「今、この場が一番楽しいと感じて頂きたい」 エアプロ・赤魔アザト、インタビュー

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次世代の「エース」になれる才能や魅力を持った原石たちが集うVTuber事務所「エアリープロダクション」で、「LIVEのエース」として活動している3期生赤魔アザトさん。ほぼ毎日のように行っている生配信では、クトゥルフ神話の「邪神の王」アザトースとは思えない優しく楽しい雑談や、普段の声色から一変する力強い歌声で多くの人々を魅了している。

2025年4月26日(土)に開催されたPANORA主催イベント「VTuberのあそびば × おしゃべりフェス in 超会議2025」「VTuberストリートライブ」でも「LIVEのエース」の本領を発揮。会場のディスプレイ前を行き交う人々と、ニコニコ生配信での視聴者を大いに盛り上げて、ニコニコ生放送ギフトランクで1位を獲得。自身を中心としたライブイベントの開催権やPANORA特集記事掲載権などの特典をゲットした。

「VTuberストリートライブ」での出番直前にはトークイベントの「神棚生放送」にも出演し、景品ルーレットでPANORA特集記事掲載権を引き当てるという豪運も発揮していた赤魔さん。わずか数時間で、2本のインタビュー記事掲載を決めるという快挙だった。

この記事では、歌うことが好きになったきっかけや、4月12日(土)に発表された初オリジナル曲「Creation」製作時のエピソードなど、音楽活動に関する内容を中心にお話しを伺った。

*本インタビューは、「VTuberのあそびば × おしゃべりフェス in 超会議2025」の「VTuberストリートライブ」ニコニコ生放送ギフトの優勝者に贈られた記事です


「歌うと人が変わる」と言われることが多かった

──赤魔さんは、約2年前の初配信で、冒頭の短い導入の後、いきなり、ONE OK ROCKの「完全感覚Dreamer」を熱唱。喋っている時とはガラリと変わった雰囲気や高い歌唱力で配信に集まった人々を驚かせました。歌声でアピールしていこうという思いはデビュー前から強かったのですか?

赤魔(敬称略・以下同) 初配信のド頭で、皆さんの頭をぶん殴るような衝撃を与えて、驚かせたかったんです。憑依型と言われる歌い方をするので、以前から「歌うと人が変わる」と言われることが多かったので、それをお見せした方がインパクトはあるだろうと思いました。

【初配信/クトゥルフ神話】ようやく会えたね…♡ さぁ、人間界へ進出だ!歌つよ新人Vtuber!本日デビュー✨【赤魔アザト/エアプロ】

──実際、今、お話ししている時と、歌っている時では、声も印象もまったく違います。歌う時は、スイッチを切り替えるような感覚なのですか?

赤魔 意識をして変えたりはしていません。ただ、(カバー曲を)歌う時、頭の中では元の方が歌われている原曲が流れているんです。その歌声に寄るというか……。その方のように歌で自分なりの表現をしたいというスイッチは入っているのかもしれません。


──歌が大好きになったり、音楽活動をやっていきたいと思ったりしたきっかけがあれば、教えてください。

赤魔 アニソンが大好きなんですけど、そのきっかけになったのは、「鋼の錬金術師」なんです。


──もう1本のインタビューで伺いましたが、「鋼の錬金術師」は、赤魔さんがアニメを大好きになったきっかけの作品でもあるんですよね。

赤魔 はい。それまでは、アニメを観ていて「このオープニング、格好いいな」とか思うくらいだったのですが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONさん「リライト」(「鋼の錬金術師」第4期オープニングテーマ)という曲を初めて聴いた時、「なんだ、これは!」みたいな衝撃を受けて。どんな方が歌っているのかを調べて、バンドを組んでいて、自分で作った音楽を自分で歌っているみたいなことをどんどん知っていき、めちゃくちゃ良いなって思ったんです。そこから、ロックな曲にハマっていくのと同時に、アニソンってこんなにも素敵なものなんだと知って、いろいろな方の曲を聴くようになっていきました。さらに、友人の紹介でDECO*27さん「モザイクロール」という曲を聴いて、これもロックな曲だったのですが、「ボーカロイドという機械の存在で、こんなにもロックな音楽を作れるの?」と驚き、ボカロにもハマって行きました。


──当時は、まだ自分で歌いたいとは思っていなかった?

赤魔 その友人のおかげで、「歌ってみた」という文化や「歌い手さん」の存在も知りました。それから「あなたも歌ってみたら?」と言ってくれて、私の歌のこともすごく褒めてくれたんです。そうやって、私もどんどん歌っていきたいと思うようになっていきました。友人に「歌ってみたら?」と言われるまでは、ただ楽しいからお友達と一緒に歌っていただけでしたが、その言葉をきっかけに表現者側になっていき、今では、歌うことは自己表現の一環かなと思っています。


──今、特に好きな音楽のジャンルやアーティストを教えてください。

赤魔 自分が歌うようになってからは、以前のように、どハマりすることは、なかなかなくなっちゃったんですけど、LiSAさんAdoさんASIAN KUNG-FU GENERATIONさんは、今も大好きです。それに、格好いいアイドルさんが好きなので、最近はK-POPもよく聴きます。あとは、ちゃんみなさんがプロデュースしている(アイドルグループ)HANAさんも好きです。


初オリジナル曲「Creation」は名刺のような曲

──4月12日(土)には、初オリジナル曲「Creation」を発表されました。この曲には、どのような思いが込められているのですか?

赤魔 初めてのオリジナル曲だったので、「赤魔アザトは、こういう者です」という名刺のような曲にしたいという思いがすごく強くて。クリエイターの370(さなまる)様にも、私自身のキャラクター性を表せるような曲をお願いしたいと、リクエストさせていただきました。歌詞、曲の全部を370さんが作ってくださったんですけれども。私の活動スタイルや、配信上で(リスナーの)皆さんを先導していきたいという気持ちなどを、丁寧に汲み取ってくださって。希望通りに私自身を表すような曲になりました。


【 OriginalSong 】 Creation / 赤魔アザト【 Vtuber / 初 オリジナル曲 / Vsinger 】

──レコーディングでのエピソードを教えてください。

赤魔 歌詞の節々に私を表す言葉が多くて。例えば、「誰かの標(しるべ)となり眠りにつくその時まで」という歌詞があるのですが、クトゥルフ神話では、アザトースはずっと寝ているとされていて、この世界はアザトースが見ている夢の中なんです。だから、その歌詞は、「いつか眠りに就くその時まで、誰かの標となるように進んで行くよ」という意味。そういう歌詞が端々に散りばめられています。レコーディングでは、スタジオのブースに入って歌うのも初めてだったし、めちゃくちゃ緊張しましたが、自分の思いはいっぱい込めて歌うことができたと思います。


──先ほど、カバーを歌う時には原曲の歌が脳内に流れていると仰っていましたが、オリジナル曲には、当然、原曲がありません。オリジナル曲ならではの難しさなどはありましたか?

赤魔 確かに、表現のお手本が無いみたいな状態だったので、自分の中の引き出しを引っ張り出して歌っていきました。特に難しかったのは、ラップのところです。自分なりのラップだと、こういう発音で、こんな節の取り方をするだろうと考えてやってみたのですが、ほぼ一発OKを頂けて驚いたし、感動しました。370さんが、私の配信などを見て下さったおかげだと思うんですけれど、曲の中で、コールの入る部分もあるんです。やっぱり、ライブなどで配下の皆さんと一緒に歌いたいし、その声をさらに大きくしていきたいというのも、一つの目標になっています。


──赤魔さんのYouTubeチャンネルでは、歌枠を中心に非常に多くの配信のアーカイブを観られますが、まだ赤魔さんの配信を観たことがない方にオススメするとしたら、どのアーカイブをオススメしますか?

赤魔 私、普段の配信が長すぎて、歌枠なのにアーカイブが5時間とかあったりするんです(笑)。さすがに、初めて観てくださる方に、それはオススメできないですよね……。


──先ほどのインタビューで、歌枠でも合間の雑談が長いと仰っていましたね。

赤魔 アーカイブが5時間くらいあっても、歌っている曲は、だいたい十何曲かで多くても20曲くらいです(笑)。だから、歌枠だったら歌枠リレーのアーカイブをオススメしたいと思います。


──リレー企画なら、一人30分などときっちり時間が決まっていますからね。

赤魔 はい。これまでにエアリープロダクション主催、私が企画という歌枠リレーを何回かやらせていただいていて。一番最近だと5月に「みんなと繋がる歌枠リレー」という企画をやっています。お歌を聴いていただけるなら、このアーカイブとかは聴きやすいかもしれません。時間を守るために、喋る時にはすごく慌てていますが(笑)。配信で人となりを知っていただくには、どういった配信が良いのかな……。

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──個人的には、ホラーゲームを頑張る赤魔さんの姿もオススメしたいですね。初配信で「ホラーゲームは苦手だけど、みんなが観たいのなら頑張ってプレーする」と仰っていて、実際に時々、頑張ってプレーしている。リスナーの需要をとても分かっているなと思いました(笑)。

赤魔 私、本当に怖いのが嫌で、お化け屋敷にすら入れないんです。


──クトゥルフ神話の邪神アザトースなのに?

赤魔 人間を脅かしたり、追いかけたりするのは良いんですけれど、脅かされたり、追いかけられたりするのは嫌なんです(笑)。たしかに、ホラーゲームの配信だと、人となりは分かるかもしれないですね。ホラーゲームだと観やすいのは「つぐのひ」とかかな? アーカイブは3時間あるんですけど、ゲーム自体は2時間ぐらいで終わっているはず。意味の分からない奇跡が起きた配信でもあるので、それも楽しんでいただけるかなと思います。

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「超会議」では、温かい気持ちになり楽しく歌えた。

──この記事の掲載権を獲得された「VTuberストリートライブ」についても質問させてください。なぜ参加しようと思ったのですか?

赤魔 たくさんの方に自分や自分の歌のことを知っていただける機会ですし、自分が実際に行ったこともある「ニコニコ超会議」で歌えるんだと思ったら、絶対に参加したいと思い、応募しました。


──ライブイベント開催権などの特典よりも、超会議という場に惹かれたのですね。

赤魔 応募をした時点では特典のことを全然知らなくて。イベント開催の3、4日前くらいに知り、ライブができるなら絶対に特典が欲しいと思ったし、直前に配信でリスナーさんにも「こういうイベントに出て、頑張るから応援してね」と伝えました。


──イベント前日に行われた配信では、リスナーさんも盛り上がっていましたね。ステージ当日の感想を教えてください。

赤魔 ステージに立つ時は、毎回、緊張して吐きそうになっているんですけど(笑)。当日、歌い始めたら、足を止めて聴いて下さる皆様がだんだん増えてきて。私のグッズを持って応援して下さる方もいらっしゃって、とても温かい気持ちになり、楽しく歌えました。


──最後は、「VTuberストリートライブ」ギフトランク1位の特典として獲得したライブイベント(「パノライブ! VOL1」)について伺いたいと思います。先日、詳細も発表されましたが、ライブ当日までに、やっておきたいこと。目標や課題などがあれば教えてください。

赤魔 ライブの時はいつも必ず緊張するのですが、緊張するとどうしても声が震えるので、リラックスしている時に比べると、安定感が少し下がって……。それは、自分の中でいつも気にしていることなので、克服していきたいです。あとは、現地イベントに来てくださる方をもっと増やすことは、すごく重要な課題でもあるので、配信でももっと多くの人に観たり聴いたりしていただいて、イベントにも行きたいと思ってくださる方々を増やしていければと考えています。


──どのようなライブにしたいですか?

赤魔 色々なVTuberさんとの出会いの場になるようなイベントであれば、嬉しいなと思います。せっかくの対バンライブなので、来て下さった皆さんに、それぞれのVTuberさんの個性を浴びて頂けるようなライブになって欲しいです。あと、ライブイベントなどに出させて頂く時、いつも言っているんですけれど、普段の嫌なことや悲しいことは、一旦、全部置いておいて。「今、この場が一番楽しいんだ」と感じて頂きたいです。「今日、帰ったら、もうビールを飲んで何も考えず寝られる」ってくらいに気持ち良くなって頂ける満足感のあるライブイベントにしたいと思っています(笑)。


(TEXT by Daisuke Marumoto

●関連リンク
赤魔アザト(X)
赤魔アザト(YouTube)
エアリープロダクション

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・日時:2025年9月27日(金)17:00開演(16:20開場)
・場所:秋葉原某所
・チケット料金:4000円
・販売場所:Livepocket
・出演:赤魔アザト(エアリープロダクション)、YSS、魔王トゥルシー(VEE)、月白累(VEE)、二藍しぃあ(Vebop Project)、数寄屋橋れんげ(Vebop Project)、明鏡止水ふわり(Vebop Project)、SZNO、明堂しろね(ハコネクト)、巻乃もなか、音御光歌