軽くて文字が読みやすい 「RayNeo iO」はAIグラスを日常のメガネに近づけた

LINEで送る
Pocket

世界中で様々なモデルが発売されているAIスマートグラス。日本でも、多くのモデルが予約・購入できるようになってきました。

今回はそのうちの1つ、RayNeoの新AIスマートグラス「RayNeo iO Smart Glasses」をレビューしましょう。現在予約中で、価格は8万9999円。ですが、発売記念価格として今なら8万円となっています(製品ページ)。

AIスマートグラスにはディスプレーありのモデルとなしのモデルがありますが、こちらはありのほう。両眼のディスプレーに字幕や翻訳、AIの回答、テレプロンプターなどを表示できます。

メーカーから実機お借りして試用してみましたが、表示できる情報量やAI機能だけではなく、メガネとしての装着感、文字の読みやすさ、操作系の作り込みのよさが印象に残りました。


FOVは23.5度 それでも日本語は読みやすい

表示システムは、MicroLEDディスプレーパネルと回折導波路を用いた「Firefly光学エンジン Nano」。普通のメガネのように薄い作りとなっており、これもまた掛けやすさに繋がっているポイントです。表示色はグリーン1色で、FOVは23.5度、最大輝度は1300nits、アクティブディスプレー透過率は97%です。

FOV 23.5度は、AIスマートグラスとしても広いほうではありません。一度に見える情報量には限りがあります。

それでも、日本語はかなり読みやすいと感じました。

個人的に読みやすいと感じる日本語フォントが使われていることが、最大のポイントです。漢字、かな、英数字が混在する文章でも文字を追いやすい。

リアルタイム字幕や翻訳、通知のように、短い文字情報を視界で確認する用途なら十分に実用的です。


約33g 長時間でも耳が痛くなりにくい

RayNeo iO Smart Glassesの重量は約33gです。実際に装着しても軽く、長時間使っていても重さが気になることはほとんどありません。

そのうえ、テンプル末端の耳に当たる部分にはシリコンカバーが付けられます。この部分が柔らかくて耳の後ろが痛くなりにくい。メーカーの優しさを感じます。

バッテリー容量は240mAhで、公称では通常使用48時間、連続録音18時間、連続翻訳6.2時間。装着時の待機時間は63時間とされています。実際に映画を見ながら連続翻訳してみたところ、2時間ほど持ちました。その時のディスプレー輝度設定は17段階中で10。もっと下げれば、より長く使い続けられそうです。


Smart Crownの操作感がいい

AIスマートグラスの操作はテンプル(つる)に組み込まれたタッチパネル、音声コマンド、スマホアプリ、ワイヤレス接続したリング操作といったものがありますが、RayNeo iO Smart Glassesの右テンプル上部には、くるくると回転させ、クリックができる「Smart Crown」があります。

これが、いいのです。Apple Vision Proにもあった仕組みですが、AIスマートグラスで採用したというのは大英断。操作していて気持ちいいんですよ。指先に操作時の感触が伝わってくるから、自分がどんな操作をしているのかが理解しやすいし、覚えやすい。このわかりやすさ、新しいジャンルのデバイスであるからこそ大事です。

Smart Crownを回すとダッシュボードやアプリリストを移動し、クリックで項目を選択。長押しするとダッシュボードのホームへ戻ります。ダブルクリックも可能です。

なおRayNeo iO Smart Glassesには頷いたり、頭を左右に振ってコマンドが送れる頭部ジェスチャー機能もあります。こちらも操作のしやすさに繋がっています。


ディスプレーがあるからこそ便利な機能

翻訳は55言語に対応。内蔵マイクで取り込んだ会話を日本語などに翻訳してテキスト化、ディスプレー内に表示します。リアルタイム字幕も同様に、内蔵マイクで得た音声から文字起こしを行います。こちらは96言語に対応しています。話者を分離して記録してくれるのもステキなポイントですね。

音声メモなどの録音中にSmart Crownをクリックすると、フラグを付けることもできます。「いまのここのシーン! 大事だからね!」という自分の感情も記録できるんですね。そしてAIサマリーを生成すると、フラグをつけたあたりの内容を重点的にピックアップしてくれます。

集音モードは、周囲の音声を拾う「ワイドスペクトル」と、正面の話者にフォーカスしてバックグラウンドノイズを抑える「ボイスアイソレーション」の2種類。ライブキャプションでは自分と周囲の話者を識別し、相手側の発話を優先して表示します。

テレプロンプターはTXT、DOCX、PDF形式の原稿に対応。スクロール方法は、発話を認識して読む速度に追従する音声トラッキング、一定速度で送る自動スクロール、Smart Crownなどを使う手動制御の3種類。文字サイズ、行間、表示幅、表示深度も調整できます。

この中では音声トラッキングが一番快適でした。滑舌が悪くて聞き取りづらいかもと思えた単語があっても、その後に続く発話からどこまで読み進めたのかを認識してくれますから。

ところでリアルタイム字幕と翻訳を利用する際には、スマートフォン側のネットワーク接続が必要です。つまり、通信できない場所では翻訳などの機能が利用できません。


カメラとスピーカーは非搭載

iOにはカメラがありません。写真や動画は撮影できず、目の前にある物体や風景をカメラで認識し、その内容をAIに質問するような使い方はできません。

スピーカーも非搭載です。AIの回答や字幕、翻訳結果はディスプレーで確認。音声によるアナウンスはありません。

RayNeoはカメラ非搭載について、プライバシーに配慮した設計だと説明しています。海外では一部のカメラ搭載スマートグラスを「変態メガネ」と呼ぶ傾向がありますから、その状況に合わせたものとも考えられます。

一方で、マイクを使った録音機能はあります。音声メモやマイク関連機能の使用中は、テンプル先端のインジケーターが白く点灯します。


オンの時間もオフの時間もかけていられるAIメガネ

AIの機能を使いたい。しかしスマートフォンを取り出すのはちょっと面倒。そんなとき、RayNeo iO Smart Glassesをかけていればちょっとした操作でAIにアクセスできます。まさに未来のI/Oデバイス。しかし、普段はケースにしまっておいて、使うときだけ顔にかけるというフローでは、スマホのほうがまだ面倒が少ないと感じてきます。

この点、RayNeo iO Smart Glassesは軽くてバッテリーの持ちがいいから、普段のメガネ代わりとしてずっと付け続けておこうかな、と思えるんですね。これは大きなアドバンテージです。

もちろん度入りのレンズも使えます。公式サイトの度入りレンズ購入ページでは、眼科やメガネ店から受け取った処方箋の画像データを読み込み、適切な度入りレンズの設定を反映してくれますから、楽ですよ。


(TEXT by 武者良太


●関連リンク
製品ページ
RayNeo