CES 2022で注目製品の実機を触ってみた! 「MeganeX」体験レポート

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2022年1月4日、ShiftallはVRヘッドセット「MeganeX」(メガーヌエックス)などメタバース向け製品3種を発表した。本稿では、米国ラスベガスで開催中のCES 2022のプライベートブースで体験した「MeganeX」のレポートをお届けする。

「MeganeX」スペックおさらい

プレスリリースによると、MeganeXのスペックは以下の通り。2年前、CES 2020のタイミングでパナソニックから参考出展された「世界初HDR対応の眼鏡型VRグラス」を市場投入に向けてアップデートした製品だ。

<SPEC>
【製品名】MeganeX(メガーヌエックス)
【ディスプレイ】Kopin社製 1.3型Lightning®マイクロOLEDディスプレイ(10bit HDR) + Pancakeレンズ
【解像度】5.2K(2560×2560 x2)
【リフレッシュレート】120Hz
【プロセッサー】Qualcomm Snapdragon XR1
【トラッキング方式】インサイドアウト方式での6DoFヘッドトラッキング
【重量】約250g(ケーブル部を除く)
【接続方式】DisplayPort Alternate Mode on USB-CまたはDisplayPort+USB2.0*
(*付属のインターフェース変換BOXを利用した場合)
【スピーカー】内蔵スピーカー搭載
【対応プラットフォーム】SteamVR
【販売予定価格】税込10万円未満

「MeganeX」 製品外観

では早速実機を見ていこう。外観デザインは2年前に発表したVRグラスを踏襲しつつ、両脇にインサイドアウトトラッキング用のカメラが追加されている。なお、カメラの両サイドに、さながらスタンドのような下向きの突起が付いているが、取材対応してもらったShiftall代表の岩佐氏によると「これが何なのか現時点では言えない」とのこと。今回披露されなかったコントローラーと何か関連があるのだろうか。続報を期待したい。

また、本体下部には右目と左目の焦点をそれぞれ調節できるスライダーが追加された。まず片目をつぶり、開いている方の目でディスプレイを見ながら、スライダーで焦点を調節するという方法だ。メガネユーザーが裸眼で使用する際の利用が期待できる。

「MeganeX」を下から見た様子

装着感は大幅に向上

2年前の展示モデルは、通常の眼鏡と同様に「鼻当て」に相当する部分で本体重量を支える方式で、鼻にかかる重さが気になった。今回発表されたモデルは他社製のVRゴーグル同様、目の周りに本体を密着させて顔全体で本体を固定する方式に変更になり、装着感が大幅に向上している。

「MeganeX」のレンズ側 。フェイスクッションが追加された
筆者が 「MeganeX」 を装着した様子。顔にフィットし鼻への負担が少ない

SteamVR Homeを「MeganeX」で体験

今回のデモでは、SteamVR HomeをMegane Xで体験することができた。Snapdragon XR1を使ったインサイドアウトトラッキングはまだ調整中とのことで、トラッキング精度は今ひとつだったが、この軽さで5.2Kの解像度が体験できる点に非常に未来を感じた。製品化に向けてのチューンナップに期待したい。

後ろのモニターに表示されているSteamVR Homeを体験中

声漏れを大幅に軽減する「mutalk」

また、今回のデモでは岩佐氏による「mutalk」のデモも行われた。口元を覆うシリコンカバーの密着度が高く、かなり大きな声で叫んでもミュートされる様子は、トランペットで専用ミュートを装着して演奏した時に似ている。隣の人の声をマイクで拾ってしまうと困るような現場にも使えるのではないだろうか。

発売の正式発表が待たれる「MeganeX」

以上、簡単ではあるがMegane Xの実機の使用感についてお届けした。価格については税込10万円未満と発表されているが、発売時期については2022年春(mutalkは夏)となっており、発売日が確定するのはもう少し先になりそうだ。Steamの豊富なVRコンテンツライブラリを楽しめる国産VRヘッドセットの正式ローンチを楽しみに待ちたい。

(TEXT by にしかわ

●関連リンク
Shiftallプレスリリース