HIMEHINAライブ演出・Gohgoインタビュー(後編) 「VTuberのキャラクターはどこまで生き続けるのか」

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前編に引き続き、HIMEHINAを支えるチーム「Studio LaRa」で作詞・作曲とライブの総演出を担当しているGohgo(ゴゴ)氏のインタビューをお届けする。


最初にDAW上で並べたセトリの時点で泣いてる

──ライブ制作についてもう少し聞かせてください。今回、まず驚いたのは、オープニング冒頭で楽譜をスクリーンに出した場面です。今までのツアーになかった演出だし、何の説明もなくいきなり出したのに、1行目から「JOJI」(HIMEHINAファン)のみんながきちんと歌ってくれた。あれ普通、反応できないですよ(笑)

Gohgo いや、そうなんですよ。自分もどうなるだろう?と思ってました。多分、2行目ぐらいからは歌ってもらえるかも? でもシーンとしちゃったら怖いなと思って、実はあの瞬間、客席に紛れていたんです。

グランドフィナーレのためだけに用意された冒頭パート

──客席に!

Gohgo そうなんです。声が出なかったら自分が歌い出そうと思って。そしたら、一音符目からみんな歌ってくれて、もういい意味で裏切られました。

 
──今まで積み重ねてきた信頼が見事に形になったと実感しました。そこから3時間超という長丁場に突入するわけですが、不思議なのはずっと「JOJI」たちの熱量が落ちないところです。

Gohgo それは先ほども触れた密度という話もありますが、テクニカルなところも大きいかもしれないです。例えば、ダンスクラブで楽曲が途切れ途切れで流れていたら、お客さんは乗れないと思うんです。

 
──確かに。HIMEHINAのライブは曲間ゼロでどんどん進んでいきます。

Gohgo 基本的にはDJ、クラブのように曲をつなげていくことで、情緒を加算していくようにしています。繰り返しになりますが、自分がライブの構成を決めるときには、最初にHIMEHINAとセットリストを相談した上で、まずDAW上でCD音源ベースで2時間以上分のつなぎをつくります。そこまでして、自分の体で受け手側の感覚をきちんと再現した上で、「ここはいい」「ここはそうじゃないでしょ」というのを判断します。これは超パ(ニコニコ超パーティー)の時代から変わってないやり方です。

 
──手間のかけ方がヤバいです。そもそも超パって、下手すると10時間超えてたはずですが……。

Gohgo それでも演者の入りハケから全部DAW上で音源から構成をつくっています、一人で。それでみんなで集まって演出会議を合宿でやったりすると、もう後半ほとんどみんな寝てて、自分一人だけ喋り続けている、みたいな(笑)

 
──その熱量よ!

Gohgo でも自分でそこまでやるのは、どこか不安だからだと思うんです。自分が一番最初の観客になって、どうしたら興奮できるか、どうやったら気持ちの振れ幅が生まれるのか、リファレンスの中できちんと担保しておきたい。だからそのDAW上で音楽だけの状態で聴いているときに、すでに号泣しています。

 
──その時点で自分でも泣けることって、とても大事だと思います。

Gohgo 自分の思いを込めたものが誰かに届いて嬉しいというのはもちろんありますが、きちんと伝えようとするにあたってまず自分に届く、きちんと自分の心を震わせるっていうのをまず大切にしています。

人間が持ってるものを「魂」とか「心」とかいいますが、それをどう伝えるのかは結構重要なことだと思っています。先ほどの話に戻ってしまいますが、VTuberとボーカロイドのライブとの大きな違いは、その本人が「魂」を実装しているかどうかだと思うんです。1stワンマンのタイトルに「心を叫べ」と名付けたのは、初音ミクからずっとやってきて、最大の違いはどこにあって、何を押し出すべきかと考えたら、やっぱり心だなと。魂の発露を見たいというか、そこはVTuberのライブにとって一番重要なところな気はします。

1st One-man Live 「心を叫べ 」より

そしてこうやってしゃべってて思うのは、自分の創作の原風景は、やっぱり初音ミクなのかもしれない。彼女の存在や、そこで表現するべきものがボカロライブを通じて熟成されていって、それがHIMEHINAのライブに受け継がれて、2人の「魂」とセットで今あるべきところに落ち着いているみたいな。自分が人間のアーティストさんの演出や制作をやっていたら、まったく別のものになっていたんじゃないかなっていうのはたまに思います(笑)

 
──それはそれで見てみたいです(笑)。ちなみにHIMEHINAの2人は演出にNGを出したりしないんですか?

Gohgo きちんとコミュニケーションできているので、信頼して託してくれているのだと思います。セットリストができて「これでいこう!」と決まったあとに2人は歌やパフォーマンスの練習に入り、自分は映像編集ソフト上で落書きベースで全部演出のギミックをつくっていくのですが、本来だと、演出家とアーティストが逐一、「ここはこうしようね」みたいなラリーを続けながら決めていくんです。でも自分たちの場合は任せてもらっているので、自由につくっちゃってから「どうですか?」と出すことができる。そんな制作体制がHIMEHINAの強みでもあるのですが……あまり再現性があるものじゃないですよね(笑)

Studio LaRaの手にかかればこのラフ映像コンテが……
このような豪華な本番に仕上がるわけだ

 
──しかし、いくらプロだからとはいえ、3時間超ぶっ続けで歌うHIMEHINAも相当タフですよね(笑)

Gohgo 今回、さすがにあの喉の強いヒメでも、翌日は声がガラガラになっていました。楽屋でも加湿器をガンガン炊いて、舞台裏でもずっと喉用の加湿をやり続けてもそうなってしまうぐらい全力でステージに臨んでいたんです。


作詞は「ヒトガタ」が初めてだった

──ライブといえば、セトリにおける歌詞のハマりかたも好きです。GohgoさんはHIMEHINA曲で大半の作詞を手掛けてますが、どういった感じで書かれていますか?

Gohgo 元々、自分は作詞したことがなくて「ヒトガタ」が最初だったんです。

 
──ええ……マジですか!?

Gohgo 2016年の超パが終わった以降にライブ制作からは身を引いて、なんかしばらくゲームやってればいいかなって思って「ドラゴンクエストX」とか「PUBG」とかで遊んでいました(笑)。その後2018年にヒメとヒナがデビューして、2019年に「ヒトガタ」「ヒバリ」「うたかたよいかないで」となだれ込むようにして3つの作品の歌詞を書くことになりました。「うたかた」を書いていたのは2019年の7月で、ちょうど某VTuberグループの魂の交代劇のような出来事があり、魂の生き死にについて考えていた矢先に、京都アニメーションの放火事件が起こってしまった。

──あれは本当に辛かったですね。

Gohgo 自分はそのときに中国に行っていたのですが、事件の発生を知って、朝まで一気に歌詞を書き上げたのが「うたかた」でした。魂の行きどころみたいな、今世ではこうなってしまったけど、来世でまた会えたらいいねという、極楽浄土や輪廻への思いじゃないですけど、そんな救いがある曲をつくりたいなと。そして回り回って、その某グループの運営をされていた企業の後身となるBrave groupにStudio LaRaが参加したという巡り合わせが(笑)(当時のStudio LaRa雑務代表・中島氏のインタビュー記事)。

 
──そこが一緒になれるんだって、改めて奇跡を見ているようです。

Gohgo Brave group代表取締役の野口さんもHIMEHINAが大好きで、多分、社内で誰よりもファンなんじゃないかというぐらいいつも客席でライブを楽しんでいますね。

 
──(笑)。両者の関係でいうと、2021年2月7日、豊洲PITでの無観客ライブ「藍の華」の裏で、某グループが卒業配信をやっていたという偶然もあったりします。

Gohgo それは確か現場で知ったかもしれないです。当時、自分は作詞家としては本当に駆け出しで、もちろん職業作家をやっていたわけでもないし、「作詞って何?」みたいなところから始めています。だから手元の素材でしか詞を書けなくて、VTuberってどんな存在だろうと率直手元で考えていたことをそのまま盛り込んだのが「ヒトガタ」でした。「ヒトガタ」は、「バーチャルさんはみている」のエンディングテーマでしたね(アニメ公式サイト)。

 
──バチャみ! 懐かしい。VTuberが本人役で出演した初のアニメとして歴史に名を残しました。

Gohgo 自分も制作の中心にいたのでみんなの気持ちを今だから代弁して言う権利があると思うんですけど、「バーチャルさんはみている」をアニメというのはちょっと無理がありますよね(笑)

 
──と言われると?

Gohgo 制作の話が挙がった当初、例えば「ウゴウゴルーガ」みたいな謎のショート作品や、「アメトーーク!」のような雛壇トークのバラエティーだったら地上波でも成立する番組にはできると思います、と提案していたのですが、プロモーションチームがアニメと銘打ったこともあり、瞬く間に一般的にはアニメと思われてしまった。

 
──バラエティーとアニメだと見る側の期待値が全然違いそうです。

Gohgo 期待値違いますよね。でも、VTuberという新しい文化の黎明期で、良くも悪くも世間にその存在を訴求できるのは悪いことではないと思っていたので、番組枠に穴を開けないようにという想いでチーム一丸となって死に物狂いでがんばりましたね。その心意気は素晴らしかったと思います。そのときのオープニングは中田ヤスタカさんが手掛けられたKizuna AIさんの「AIAIAI」で、決まっていないエンディング枠として、カバーMV「劣等上等」で音楽映像作品をつくれる実績のあったHIMEHINAに白羽の矢が立ち、選択の余地もなくつくったオリジナルソングが「ヒトガタ」だったんです。

 
──そんな経緯があったとは……。とはいえ、「ヒトガタ」はネットでもあれだけ再生数が回って、初期における彼女たちの代表曲となりました。

Gohgo 「バーチャルさんはみている」のエンディングを通じて、たくさんの人にHIMEHINAを見つけていただいたというのはとても嬉しかったです。その点ではやった甲斐があったのですが、オリジナルソングをつくるのに本当に時間がなくて、もう今週いっぱいで歌詞が必要みたいなときにじゃあ自分で書くしかないか、と1日で書きあげた歌詞が「ヒトガタ」だったんです。


「VTuber業界は、まだ直面していない問題がある」

──もう少しGohgoさんの作詞論をお聞きしたいです。歌詞の書き方として、自分の体験を元にして伝えるパターンや、逆に聴いてくれる人の心境を想像して書くケースなどがあると思います。HIMEHINAの歌詞には、Gohgoさんの気持ちはどれくらいの割合で入っているのでしょうか?

Gohgo 大きく分けると、HIMEHINAの世界の物語を取り込んだ曲と、そうではない曲の二軸あります。どちらも共通してほとんど自分が作詞していますが、基本的にはヒメとヒナがこう歌うだろうなぁという気持ちを憑依させて書いています。歌詞の言い回しが特殊なので「Gohgo語」とも言われたりしているらしいです(笑)

 
──ゴゴゴ!

Gohgo 彼女たちの気持ちに自分の考えが混ぜ込まれて、自然と言葉になって出てくるんです。逆に2人が歌わされているような曲になるとダメで、「彼女たちならこんな想いを届けるだろう」と思えるように一晩憑依してしっかり練っています。だから2人が歌ったとき、気持ちの入り方に嘘がない。

 
──だからあんなに心がこもった感じが伝わってくるんですね。先ほど挙げられていたHIMEHINAの世界の物語というと、考察したくなるような曲のことでしょうか。パッと思い浮かんだのが、コロナ前の2019年に生まれた4thシングルの「琥珀の身体」でした。

Gohgo あれは「アンブロイド」という素材がひとつのキーワードになっています。

──アンドロイド? 人型のロボットをVTuberに例えたみたいな話ではなく。

Gohgo アンドロイドではなく、アンブロイド。琥珀ってあるじゃないですか、樹脂が化石になってできた宝石の。その琥珀で小さい破片を集めて、加熱・加圧してつくる再生琥珀がアンブロイドです。そのアンドロイドならぬ、アンブロイドという存在がHIMEHINAの世界の裏には実はあって……。

 
──!!!!!!!

Gohgo 天然の琥珀じゃない加圧された再生琥珀、時を渡る樹脂としてのアンブロイド、ギリシャ語でいうとエレクトロンとかがキーワードになります。その彼女たちの世界線の話はまぁさておいて、VTuberが歌うオリジナルソングにバーチャルならではの独特の世界観が薫りとして漂うのは必要……ではないけれど、あると面白いなとは思っていて。ただそれだけだと楽曲が独りよがりになってしまうので、現代世界にもマッチする内容とのダブルミーニングを入れています。

 
──えっ、どこですか!?

Gohgo 例えば「愛が足りないControl C/V」。「Ctrl」+「C」と+「V」つまりコピー&ペーストできる=複製品というのは機械や電子などの存在を軽率に扱う話ですが、一方でCharacter Voice(声優)を支配的に扱って中身を入れ替えたり複製するという意味です。当時もそうですし、将来に渡ってこの問題というのはVTuberとそのファンに取って根深く問題になっていくだろうと思っていたので、ヒメヒナの世界の物語、実際に起きている界隈での話、というのは両方の意味を歌詞に取り込んでいます。そういうの色々あって……(笑)

 
──!!!!!!

Gohgo 楽曲「V」も、いくらかVTuberの世相を反映した部分はあるのですが、今回のライブでは、「あのヒーローショーの人形の背中にゃチャックはついてないから開くな」の部分を「あのVTuberの背中に」にアレンジしたりしています。そうした裏側での風刺的役割を潜ませるのはアート作品をつくってる限りは必要な機能でしょうし、アートの持つ意味でもありますよね。

 
──すごいな。HIMEHINA曲の歌詞を紐解いていくと、当時のVTuber業界が閉じ込められている……つまり「琥珀」じゃないですか。しかし、改めて思うのですが、アニメや映画との楽曲タイアップがほとんどないのに、「愛包ダンスホール」や「キスキツネ」などの楽曲はネットでバズり、ワールドツアーまで実施するって、なかなかできることじゃない。

Gohgo 途中で諦めなかったっていうLaRaとHIMEHINAの粘りのおかげだと思います。

 
──「うたかた」の話じゃないですが、VTuberも永遠の存在ではなく、さまざまな理由で卒業していきます。だから9年目になってもHIMEHINAが変わらず活動していて、今なお武道館でライブという夢を叶えたりと活動を加速させていることが、とても奇跡のようなことだと感じます。

Gohgo そのVTuberの卒業で思い出しましたが、話をボーカロイドに戻すと、初音ミクって基本的にいなくならない存在じゃないですか。でも逆にいうと永遠性にとらわれて、生き続けなければいけない。そこが神格化されるところでもあり、ICONに内在させられた鎖でもある。みんなで初音ミクを生かし続けなければいけないのとセットになっている。

でもVTuberはどこかで有限で、だから命に限りがあることが存在の価値を高めている側面もある。有限が対極の鎖になっている。そしてキズナアイさんの2016年12月デビューから、VTuber業界ももう10年を迎えますが、時間軸的な意味でまだ誰も直面してない問題があるなとは思っていて。

 
──と言われると?

Gohgo VTuberのキャラクターはどこまで生き続けるのかという話です。あと10年から20年後ぐらいに問題になっていくと思うのですが、「魂」の老化とともに、引退するのか、屋号として継いでいくのか、そこがまだ未知数だなと思っています。

 
──感覚的に屋号は継げないと思います。だから引退するしかないのでは……。

Gohgo 未来の人々がどちらを望むかという話だと思います。キャラクターとしては完結して、プロジェクトをクローズして息を引き取ることを望むのか。でも、AIやクローンなどの医療技術が進化して、亡くなった人にもう一度会える方向に世の中が発展していくかもしれない。

そうなったときに、命の終わりという概念自体が変わっていて、死者が別の形で継がれていくことが当たり前の社会になっている可能性すらある。そしてそれは漏れなくキャラクターにも適用されるかもしれない。20年後の常識や感覚が変わったその世界で、VTuberの終わりはどう判断されるんだろうというのは、実は考える部分ではあります。この未来は想像に易くはないですね。


「過去のライブも再演したい」

──しかし、お話を聞けば聞くほど、HIMEHINAの2人だけでなく、Gohgoさんや夏虫さんをはじめとするララメン(Studio LaRaのメンバー)が欠けてもHIMEHINAという世界は再現できないのだと感じます。

Gohgo そこは内製でやってるからこそ、チームの中にノウハウを蓄積して、ある程度再現性があるようにしていきたいと思ってはいます。でも、自分たちがやってきた流儀をそのまま再現することが正解じゃないとは思っていて、HIMEHINAの今までの歴史を崩さないことを大前提に、後続で育っていくチームたちがやりたいこととHIMEHINAがやりたいことが足並みが揃って続いていくことが一番いいかなと思っています。

 
──ワールドツアーも成功させましたがこの先、さらに世界に挑戦していくみたいな流れはあったりするのでしょうか?

Gohgo そうですね。拡げるってことは、マーケティングや資本が必要だったりと色々な要素があると思いますが、でもマーケティングが先行しすぎると、中身が疎かになってしまうこともある。マーケットインの作品づくりって必要だと思うんですが、それだけじゃつまらないですし、結局情熱と作品が優先事項で、世界を目指さないよりはもちろん目指していくという感じじゃないですかね。その辺はLaRaとHIMEHINAの手腕ですよね。自分としては、それよりも武道館があるので、どうしようって感じです(笑)

 
──確かに!

Gohgo Xでも書きましたが、いや、本当に公演発表の1ヵ月前に武道館でやれることが決まったんですよ。ヒメとヒナの2人に「これで決まらなかったらどうする?」みたいな話もしてて、でも「どうするも、こうするも、演出で武道館フォーカスでつくっちゃってるからな。信じるしかないよね」みたいな綱渡りでした。

──色々ヤバすぎる! でも武道館でHIMEHINAのライブを見るという人は、ぜひ過去のライブのBlu-rayも見ておいてほしいなぁ……。

Gohgo それはYouTubeのメンバーシップの「JOJIVIP」以上に入ると、Blu-rayと同じ4K画質でほとんどの過去に開催したライブが見られるので、ぜひ加入して楽しんでもらえたらと思います。過去のライブもいつか再演したいですけどね。

 
──それはぜひやってほしいです! 正直、HIMEHINAのライブって、空間における光や音の密度など、録画や配信で見ても全然伝わらない部分が大きいので、現地で見てほしい。

Gohgo 現地でやりたいですよね。2人もやりたいんじゃないかな、過去のライブ。過去の演出映像とかの素材が入っているHDDが壊れてなければ……。なんか倉庫の湿気がすごくてとか聞いたんで、カビてる可能性も……(笑)

 
──ええっ、そんなことあります!? 今すぐ確認してください! ナウ!

Gohgo 小さなチームなので。昔あったのは、「藍の華」って、無観客のオンラインライブだけじゃなくて、有観客でも開催したじゃないですか。そのときに、オンラインライブのデータを全部なくしてしまって、実は素材から再現してるんです。

 
──待って待って待って……。

Gohgo 全部つくり直したので、すごい大変でした。

 
──そりゃぁ大変でしょう! でもすべての始まりである「心を叫べ」とか、もう一度見たいなぁ……。「愛包ダンスホール」や「キスキツネ」から入ってきた人にもぜひ知ってほしい。

Gohgo やりたいですよね。普通のアーティストでは、ライブの主催で別の会社が入ったり、制作物の権利が分かれていたりして、再演できないことが多いんです。オリジナルデータとかを外注さんが持っていたりとか。でもHIMEHINAは内製なのでデータが壊れていなければできてしまう。

ともあれ、まずは来年7月の武道館です。できるかはまだ分からないことも考えたりはしているので、まずは現地で見ていただきたいですね。

エンタメをやってると、情熱的にものをつくり続けたいというのは本意なのですが、一方でこれだけの内容を実現するので、疲弊しないチームづくりもセットの課題になります。とはいえLaRa自身は大企業ではないですし、若い人で構成されていて流動性も高い。チームの選手層が厚くなるべきフェーズにあります。興味と情熱のある方はLaRaの門を叩いてみてはいかがでしょうか。自分自身は今回のライブを一つの区切りにしつつも、後継のチームに沢山のTipsを渡しつつ、数年かけて最強のチームができればいいなと思っています。

武道館ではまた新しいHIMEHINAとLaRaのライブが見られると思います。より多くの方にそのドラマを目撃してほしいです。よければまだ今回のグランドフィナーレライブがHulu、Zaiko、bilibiliでも見られるのでぜひ(編註:Huluは10月22日まで、Zaikoとbilibiliは10月18日まで)。

それでは、武道館でお会いしましょう。



(TEXT by Minoru Hirota)


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