ホラー脱出ゲームからVR高所体験まで 渋谷に来たら「一回、かぶっとく?」【渋谷JOYPOLIS VR体験レポ2/2】
CAセガジョイポリスが展開するアミューズメントパーク「JOYPOLIS」。同社ではそのニューブランドの位置づけとして、よりVRに特化した施設「JOYPOLIS VR」を展開することを発表した。
10月25日には、その第1号店として、渋谷駅前スクランブル交差点前のファッションビル「MAGNET by SHIBUYA109」に、「JOYPOLIS VR SHIBUYA」がオープンする。
「1回、かぶっとく?」(VRゴーグルを被るの意)という軽い合言葉をモットーに、渋谷を訪れる人が気軽に最新のVRを体験できるスポットとして展開していく予定である。
10月18日、同施設のプレス体験会が行われ、映画「ターミネーター」の世界観に没入できるガンシューティングVRアトラクション「TERMINATOR SALVATION VR」など、設置予定の4つのアトラクションをオープンに先んじて体験することができた。「ターミネーター」については、以下の記事でレポートしている。
今回の記事では、その他の3つのアトラクションについてご紹介する。
THE DOOR
「THE DOOR(ザ・ドア)」は、2人1組で挑む、脱出系VRホラーアトラクションだ。部屋を探索して様々なヒントやアイテムを見つけ、制限時間内にパズルを解いて脱出することを目指す、いわゆる「脱出ゲーム」のVR版で、実際に部屋を歩き回っている臨場感を体感できる。
ただの脱出ゲームではなく、ホラー要素の強い本作では、体験者は雰囲気たっぷりの暗い不気味な部屋に囚われている。VRとホラーの相性が良いのは知っての通りで、頭を使ってパズルを解くだけでなく、恐怖心にも耐える必要がある。
そして本作の大きな特徴は、必ず「2人で挑む」アトラクションであるということだ。体験者2人はそれぞれ探索できる範囲が異なり、体験者Aの所にあるギミックは、体験者Bは触れる事ができない。逆もしかりである。
▲部屋の中にはさらに小さな部屋があり、3つの鍵で封じられている。アトラクションが開始すると、1人はこの小部屋の中に、もう1人は外に配置される。
▲これらの鍵は小部屋の外の装置の中に入れられており、パズルを解かなければ開けられない。
2人の間には、アイテムの受け渡し窓があり、ここを通じてアイテムのやりとりを行うことができる。「Aのエリアに置かれているアイテムをBのエリアのギミックで使用する」といった場面なども多く、2人の協力が攻略のカギとなっている。
▲例えば、小部屋の中の謎の少女に飴を与えることで最初のヒントを得ることができるのだが、飴は小部屋の外にある。
▲そこで外の人が飴を取ってきて、受け渡し窓から飴を渡す。小部屋の中の人はそれを受け取り少女に渡すことで、パズルのヒントを得ることができる。
▲実際のプレイ中の様子
パズルを解いていくと、随所で体験者の恐怖を煽る様々な演出を体感することとなる。ただでさえ制限時間のある脱出ゲームであるだけに、恐怖で頭が回らなくなってしまうのは厳しい。
そんな時忘れてはならないのは、このアトラクションは「2人で挑む」ものであるということだ。1人では心細くても、声を掛け合ってコミュニケーションを取るなど、パズルを解くためだけでなく精神的に支え合うことができるというのも本作の面白い点である。
ところで、実を言うと筆者はこういった脱出ゲームのようなジャンルのものはあまり得意ではない。そんな筆者が今回、本作を体験してみた結果、制限時間いっぱい使って開けられた鍵はたった一つという不甲斐ない結果に。
▲メインの謎解き係なのに、パズルが解けず途方に暮れる筆者(右)
前述の通り、本作のホラー演出はアトラクションの進行によって見られるので、あまり進めなかった筆者はそれほど恐怖体験もしていない……機会があったら、またリベンジしたいところだ。
ちなみに、「THE DOOR」はシリーズものとして複数話が展開されるとのこと。今後はまた異なったギミックや演出が見られるバージョンも登場しそうだ。後の展開にも大いに注目である。
●アトラクション概要
タイトル:THE DOOR(ザ・ドア)
ジャンル:謎解き脱出型VR ゲーム
料金:2人合計1600円(税込み、以下同) ※予約不要。2人でのプレイ必須。
プレイ人数:最大2人
年齢制限:13歳以上
プレイ時間:約12分
ギリギリ!高所VR
当初発表されていたアトラクションは3つだったが、プレス体験会の当日、4つ目のアトラクションがサプライズ発表された。それがこの「ギリギリ!高所VR」である。
VRヘッドセットを被って細い足場を渡る本作は、体験者にはVRで高層ビルの上の壁面にある細い足場を渡っているように見えており、スリル満天のアトラクションとなっている。
なお体験者の見ている視点は、設置されているディスプレイに映し出されており、体験していない友人も一緒に様子を見ながら反応を楽しむことなどができる。
▲アトラクションの実際の足場はこんな感じ。最初は壁に沿ったまっすぐな足場を進んでいき、90°曲がってしばらく行ったあと、今度は壁のない足場を歩くこととなる。
▲プレイヤーに見えているVR画面は、足場を踏み外せばはるか下へ真っ逆さまの高層の世界。ただの映像と頭ではわかっているはずだが、VRによる臨場感が恐怖を掻き立てる。
実際に体験してみて感じたのは、高所移動体験が一本調子で変化のないものにならない様、コースに工夫が凝らされているということだ。例えば、最初の角を曲がった後の壁際の足場で、部分的に足場がへこんでいるのが分かるだろうか。
▲足場が一部へこんでいる
▲VR画面で見ると、この部分は足場が欠けた場所になっている。
映像と同様に、実際に足場が欠けているので、バランスを崩しやすい。これがさらにスリルを味わわせるいいアクセントになっている。
また、「壁に沿った足場を進む体験」が、途中から「壁から離れた足場を進む体験」になるというのもポイントだ。今まで壁に背をつけてじりじりと進んでいたのが、急に背をつける壁がなくなるので、これもまた体験に変化をつける工夫になっている。
足場自体はむしろ壁際のものより幅が広くなっているくらいなのだが、今まで体を預けていた支えが急になくなることでバランス保つのが難しくなったように感じた。
▲突然視界にハトが飛んでくるなど、映像での演出も
加えて、突如たくさんのハトが目の前で飛び立つなど、映像表現でのびっくりポイントがいくつか設けられているというのも見どころ。いろいろな変化をつけてよりスリルを楽しめるようになっているアトラクションとなっている。
なお、プレイ中の筆者には見えていなかったが、体験者がパニックになって転んだりしない様、スタッフの方がずっとガードしてくれていたようだ。安全面の配慮もしっかりしている。
▲VR映像に登場する女性キャラもハロウィンバージョンに
ちなみに今回体験した本作の映像では、ハロウィン仕様の特別バージョンが使用されていた。この映像で本作を体験できるのは今の時期限定ということなので、ぜひオープンした際はお早めに足を運んでみてはいかがだろう。
●アトラクション概要
タイトル:ギリギリ!高所VR
ジャンル:高所体感型VRアトラクション
料金:800円
プレイ人数:最大1人
年齢制限:7歳以上かつ身長110cm以上
プレイ時間:約5分
TOWER TAG
お台場にある「東京ジョイポリス」でも設置され人気を博している、対戦型VRガンシューティングアクション「TOWER TAG(タワータグ)」も、今回「JOYPOLIS VR SHIBUYA」に導入される。
本作については、以前PANORAで先行体験を取材したレポートを掲載しているので、アトラクションの内容については以下の記事を参照してほしい。
今回筆者が体験してみた感想としては、相手チームに対していかに有利な位置を取って戦えるかという、ある種の陣取りゲーム的な要素が含まれた、戦略性が高いゲームだという印象だ。
本作は「VR eスポーツ」として、本格的な対人戦が楽しめるアトラクションとして運用されているが、反射神経や身体能力だけで勝負が決まるというようなものでもなく、アクションが苦手な人などでも位置取りやコンビネーションを考えることで十分に戦えるだろう。
対戦型のアトラクションが好きな人は、ぜひ遊んでみてほしい。
●アトラクション概要
タイトル:TOWER TAG(タワータグ)
ジャンル:VR eスポーツ 対戦型ガンシューティングアトラクション
料金:1人あたり1000円 ※予約不要
プレイ人数:最大4人(2対2)
年齢制限:7歳以上かつ身長110cm 以上
プレイ時間:約4分×2セット
まとめ
今回紹介したアトラクションが導入される「JOYPOLIS VR SHIBUYA」は、10月25日にオープン予定となっている。渋谷駅からほど近い立地で、最先端のVRアトラクションが体験できるとあって、VRファンにはぜひ足を運んでもらいたいスポットだ。
また、予約不要で体験できるアトラクションが多いのも嬉しいところ。渋谷を訪れた際、時間が空いたときにフラっと立ち寄ってVRを体験していく……といったこともできる。VR未経験者なども、興味本位で一度訪れてみてはいかがだろうか。
なお本施設では、今後もさらなるコンテンツの追加を予定しているとのこと。これからの展開にも大いに期待できそうだ。
●「JOYPOLIS VR SHIBUYA」施設概要
所在地:東京都渋谷区神南1-23-10MAGNET by SHIBUYA109 6F
アクセス:「渋谷」駅直結
営業時間:10:00~22:00(最終受付21:30)
料 金:入場無料。各アトラクションにて個別料金あり。
(TEXT by 高橋佑司)
●関連リンク
・JOYPOLIS VR SHIBUYA 公式サイト
・JOYPOLIS VR SHIBUYA 公式Twitter
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