なにこれ未来スゴい! アニメ世界の住人になって、フィギュアで遊べるVRデモを体験してきた
フィギュアを使った「ごっこ」遊びといえば、子供のころに熱中したという人も多いはず。えっ、大人になってもやってる? そんな諸兄姉にぜひ知っておいてほしいのが、今、ネットで注目を集めているVRフィギュア遊びだ。
たのしー!! pic.twitter.com/UMnfBkcsIi
— MuRo (@MuRo_CG) January 9, 2017
VRに詳しくない方になにがスゴいかを3行で説明すると、
・3DCGなのに見た目が2Dアニメ(セルルック)
・バーチャル世界でフィギュアを手で持てる
・フィギュアが生きているように反応する
……といった感じ。大きな初音ミクはVRゴーグル「Oculus Rift」をかぶったプレイヤーで、ハンドコントローラー「Oculus Touch」を両手に持って、バーチャル空間のフィギュアを手でつかんで遊んでいる様子になる。
ミクさんやユニティちゃんを手で持って動かせます。
ミクさんの手をぎゅっとにぎって……。
うにょーんとT字ポーズに。可動式フィギュアだ! 心なしかミクさんもイヤそうな表情。
足も動かせちゃいます。
ちょっとわかりにくいのだが、動画はバーチャル空間内に置かれたカメラからの視点を録画したものなので、透明キューブのカメラをつかんで移動させれば視点を変えられる。
カメラ映像は、外部ディスプレーだけでなくバーチャル空間内の目の前にも表示される。つまり、VRゴーグルをかぶったプレイヤーは、鏡を見るように自分が遊んでいる様子をチェックできるというわけだ。
ネットのVR界隈でえらく話題になっていたわけだが、VRコンテンツは体験しなければその真価がわからないということで、作者であるMuRoさんにお願いしてデモを見てきました。
一言で言うと、延々と遊べるのがスゴい! Touchの中指ボタンを引いてフィギュアをピックアップして、手や足をうにうに動かしてポーズをとらせるという一連の流れが、実際のフィギュアを触っている感覚に非常に近くて驚いた。Oculus Touchの「ToyBox」のようにコミュニケーションの要素を入れたり、アダルトゲーム「カスタムメイド3D」のようにカスタマイズ要素を入れたら、無限に入り浸れそうだ。
戦隊もののフィギュアの首を引っこ抜いて遊んでいた(ひどい)幼少の頃を思い出しましたよ。
VRで人格ごとキャラに生まれ変われる世界
作者であるMuRoさんは、3DCGデザイナー出身で、現在はエクシヴィに所属してVRコンテンツのディレクターを担当している人物だ。もともとVR上でアニメ調の表現を再現したいという思いがあって、2015年頃からUnity上で試作を繰り返していた。
ミクさんの手をカメラに追従するようにしてみた。まるで顔に手を添えられているみたいでドキドキする! https://t.co/lHmcUwmiJn
— MuRo (@MuRo_CG) January 13, 2016
VRで体験するとアニメの中に入ったような雰囲気で楽しい! https://t.co/518HU9ZNGU
— MuRo (@MuRo_CG) March 27, 2016
コレをやってみたかった。もちろんUnityで作っているのでVR体験もできるよ。剣を振って敵を撃破だ! https://t.co/FJglAxAcGB
— MuRo (@MuRo_CG) April 20, 2016
VR NewsShowにディスプレイを入れてみた。自分の好きなモノをこんな感じに紹介できるよ pic.twitter.com/P7jHw3bTHc
— MuRo (@MuRo_CG) November 20, 2016
VR対応した。圧倒的プレゼンス! pic.twitter.com/w0kXvjZgjg
— MuRo (@MuRo_CG) November 25, 2016
さらにVRゴーグルを装着することで、自分自身がキャラクターに生まれ変われるというデモも作っている。
ミクさんに生まれ変わりました pic.twitter.com/IBvacZx6Fz
— MuRo (@MuRo_CG) December 7, 2016
MikuTuber誕生!私がミクさんだ pic.twitter.com/qcuYX1ladb
— MuRo (@MuRo_CG) January 5, 2017
その先に、「キャラクターにポーズをとらせて撮影できたら楽しいのでは」という考えが出てきて、過去のアニメ調表現+キャラに生まれ変わるという要素が合わさって、今回のデモにつながった。
MuRoさん。
みんなの目線が合ってない感じが、アルバムジャケットっぽくないですかね。
技術を活用して見た目をキャラ化するというと、FaceRig+Live2Dが知られていたり、最近では、キズナアイの3Dモデルを使ったVRコスプレイヤーも登場していたりと、VRではひとつのジャンルとして存在感を増しつつある。Oculusでも「Oculus Avatar」というアバターアプリを用意している。
今回のデモもそんな「誰でも3Dキャラ」な方向性を目指しているのかと思いきや、MuRoさんによれば少し違うという。
「見た目だけを変えるアバターではなく、VRで人格ごとキャラに生まれ変われる環境をつくりたい。『中の人などいない』んです。最終的には、他のプレイヤーと一緒にアニメの世界に入って、それぞれが登場人物として振る舞う環境をつくりたい」(MuRoさん)
サマーレッスンやアイマス、Mikulus、刀剣乱舞、Hop Step Sing!など、日本のVR業界において、キャラものは切っても切り離せない存在だ。そして「ゾンビでFPS」が好きな(偏見)北米とは異なるユニークな方向性ともいえる。ぜひ機会があったら体験してほしいデモだ。
*使用モデルデータ
・ユニティちゃんモデル
© Unity Technologies Japan/UCL
・Tda式Appendミク
3D modeled by Tda
この作品はピアプロ・キャラクター・ライセンスに基づいてクリプトン・フューチャー・メディアのキャラクター「初音ミク・アペンド」を描いたものです。
(TEXT by Minoru Hirota、Somelu)
●関連リンク
・MuRoさん(Twitter)