バンダイナムコミュージックライブが2023年9月にオープンした「MEWLIVE」。声優やアーティスト経験者と、未経験者が集う新しいVTuberプロダクションとして、現在12名のメンバーが所属している。
その所属タレントたちが、毎週火曜AM7時からポッドキャスト「みゅーステーション」を配信していることはご存じだろうか。
これまで、第18回まで配信してきた同ポッドキャスト。その最新2話が、突如として不気味なホラー展開に突入し、リスナーの間で「一体何が起こったんだ？」と静かに話題を呼んでいる。
PANORAでは、そんな「みゅーステーション」特別回「夜更かしMUSIC」について関係者に取材。弊誌独占でタネ明かしをさせてもらえることになった。ぜひ、実際の放送回を聴いたうえで、考察の手立てとしてほしい。
ポッドキャスト「みゅーステーション」とは？
そもそも、ポッドキャスト「みゅーステーション」はVTuberプロダクション「MEWLIVE」に所属するタレントがハマっていることや好きな人について好奇心たっぷりにお喋りしていくトークラジオ番組だ。
これまでは、放送回ごとに2人のメンバーが出演し「好きなアーティスト」「麻雀」「これまでの『歌ってみた』全曲解説」「音楽とガンダムと運命の話」など、さまざまなテーマを扱ってきていて、普段の配信とはまた少し違ったメンバーの一面が見られるコンテンツとなっている。
謎が多く残る特別回「夜更かしMUSIC」
今回、8月19日／8月26日放送回の2回が特別回「夜更かしMUSIC」と題され、MEWLIVE2期生の氷猫みうさんがメインパーソナリティーを務めた。
氷猫みうさんは、これまでの動画で地下アイドルの経験があることを明かしていて、「もう一度アイドルVTuberとして挑戦してソロライブをする」ことを夢として掲げている。
そんな、氷猫みうさんがアイドルに憧れたきっかけとなるグループについて語る、普段通りのトークラジオかと思いきや……。
ゲスト・小岩井ことりが何か変……
第1回（8/26放送回）のゲストは、声優の小岩井ことりさん。MEWLIVE0期生・熊乃ベアトリーチェさんの「飼い主」でもあり、「アイカツ!」や「アイドルマスター ミリオンライブ！」などアイドルアニメにも複数出演しているベテランだ。
そんな小岩井ことりさんをゲストに迎え、氷猫みうさんが憧れのアイドルを語る。一見すると通常回と大きく変わらない。
しかし、小岩井ことりさんの声色がどこか不自然なのだ。
声色が単調で、どこか機械的。まるで合成音声のようにも聞こえるし、番組中ところどころで不自然な相槌や嚙み合っていないような会話が目立つ。後半には、壊れたラジオのようにリフレインを繰り返し、みうさんが「もういい」と怒った口調でつぶやく場面も（25:10頃～）。
ちなみに、氷猫みうさんが憧れのアイドルとして挙げた「虹色ジュエリーナ」は、7～8年前に活動していたが、センターの幸坂寿梨が突然アメリカ留学を発表したことを機に、唐突に解散した、らしい。しかし、グループ名はおろか、みうさんが推しメンとして挙げたセンターの幸坂寿梨、ダンス担当の真中瑠美、里美麗衣のいずれも、ネットで検索しても全くヒットしない……。
番組の怪しげな雰囲気は最後まで続き、最後は氷猫みうさんが発狂するかのように支離滅裂な発言をしたところで、番組は唐突に終わる。
ゲストに「虹色ジュエリーナ」メンバーが登場!?
そして、続く第2回（8/26放送回）では、なんと謎多きアイドルグループ「虹色ジュエリーナ」の元メンバー・真中瑠美ご本人がゲストに招かれる。
第1回放送をたまたま耳にしたところから、氷猫みうさんと個人的にコンタクトを取り出演が決まったという。
推しのアイドルを目の前にして、気が動転する氷猫みうさん。本人を前にオタク語りが止まらず引かれてしまう場面も。微笑ましい場面が続くかと思いきや、話題が「グループ解散の真相」に向かうと雰囲気は一気に暗くなる。
解散のきっかけとなった幸坂寿梨のライブMC中でのアメリカ留学の発表は、メンバー間にも知らされていなかったという。「最初は怒っていたが、寿梨の真剣な目を見て止められなくなった」「その日以降は寿梨とは連絡を取っていない」と語る真中瑠美。
しかし、氷猫みうさんは幸坂寿梨に憑依されたかのように彼女しか知り得ない本当の真相を語り出す……。
結局、ニジジュリはいるの？真中瑠美は誰だったの？関係者に聞いてみた
さて、ここまで「夜更かしMUSIC」のあらましを辿ってきた。実際に聞いてきたリスナーたちは思うだろう。「あれは一体何だったんだ」と。
そこで、PANORAではMEWLIVE関係者に確認を取り、弊誌独占であの謎の放送回のタネ明かしをさせてもらえることになった。ぜひ、実際の放送回を聴いて頭をハテナにしてきたうえで、どうしても真相が気になるという人は続きを読んでみてほしい。
真相①「虹色ジュエリーナ」は存在しない
まず、「夜更かしMUSIC」はいわゆるフェイクドキュメンタリーの手法を取った音声コンテンツ作品であることが分かった。氷猫みうさんが、以前地下アイドルを経験していて、アイドルVTuberとしての夢を追いかけていることは事実だ。しかし、「虹色ジュエリーナ」は実際には存在しない架空のアイドルということらしい。
そして、第2回放送の最後の場面で「こね、さっきから一人で何しゃべってんの……？」と聞かれていたように、作中においても「虹色ジュエリーナ」は存在しない可能性が高い。
では、あの楽曲は？幸坂寿梨の歌声は？そして、ゲストに登場した真中瑠美の正体は……？
作中における裏設定はぜひ、リスナーの皆さんに各々考察していただきたい。ここからは、関係者取材で明らかになった協力者を紹介したい。
真相② 小岩ことりは”合成音声ではなかった”!?
第1回放送のゲスト、小岩井ことりさん。作中ではずっと声色が少しおかしく、ところどころ会話がかみ合わないなど合成音声のような聴こえ方をしていたことは、あらましでも触れた通りだ。
小岩井ことりさんといえば、実際に合成音声ソフト「VOICEVOX」へボイス提供もしており、筆者もてっきり実際に合成音声を用いたのだと思っていた。
しかし、実は「合成音声風に聴こえるように演技した小岩井ことりさん本人」だったそうだ。
真相③ 作中楽曲はホロライブ、D4DJ等の楽曲を手がける中居廉書き下ろし
第1回放送で流された「虹色ジュエリーナ」の楽曲「恋はマジカルこうしんチュ♡」は、リズムゲーム「D4DJ」や、「アサルトリリィ」、ホロライブなどに楽曲提供を行っている作曲家・中居廉さんによるもの。
ちなみに、同楽曲を歌唱しているのは氷猫みうさん1人のみで、ラジオ収録の環境で簡易的にレコーディングしたものだそう。なぜ、わざわざラジオ収録環境での簡易レコーディングとしたのか……。それは読者の皆さんの解釈に委ねたい。
真相④ 真中瑠美を演じたのは、マルチクリエイター「をとは」
第2回放送のゲスト、元・虹色ジュエリーナの真中瑠美を演じたのは、イラストレーター、映像作家、音楽家、声優などで活躍するをとはさん。音楽原作キャラクタープロジェクト「電音部」カブキエリア役や、「真新宿GR学園」りむる役などで活動しているほか、VTuber・アーティストのMV動画、イラストレーションなどさまざまな領域で活躍している。
今回明らかになったのは、あくまでも関係者から語られた「真相」だ。しかし、そもそもこの放送は何を伝えたかったのか、謎の楽曲や、不自然な収録環境に隠された「裏設定」は、まだ明かされていない。この先にある本当の物語を、ぜひ改めてポッドキャストを聴いて探っていってほしい。
（TEXT by shuto）
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