CESA、ゲーム開発者向けアンケート調査の結果速報を公開 スマホアプリ開発者の減少傾向続く
コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、8月30日~9月1日に開催される「CEDEC 2017」に合わせて「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査2017」を実施し、調査結果の速報を発表した。初となる地域別集計も行っている。
5回目となる今回の調査は、ゲーム開発に携わるプロデューサー、ディレクター、エンジニア、アーティスト、プランナー、役員/管理職などに従事する商業ゲーム開発者・スタッフなどを対象に、7月1日~31日の間にCEDEC公式ウェブサイトを通じて行われた。有効回答は昨年とほぼ同数の1936件(昨年は1978件)となった。
[2016年の調査結果]
・ゲーム開発者の年収格差が縮小、多彩な学問領域の人々が業界で活躍 CEDECが調査結果公表
また、今回の調査では、初めて地域別の集計を行っている。回答者の勤務地は関東地域が80%超と圧倒的に多いが、地域ごとの特徴が一部でみられる結果となった。
●平均年収は539万円 北海道・近畿の勤務者が全体平均を上回る
平均年収は、前回調査の524.60万円を約15万円、第1回調査の2012年の年収から5年間を経て約17万円上回る539.15万円となった。勤務地域別にみると、北海道が576.72万円、近畿が561.23円と、全体の平均年収を上回る結果となっている。
●ゲーム業界の就業年数は平均10.63年 転職回数は0回が最も多い56.6%
ゲーム業界の就業年数は、毎回平均10年前後で推移している。地域別就労年数では、北海道が13.82年、九州が12.96年と、いずれも全体平均の10.63年を上回っており、逆に中部地域では、8.78年と平均値を下回っている。またゲーム業界での転職回数は0回が56.6%と最も多い一方で、就業年数が長いほど転職回数も多い傾向となる結果となった。
●最終学歴の学問系統では、人文学専攻者が前年よりも23.9ポイント増え46.0%に
今回の調査では、前回調査で増加した複合領域が半減した一方で、人文学専攻が突出して増加する結果となった。人文学専攻者は、調査を開始した2013年から25%前後の数値となっていた。プロデューサー、ディレクターなどの各職種でもサウンドクリエイターを除き、人文学系学問分野が最多学問系統となっている。今回の46.0%という調査結果は、近年指摘されている若年層の理科離れを証明する事象なのか、開発会社が新たな学問分野を活かそうしている現れなのか、今後の分析結果が注目される。
●据置型ゲーム機従事者が増加 スマートフォン・タブレット従事者は、2014年から3年連続して減少
据置型ゲーム機従事者は、2015年の27.1%を底に、以降2016年は40.3%、2017年は48.8%と増加傾向に転じている。一方で、スマートフォン・ダブレット従事者は、2014年の92.2%をピークに、2015年は64.3%、2016年は53.2%、2017年は48.9%と減少傾向が見られる。
尚、速報版データの詳細はCEDEC公式サイトに掲載されているのでそちらを参照してほしい。
●関連リンク
・CEDEC 公式サイト ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査2017 速報版データ