
2月20日から、一週間限定の劇場上映が始まったNetflixオリジナル長編アニメーション映画「超かぐや姫!」。映画館の客入りも非常に好調だ。
そして、2月22日に新宿バルト9にて、舞台挨拶つき上映が実施された。配信開始1ヵ月の節目に、出演声優と監督が登壇することもあり、劇場はもちろん満員御礼。上映シアターのあるフロアでは、作品ポスターが同作で埋め尽くされるといううれしいはからいも見られた。
そんな舞台挨拶では、登壇ゲストたちによる作品の振り返りなどが行われる──だけでなく、まさかの新プロジェクト始動も発表されるなど、話題の嵐をもたらす本作ならではの舞台となった。本記事にて、その全容をレポートしていこう。
「想像以上の反響に驚き」 メイン声優&監督が振り返る足跡

登壇したのは、夏吉ゆうこさん(かぐや役)、永瀬アンナさん(酒寄彩葉役)、早見沙織さん(月見ヤチヨ役)、入野自由さん(帝アキラ役)、山下監督。メインキャラクターをつとめた声優陣と監督が勢揃いだ。
各ゲストのあいさつの後、トークセッションがスタート。まずは作品の反響について。夏吉ゆうこさんは本作について「想像以上の反響」があったと振り返り、感想などが飛び交う現在を幸せだと答えた。永瀬アンナさんも、完成した映画を見た時に「たまらなく愛おしくて幸せ」だったと振り返り、そう感じる時間を人々と共有できることを喜びに感じているという。
早見沙織さんも映像や音楽のよさを振り返り、「こういう作品が令和の世に生まれた感謝」が感じられると答え、そこまで引き込むだけの引力がある作品だったことに驚いたという。入野自由さんも本作の反響は驚いており、その上で「一秒一秒力が入った作品」だったと振り返り、そんな作品に関われて幸せだとコメントした。ちなみに、帝アキラは普段の入野さんが演じるキャラクターとはカラーが異なることから、そこに驚く声も多かったそうだ。
山下監督は、作品公開前から「独占配信で話題にさせるのは難しい」と近しい人からも言われており、その上で「どうしたら多くの人に見てもらえるか」をここ数年は考え続けた、と振り返った。そして結果として、配信前に発表したLive2D動画や歌ってみた動画、本編映像、「ray」MV、そして劇場公開発表と、あらゆる事象が反響を呼ぶ事態に発展したことに、「スタッフ一同も大変驚いていますし、嬉しい気持ちです」と振り返った。

本作の推しポイントはどこ? 声優陣が語る魅力

続いて、トークセッションのテーマは「本作の魅力」へシフト。
夏吉さんは、最初は映像としてのすごさに圧倒されるとしつつに、「2周目以降は何気ない日常シーンに意味が見出だせるはず。映像に慣れたら、細かなセリフにも注目してほしい」とコメント。また、「ヤチヨの一言一言が刺さる」とも語り、そこに早見さんが大きく同意する場面も。
なお、夏吉さんが特に好きなシーンは、物語中盤の「ハッピーシンセサイザ」が流れる、引っ越し直後のパートとのこと。その後に展開が一変することも踏まえ、「最後の幸せ」を感じるところにも印象に残るのだそう。なお、山下監督はこのパートを「不吉の予感」とプロットしており、「2周目以降はむしろ悲しいと感じる、そんな矛盾したシーンとなるのが狙いでした」とコメントした。
また、永瀬さんはバーチャル文化やボカロなど、ネットで人気だったカルチャーをふんだんに取り入れているところが印象的とのこと。そして、かぐやが序盤でだだをこねているシーンで、実は夏吉さんが「ニコニコ動画のあの音」をこっそりアドリブで取り入れていることを指摘。夏吉さんいわく、「バレないと思ってやったら通ってしまいました。あの文化がわかる者として、こっそり入れたかったんですが……!」とのこと。カルチャー愛を感じるコメントだ。
早見さんは、中盤のクライマックスのライブが特に泣けるとコメント。とりわけ、主題歌「Ex-Otogibanashi」のパートでは、一瞬ヤチヨが泣くカットがあるところに触れた。そして山下監督によれば、このヤチヨが泣くカットは当初コンテになかったのだそう。「早見さんの感極まった声に心を動かされて、急遽追加したんです」と、現場の熱量が伝わるエピソードを聞かせてくれた。
入野もまた作品の様々な要素が魅力と語りつつ、帝アキラ率いるブラックオニキスとしては、中盤のKASSENシーンをプッシュしたいとのこと。こうしたシーンが山下監督の得意分野でもあることに触れつつ、カメラワークの巧みさや、乃依の矢をヤチヨが扇子で弾くシーンで見られる「扇子が若干ゆれる描写」や音響など、計算されて作られた映像の数々に注目してほしいと語った。
新プロジェクト「ツクヨミ感謝祭」始動
VRChatにツクヨミがやってくる!
そしてこの日、サプライズで新プロジェクトがお披露目された。
その名は「ツクヨミ感謝祭」。本作の舞台となった仮想空間「ツクヨミ」を、なんとVRChat上に再現しようという一大プロジェクトだ。








発表されたイメージボードには、チュートリアルエリア、ヤチヨがライブをしたあの鳥居のある広場、さらにはかぐやと彩葉がブラックオニキスからのコラボ招待状を受け取ったチル空間など、作中に出てきたいろんな光景が……! こうしたツクヨミの世界観がつまった“箱庭”のようなワールドを制作するとのことだ。
そして、完成したワールドでは、かぐやが出演するオンラインイベントも開催予定とのこと! VRChat上で無料で参加でき、YouTubeからも無料で視聴できるイベントを目指しているようだ。
VRChatと言えば、先日「Virtual Sanrio Puroland」で開催された、かぐやの無料3Dライブが記録的な盛り上がりを見せたのが記憶に新しい。どんなイベントになるか、今からワクワクさせられる。
そして、「ツクヨミ感謝祭」は「みんなで創り上げる」こともコンセプトに掲げている。なんと、ワールドやイベントの制作資金は、限定ファングッズの売上から捻出されるのだそう。クラウドファンディングサイト「ソレオス」で受注販売を行うため、事実上この企画はクラウドファンディングの側面も帯びていると言えそうだ。




そして、発表されるグッズは『超かぐや姫!』版「ray」MVで披露された、かぐや、彩葉、ヤチヨ、そしてブラックオニキスや芦花&真実の姿が採用された描き下ろしグッズたち。さらに、作中で彩葉の部屋にあった、ヤチヨが飾られた神棚のようなものまで! 本作にノックアウトさせられた人ならば、喉から手が出るほどほしいもの……!
グッズを買って応援すると、VRChatにオフィシャルなツクヨミが生まれる──「みんながクリエイター」を掲げるツクヨミらしい、なんとも粋な企画だ。
「かぐやのようなまぶしい幸せが訪れますように!」
「超かぐや姫!」旋風はまだ止まない
「ツクヨミ感謝祭」の告知映像の収録に参加した夏吉さんも、本プロジェクトの全貌はまだ知らないとのこと。その上で、作中から抜け出てきたような3Dかぐやと、ツクヨミの再現空間を前に、「何をやっても楽しいはずです!映画を見た熱量そのままに、ツクヨミに来てくれればと思います!」と、期待を抑えられないような気持ちを語った。
そして、夏吉さんは最後に、「みなさんがくださる応援と声援、そして制作陣の尽力で、今日この場があります。そして、この作品に関わる人達は、みんな幸せそうだなと感じます。本作を見てくれたみなさまも、かぐやのようなまぶしい幸せが訪れますように!」と締めくくり、舞台挨拶は拍手喝采とともに終了した。
配信開始から1ヵ月が経ち、空前絶後とも言える話題をもたらしてきた「超かぐや姫!」。その勢いは、むしろこれからさらに加速していくことが予感される舞台挨拶となった。今後の展開にも目が離せない。
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