【TGS2018】「ACE COMBAT 7」も体験できる! SIEブース「PS VRコーナー」試遊レポート
9月23日まで開催している東京ゲームショウ2018(TGS2018)。今回のTGSのテーマは「新たなステージ、開幕。」としており、「VR/ARコーナー」では、VR/AR/MR対応ゲームソフトだけでなくアミューズメント向け専用の製品やサービスの出展も可能となるなど、xR関連の展示も強化されている。
もちろん、新作VRゲームも各社から多数展示されており、注目作品が目白押しだ。
今回はそうした中からソニー・インタラクティブエンタテイメント(以下SIE)ブースにて展示していた、PlayStation VR向け新作タイトルの一部を試遊してきたので、その様子をレポートしていきたい。
ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN
「やっときたか!」と思っている人も多いはず。バンダイナムコエンターテインメント(旧ナムコ、バンダイナムコゲームス)の名作フライトシューティング「ACE COMBAT」シリーズの最新作だ。
「ACE COMBAT 6 解放への戦火」からは実に11年ぶりとなる新たなナンバリングタイトルの本作が、TGS2018のSIEブースにて体験することができる。
ACE COMBAT 7は、PS VRコーナーと、VRでないPS4コーナー両方に展示している。今回はPS VRコーナーでの試遊を基にしたレポートとなる。
本作には、本編のキャンペーンモード、オンラインモードとは別に、PS4版にのみVR専用コンテンツの「VRモード」が収録されており、このモードでは、VRモード専用のミッションがPS VRでプレイできる。
▲体験中のイメージ
ブースの試遊体験では、臨場感のあるVR視点で、ハンガーの戦闘機の姿を見たり、コックピット視点での発艦、戦闘など一連の流れを体験したりすることが可能。
戦闘機のコクピットに乗り込むと、VR視点の一人称で内部を見渡すことができ、プレイヤーのパイロット体験をよりリアルで臨場感のあるものにしてくれる。
もちろん飛行中のコクピットの窓からは周りの景色が見え、空や海、雲、下方に見える島なども自由に見渡すことが可能だ。窓を見ると、汚れや傷などのディティールも作り込まれており、細部までよりコクピットのリアリティを高める工夫がされていた。
▲窓に付く水滴の表現も美しい。
ヘルメットにホロ表示されるインターフェースは、視点に追従するため、これを使って敵をロックオンすることができる。
操作感については基本的に従来の操作方法を踏襲しているが、首を動かして横や上にいる敵をロックするなど、VRならではの要素が加わることで、これまで以上に自由な戦い方が可能だ。
▲戦闘中のイメージ。
なお本作において、筆者としては「VR酔い」も懸念していた。筆者はVRのFPS視点のゲームで、テレポート移動でない通常移動のゲームをプレイすると、ものの30分足らずで酔ってしまう体質である。
しかし本作では、視点は上下左右に大きく動くのだが、全くVR酔いすることはなかった。実は「ACE COMBAT 7」では、VRでも酔わない工夫が凝らされているのである。
今回はプレイ時間が10分少々な上、人によって酔いが発生するシチュエーションも異なるため、誰もが酔わないとは言い切れないが、「VRに酔いやすくてプレイを諦めていた」という人も、やってみれば大丈夫な可能性が高い。
なおPANORAでは「ACE COMBAT 7」開発陣へのインタビューも掲載しており、本作における「酔い」の対策についても語られている。より詳しく知りたい人はそちらをご覧いただきたい。
▲ミッションでは、「メビウス1」の名が登場。
ちなみに、今回VRでプレイしたミッションでは、プレイヤーの扮する主人公が「メビウス1」と呼ばれているのにも注目。「メビウス1」とは、「ACE COMBAT 04 shattered skies」の主人公にして、後のシリーズにおいて伝説のパイロットとして扱われる人物である。
つまりVRモードでは、VRで「メビウス1」の視点を体験できる……ということだろうか。シリーズファンも要注目だ。
ASTRO BOT:RESCUE MISSION
次は、SIEの新作VRアクションゲーム「ASTRO BOT:RESCUE MISSION」の試遊体験をレポートしていこう。
本作は、PS VRの性能を熟知するソニー・インタラクティブエンタテインメントJAPANスタジオの「ASOBI! Team」が開発を担当。ゲーム内だけにとどまらない、PS VRならではの多彩なアクションが盛り込まれたゲームだ。
▲ブースを飾る可愛らしい「BOT」たちにも注目。
ゲームの目的は、主人公のロボット「ASTRO」を操作し、ステージの様々な場所にいる仲間のロボット「BOT」たちを救出していくこととなる。
「ASTRO」の操作は、コントローラの左スティックで移動、×ボタンでジャンプ、□ボタンで攻撃など、従来のアクションゲームでもよくある操作。基本的にはこの「ASTRO」を動かしてステージを進んでいく。
ステージのシチュエーションは様々なものがあるようだが、今回ブースでは通常のステージ2種類、ボスバトルが1種類の計3ステージから選択できた。筆者はそのうち高層ビルらしいステージと、ボスバトルを試遊した。
▲ステージのイメージ。
高層ビルステージは立体的でなかなか複雑な構造。細い鉄骨を渡ったり、ジャンプ台を使って高く跳んだりと、アスレチック的な要素が豊富だった。視点の操作は、首を動かして周りを見渡したり、壁の向こうをのぞき込んだりと、PS VRを活用した操作方法になっている。
▲細い鉄骨を渡った先など、様々な場所に「BOT」たちがいる。
また本作において大きな特徴となるのは、「ASTRO」のアクションだけでなく、プレイヤー自身のアクションや、様々な「コントローラーガジェット」を使ったアクションが可能な点である。
例えば今回プレイしたステージでは、プレイヤーが頭突きをするように頭を動かして作動させるステージギミックなどがあった。また「コントローラーガジェット」というのは、フックショットや手裏剣、水鉄砲など、プレイヤーのコントローラーから利用できる様々なガジェットだ。
操作はコントローラーのモーションコントロールで狙いを定め、タッチパッド部分をフリックすると発射できる。これらを使って、「ASTRO」の冒険をサポートすることが可能である。
▲ボスの歯にフックショットを引っ掛け……
▲コントローラーで引っ張る!
例えば、今回プレイしたボスバトルステージでは、コントローラーガジェットのフックショットを使って戦うこととなる。まず「ASTRO」でボスの歯に攻撃し、プレイヤーはその欠けた歯にフックショットを引っ掛ける。
そのまま魚釣りをするようにコントローラーを引っ張るアクションをすることで、ボスがステージに顔面をぶつけてダメージを与えることができる。遊び心満載の、かなり斬新な戦い方である。
また、主人公「ASTRO」を含めたロボットたちのかわいらしさや、VRで見ると迫力満点の巨大なボスなど、キャラクターたちの魅力もたっぷり。アクションもそれほど難易度が高いものではなく、老若男女、誰もが楽しめるタイトルだ。
絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-
震災が起きた街から脱出する、サバイバル・アクションアドベンチャー「絶体絶命都市」シリーズの最新作。こちらもPS VRコーナーで試遊できた。
本シリーズは、災害によって崩壊した街の中を舞台に、そこで出会った人々との関係やリアルな災害の現場を描くタイトルで、ゲーム中には豊富な選択肢が設けられており、プレイヤーは様々な行動を取りながら情報を集めていくこととなる。
▲プレイ画面。荒れ果てた街の中を探索していく。
「絶体絶命都市4Plus」はPS VRに対応しており、今回SIEブースでは、PS VRコーナーで試遊することができた。試遊体験では、キャラクターは登場せず、震災後の無人の都市の中を、VRの1人称で探索することができた。
あまり自由には動けないものの、VR視点で見る荒廃した街並みは臨場感たっぷり。ゲーム内では、360°見渡して調べられる箇所を探し、それを◯ボタンを押して調べることでゲームが進行していくという流れだ。
▲目の前でビルが倒壊する光景は、なかなかに衝撃的。
ゲームをプレイしていると、風に煽られた看板が目の前に落下してきたリ、入ろうとした大きなビルが突如倒壊したりと、思わず声が出てしまうようなスリリングな体験が満載。本作ならではの「災害によるリアリティのある危険」が、VRによってより鮮烈に演出されている。
「横倒しになったビルの上を歩く」といったシーンもあり、もちろん実際に体験したことはないのだが、シチュエーションが想像できるためなのか、現実味のある高所感を体験できた。こうした体験はこのゲームならではだ。
▲倒壊したビルの上を歩くシーン。
実は、「絶体絶命都市4」は、2010年にPS3向けソフトとして発売が予定されていたが、2011年に制作・発売中止が発表。それから7年の時を経て、「絶体絶命都市4Plus」としてPS4向けタイトルとして発売することが決まったという経緯がある。
シリーズファンにとっては、待ちに待った新作となるこのタイトル。かつてシリーズをプレイしていた人も、もちろん初めてプレイする人も、ぜひVRでの「絶体絶命都市」を体験してみてはいかがだろうか。
●今回レポートしたタイトルは、4番ホールSIEブースで試遊可能
今回各タイトルを体験したSIEブースの位置は、4番ホールの、入り口から見て一番奥のブースとなる。
なお今回体験したタイトル以外にも、PS4やPS VRで様々なタイトルが体験可能だ。TGSに参加する人は、ぜひ足を運んでみてほしい。
(文 高橋佑司/編集 花茂未来)
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