸透は、意外にもユーザーから発信されるものがカギになるのかもしれない。
※調査レポートの百分率表示は四捨五入の丸め計算のため、合計が100%にならない場合あり
●関連リンク
・MMD研究所 調査データ VRのイメージ上位は「映画やアニメ、自宅でゲームが楽しめそう、酔いそう」、61.7%がVRは「自宅」で体験したいと回答