クアルコム、モバイルVRの新型HMDを発表 Leap Motion対応やリファレンスデザインも
23日、米QualcommがSnapdragon 835を搭載したHMD用の開発キット「VRDK」(Virtual Reality Development Kit)を発表した。
Snapdragonはスマートフォン向けSoC(チップ)のシリーズで、Snapdragon 835はシリーズ最新バージョンとなる。Qualcommは昨年にはSnapdragon 820を搭載したスタンドアロン型HMDを発表しており、視線追跡機能が搭載されていた(体験レポート)。下の図はSnapdragon 820のものだ。
今回発表される新型では、ジェスチャー入力デバイス「Leap Motion」による空間の手の動きの追跡機能と、人間の視野を再現して視線の周りだけを高解像度にすることで負荷を下げる「Foveated Rendering」(中心窩レンダリング)機能、Qualcomm Hexagon682 DSPによる位置情報に特化したオーディオ機能が搭載されることが決まった。VR開発者のためのVRDKは2017年第二四半期(7~9月)にQualcomm Developer Networkで申し込めるようになる。Snapdragon 835を使用したHMDは2017年後半に出荷見込みの予定だ。
また、Qualcommは2月27日から3月3日にサンフランシスコで行われるゲーム開発者向けイベント「GDC」(Game Developer Conference)でLeap Motionと共同でMoscone Center South Hallブース#2024にてデモを行う。また同時期の2月27日から3月2日にバルセロナで開催されるモバイル機器の祭典「Mobile World Congress」のQualcommブース(Hall 3, 3E10)においてもデモを実施する。
Snapdragon 835の解放とともにQualcommはアクセラレータプログラムを開始した。このプログラムによってHMDメーカーはQualcommのリファレンスデザイン(参照設計)を利用できるようになる。また、リファレンスデザインを用いる企業がHMDを設計するだけでなく、中GoertekやThundercomm(Qualcommと中Thundersoftの合弁会社)との設計を協力可能になる予定だ。
(TEXT by ぱソんこ)
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