西田宗千佳氏、WWDCハンズオンレポート Vive+AMDを軸にVRに対応、ARKitはビジネス価値大か【動画あり】

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アップルは6月5日(現地時間)、開発者会議「WWDC」をカリフォルニア州サンノゼで開催した。基調講演では、VR関連では主に3つのことが発表された。

 
1つめは、次期macOS「High Sirra」にてVR対応が行われること。2つめは、Thunderbolt 3経由による外付けグラフィックユニットへの対応が行われたこと、そして3つめが、次期iOS「iOS11」にて、ARに対応するフレームワークである「ARKit」を搭載することだ。基調講演後のハンズオンで、ごく短時間ではあるが試すことができたので、第一報をお伝えしたい。

 
 

HTC Viveを利用、品質は十分

 
VR関連デモは、どれもHTC Viveを利用していた。基本的には2つが用意されており、ひとつは今回新しく発表されたiMacを使ったスタンドアローンのもの。もうひとつは、外付けグラフィック開発キット(External Graphics Developer Kit)をMacBook Proにつないで、さらにそこにHTC Viveをつないで使ったものだ。

 

今回発表されたiMacとHTC Viveを使ったVRデモ。

 

MacBook Proと外付けグラフィック開発キットを使い、さらにHTC Viveを組み合わせ。かさばるが、これでMacBookを使って、VR系の開発ができるようになったわけだ。

 
筆者が体験したのは、基調講演でも公開された、Industrial Light & Magicによる、スターウォーズを題材としたVRデモ(関連記事)。27インチiMacによるスタンドアロン動作のものを体験したが、クオリティは十分で、表示にも違和感はなかった。

 
外付けグラフィック開発キットはSonnet製のThunderbolt3対応の外付けGPUボックスを使っており、GPUとしてはAMD Radeon RX580を搭載している。これ以外の組み合わせについてどうなるか、現地でも今は詳しい情報が得られなかった。アップルの動画編集ソフト「Final Cut Pro」は360動画の制作ワークフローに対応し、このキット+HTC Viveを使い、HMDでプレビューしつつ制作できるようになっていた。

 

表示されているアプリはアップルの動画編集ソフト「Final Cut Pro」。360動画をHMDでプレビューしながら編集できる。

 
なお、よりパワフルな環境として、年末までに「黒いiMac」こと「iMac Pro」も登場する。最小構成でも8コア、最高で18コアのXeonプロセッサーと、AMDの次期フラッグシップGPUとなるAMD Radeon Vegaを搭載する、きわめてパワフルなものになる。こちらは実機が展示されていたが触れることはできなかった。

 

黒いiMacこと、年末登場のiMac Pro。

 

今回は顔見せのみで、実際にテストすることはできなかった。

 

多数のiOS機器をARデバイスに変える「ARKit」

 
ビジネス的に一番大きなインパクトがあるのは、iOS11に搭載される「ARKit」かも知れない。ARKitはOS標準のAR実現用フレームワークで、平面と環境光を認識した上で、そこにオブジェクトを合成する。iPhone・iPadに内蔵のカメラと加速度センサーを活用しており、特に別の機器が必要なわけではない。デモ動画をご覧いただければ分かるが、映像の表現・安定度はなかなかだ。

 

 
ARKitのデモアプリを体感。ご覧のように、トラッキングもレンダリング品質もなかなか。デモに使われているのは新製品の10.5インチiPad Pro。

 
現状では、空間OSのための特別な機能が搭載されたわけではなく、あくまで「AR機能をアプリに搭載するためのフレームワーク」だが、特別なミドルウエアを使う事なく、UnityやUnreal Engineなどを使って開発できること、そして、動作対象機種がとにかく世の中にあふれていることを思うと、この種のアプリを作っている人々には見逃せない。

 
 
(TEXT by Munechika Nishida

 
 
●関連リンク
macOS High Sierra
iOS 11
WWDC17

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