9月25日(木)~28(日)に千葉の幕張メッセで開催されている「東京ゲームショウ2025」。2016年に新設された「VRコーナー」は、2017年に「VR/ARコーナー」と改称されてらも毎年設置。今年は、16の企業・団体のブースが出展されている。このレポートでは、その中で特に気になった二つのブースを紹介する。
推しを、好きな大きさで好きな場所に
メインの1~7ホールがある建物とは別棟のホール9にある「VR/ARコーナー」。PocketReal株式会社が出展している「PocketReal」ブース(09-E46)では、MR配信アプリ「PocketReal(ポケリア)」のα版のデモを体験することができた。プレスリリースによると、「ポケリア」は、「現実空間にVTuberやアニメ・ゲームのキャラクターを呼び、まるで隣にいるような臨場感でライブ配信を楽しめる次世代のエンターテイメント」で、今回のデモでは録画映像ながらキャラクターを現実空間に呼ぶことの手軽さと楽しさは、十分に体験できた。
ポケリアの対応デバイスであるVRゴーグルのMeta Quest 3を装着。表示するキャラクターをポケリアの開発にも関わっているVTuber・癒色えもさんか、VSingerのTOCORO十さんかを選べる。 TOCORO十 さんを選ぶと、歌ったり、手を振ってファンサをしているTOCORO十さんが現実空間に登場。
それだけでも可愛く楽しいのだが、ポケリアの大きな特徴は、このキャラクターのサイズを簡単に変更し、自分の好きな場所に立たせられること。キャラクターに両手を近づけると、キャラクターを囲むような薄い緑色のボックスが表示。指でその端を掴み、引っ張ったり縮めたりするという直感的な操作でキャラクターのサイズを簡単に変更できるのだ。また、緑色のボックスが表示された状態であれば、位置の移動も可能。好みの場所に持って来て、指を離せば緑色のボックスは消えて、大きさも位置も固定される。等身大の身長にして「PocketReal」ブース前の通路に立たせることも、手のひらサイズに小さくして机の上に立たせることも簡単にできる。空中に浮かせることも可能だ。
ライブ配信時には、数百人の同時視聴も可能で、投げ銭やギフトによる応援機能も搭載しているポケリア。自分の推しVTuberに、自宅をステージにして歌ってもらえる未来が、もうすぐ来るかもしれない。
大阪万博でも大人気だったVR宇宙遊泳を体験
VR・CGなどの先端ソフトウェア・システムを開発する「フォーラムエイト」のブース(09-E55)では、現在も開催中の「EXPO 2025 大阪・関西万博」の「ロボットエクスペリエンス」に5月1日(木)からの1ヵ月間限定で出展され大人気だったという最新のシミュレーターを展示。万博で5万7439人が体験した「VRによる未来の月と宇宙のバーチャル体験」を試遊できる。3種類の筐体で、それぞれ「360°宇宙遊泳体験」「宇宙建設シミュレーション体験」「月面走行シミュレーション」を体験できるのだが、筆者は時間の都合で「360°宇宙遊泳体験」「宇宙建設シミュレーション体験」の2種類を体験した。
「360°宇宙遊泳体験」では、「国際宇宙ステーション(ISS)」での無重力遊泳を体験。ジェットコースターのようなシートベルトと安全バーでしっかりと身体を固定した後、VRゴーグルも装着。「片手でゴーグルを押さえておいてください」というVR体験では初めての注意事項を聞きながらシミュレーション開始。ロケットで宇宙へ飛び出し「ISS」に乗り込むと、アニメや映画でもよく見る通路の中を飛びながら移動していく感覚を体験できる。日本の実験棟である「きぼう」も再現されているそうだ。
無重力空間での移動中、身体はシートと共にグルグルと回転。シートは360度回転可能らしいが、自分では、どの方向に回転しているのか分からない。首にぶら下げたプレスパスが落ちてしまうほど回ったが、恐怖心などはなく、ただただ未知の体験で楽しい無重力遊泳だった。
「宇宙建設シミュレーション体験」では、月面空間でショベルカーのような重機「バックホウ」を操り、土を削って運ぶ作業を体験。
こちらは、VRゴーグルは装着せず、2本のコントローラーでを操って、「掘削エリア」から削った土砂を「排土エリア」に運ぶというゲームのようなマシンだった。操作方法を練習した後、所定時間内にどれだけ土砂を運べるかをテスト。筆者は100点満点中62点だった。
「大阪・関西万博」でも大人気だった展示だけに、「東京ゲームショウ2025」のビジネスデーでも、常に誰かが体験をしているほど大人気。興味のある人は体験機会がまたあったらぜひ参加しておこう。
(TEXT by Daisuke Marumoto)







