金沢工業大学は、同大学の工学部情報工学科、河並崇准教授の研究室とDMM.com、FAPの三者にて2019年度から共同研究「未来トップクリエーターの養成を目指すSTEAM教育に関する研究と教材の開発」を進めている。
3日、これにおける成果として、「教育用ドローンを用いた教材開発」と「VRゲームコントローラーを題材としたプログラミング教材」を2020年度に開発したことを発表した。
STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(人文社会・芸術・デザイン)、 Mathematics(数学)の頭文字をとった学習手法。これらの領域を統合的に教育に取り入れることで未来社会の創り手を育成する。
教育用ドローンを用いた教材開発では、ドローンによるスマート農業を目指し、圃場の自動見守りをテーマとした。ドローンの飛行コースの設定、フィールド基地の開発、帰還方法の策定、気象監視、画像処理による熊の検知などを題材とした教材のプラットフォーム開発を行った。このプラットフォームをベースに今後、具体的な教材開発を行う。
専用コントローラーは教育用コンピューターの「micro:bit」を用いている。金沢工業大学で開発したオリジナルのブロックプログラミングを使用するため、小学生を対象とした教育も想定している。今後、本教材を活用しての「ドローンコンテスト」の開催に結びつけたいという。
VRゲームコントローラーを題材としたプログラミング教材では、注目度は高いがプログラミング初学者にはハードルが高いという問題があった。そのため、教育用コンピュータで「micro:bit」をVRコントローラーとして用い、それを自らプログラミングすることで、ゲームを進められる仕組みを考案。
今回扱うVRゲームは、金沢工業大学オリジナルの弓による的あてゲーム。最初は弓をつがえることもできないが、チュートリアルを進めることで徐々に弓をつがえる → 弓を放つ → 弓の強さを変えるとコントローラーを改良していく。
最終的には「micro:bit」間の電波強度を用い、実際の弓のように引く量によって強さが変わる教材となっている。今後は、DMM VR lab(DMM.com テクノロジー本部VR研究室)が提供するDMM VR Connectなどを用いた開発を行う予定だ。
これらの成果は、18日から20日までオンラインにて行う「情報処理学会第83回全国大会~コロナ新時代の情報処理~」にて改めて発表するほか、将来的には教材としての市販化も目指しているという。
(TEXT by Shuto Uchimura)
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