人気VTuberやVシンガーらが多数参加する音楽&トークライブフェス「VTuber Fes Japan 2022」が、4月29、30日に幕張メッセの「ニコニコ超会議 2022」内で開催される(関連記事)。
PANORAでは、音楽ステージに出演する人気VTuberへのインタビューを連載中。今回、登場していただくのは、大人気イラストレーターでありながら、YouTubeチャンネルの登録者数が71万人を越える人気VTuberでもあるしぐれういさん。インタビュー後の4月6日には、初のソロアルバムリリースと初のリアルイベント開催を発表するなど、ますます注目を集めている存在だ。
1月の3Dお披露目配信の思い出や、初めてのライブイベント出演となるVTuber Fesへの意気込みなどを語ってもらった。
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歌に対する苦手意識がちょっと薄まってきた
──VTuber Fesへの出演オファーが届いたときの心境を教えてください。
しぐれ 実は、2年くらい前のVTuber Fes(2019年の「バーチャルさんがいっぱい スペシャルバーチャライブ」)を現地で拝見していまして。まさか、あのイベントに自分が呼ばれることになるなんてと、信じられない感じでした。
──2年前はどのような印象が残っていますか?
しぐれ 当時は、まだVTuberの黎明期で、「VTuberさんがライブをするんだ!?」くらいの感覚で観ていました。でも今は、いろいろな技術も進んで、たくさんのVTuberさんがすごく洗練されたライブをしていていますよね。そんな中、自分が出演させていただくのは、恐縮することだなと思いつつも、お引き請けしました。
──しぐれさんは、今年の1月に3Dの身体をお披露目したばかりで、ライブイベントへの参加は今回が初めてです。出演を決めるまでに、迷ったりもしたのでしょうか?
しぐれ あまり迷ったりはしてないんです(笑)。お話をいただいてすぐに「あのイベントだ!」って分かったし、自分がいちファンとして拝見したイベントに出られるというのは、かなりワクワクすることだったので、「楽しそう!」と思い、お返事をしました。
──以前、別の媒体の取材で、VTuber活動を始めたときのお話を伺ったときにも感じたのですが、「楽しそう」と感じることが目の前にあるときは、なるべくチャレンジするタイプなのですね。
しぐれ そうですね。イラストレーターだけをやっていたらできなかったであろう楽しそうなことや、VTuberになったからこそできる楽しいことは、「私ひとりでは絶対に実現できなかったもの、チャンスの瞬間だ」と思い、イラスト職から離れたエンタメであっても進んで挑戦してみようと思っています。
──しぐれさんがVTuberとしての活動を始めた当初は、歌うことに対してあまり積極的ではなく。初めての歌配信(「うい・おん・すてーじ」)も、にじさんじの剣持刀也さんとのテトリス対決で負けた罰ゲームとして行われたものでした。しかし、その後は、仲良しのVTuberさんとのコラボ歌動画の投稿や、コンピレーションアルバム(「SPOTLIGHT」)への参加、3Dお披露目でのミニライブなど、歌を披露する機会も増えています。歌うことや、歌を聴かれることへの意識に関しては、どのような変化があったのでしょうか?
しぐれ 以前から、歌うことは好きだったのですが、人前で歌う機会がなさ過ぎて、正直、苦手意識が前面に出ていたんです。でも、VTuberの友達の犬山たまきさんが、しつこいレベルで「歌おう!」って誘ってくれて(笑)。そのおかげでだいぶ慣れた感じもあるし、周りの人たちが、なぜかメンタルケアをめちゃくちゃしてくれて。
──メンタルケア?
しぐれ 「大丈夫だよ! 歌えてるよ!」って(笑)。そのおかげで、ちょっと苦手意識が薄まってきて。今は楽しさ前面で歌わせてもらっています。まだ、全然、未熟なんですけど。
──元々は、仲良しな友達同士のカラオケだったら楽しく歌うけど、知らない人がいるとマイクを握らないようなタイプだったのですか?
しぐれ まさに、そんな感じですね(笑)
周りにすごく優しい方しかいない
──先ほども触れた1月の3Dお披露目では、「ファンサ」など4曲を披露されました。配信でのパフォーマンスを観ても、この日のために練習を重ねていたのは明確でしたが、ボイトレなどプロの指導を受ける機会はあったのですか?
しぐれ 実は、そういう機会もありました。ただ、一夜漬けみたいな感じで。本番の少し前に観ていただいて、ポイントみたいなことを教わって。その後は家でずっと練習しました。
──そのときに教わったことで、新たな発見や、特に気を付けたことなどがあれば教えてください。
しぐれ 私の歌って、あまり感情が無いんですけれど(笑)。歌にも、絵と同じように表情をつけることができるというのを初めて知って、なるほどなーって。ボカロと人間は違うんだなって学びました(笑)
──具体的には、歌詞の意味をよく理解して歌うとかですか?
しぐれ そうです、そうです。あとは、言葉の語尾に楽しそうな感じを足したりすることで、より歌詞に寄り添った歌い方ができることを教わりました。
──歌に対するスキルや知識が増えたことも、歌うことの楽しさが増すことに繋がったりしたのでしょうか?
しぐれ はい。手段が増えると、「どうしようかな」っていう気持ちも出てきて、工夫のしがいがあるなって思ってます。
──ダンスに関しても、先生に教わったのですか?
しぐれ 振り付け師さんが振りを考えてくださって。振り入れというか、レッスンもしていただきました。私の運動能力に合わせた振りを考えてくださったこともあって、自分で想像していたよりは意外と踊れて。練習も楽しかったです。運動はあまり好きじゃないんですけど、ダンスは楽しいなって思いました。
──では、3Dお披露目に向けて必要に迫られて、経験の無かった歌とダンスを教わったら、すごく辛くて大変だったとかではなく、楽しさを知ることもできたわけですね。
しぐれ はい。先生を始めとした周りの方々は皆さん優しいので、辛いという感情は1ミリも無かったです。スタッフさんも含めた周りの方々が、やたら褒めてくださるので、楽しくやらせていただいています。
──たぶん、周りの人がやたらと褒めてくれるというのは、しぐれさんがVTuberの活動を始めてから、ずっとそうなのでは?
しぐれ 本当にそうですね(笑)。周りにすごく優しい方しかいないので、つけ上がっています(笑)
──配信を観に来ているリスナーとは、プロレス的な掛け合いも多いですが、しぐれさんのことが大好きということは、すごく伝わってきます。リスナーがしぐれさんの活動を楽しんでくれているから、しぐれさん自身もさらに楽しめているといった感覚もあるのでしょうか?
しぐれ みなさんのおかげで配信とかも楽しくできています。そういった反応をくださる方がいなかったら、こんなにいろいろなことをしてなかっただろうとは思いますね。
──3Dお披露目配信の総再生数は、122万回を越え、2000近いコメントが書かれています。配信中のコメントも含めて、歌って踊るしぐれさんの姿を観たファンの皆さんが本当に喜んでいたことが印象的なのですが、そういったファンの反応に対しての感想を改めて教えてください。
しぐれ けっこう自己満足の3Dお披露目だったので、こんなにも喜んでもらえるのかと、正直、めちゃめちゃビックリしました。ただ、自己満足とはいえ、いろいろな方にご協力いただいてできた配信ではあったので。褒められても、私が褒められているという感じではなく。関わってくださったスタッフさんのことを、みんなが「すごい!」と言ってくれているみたいで嬉しかったです。
事務所の垣根を超えてVTuberが集まるこの場が楽しみ
──VTuber Fesで初めてステージに立ったときには、どのような気持ちになると思いますか?
しぐれ そもそも、人前に立つことなんて、勤めていたゲーム会社を辞めたときの退職の挨拶以来なので(笑)。正直、まったく想像つかないんですけど、絶対に緊張すると思います。
──職場の人たちに「みなさんお世話になりました」とか言って以来の人前に立つ機会が、幕張メッセのステージというのもすごい話ですね(笑)。ちなみに、3Dお披露目からは、数か月のブランクがあるわけですが、現在の歌やダンスの調子はいかがですか?
しぐれ 3Dお披露目のときに学んだことはいっぱいあって。例えば、普通の歌ってみた動画の収録とは違って、ライブ感を出すための歌の表現の仕方とかは、VTuber Fesでも活かせると思うので、私も楽しみです。
──ライブ感を出すための歌い方として、具体的に、どのようなことを教わったのですか?
しぐれ 3Dお披露目のときは、配信で皆さんと繋がる形だったので、実際には、目の前にいらっしゃらなかったんですけど。「今、目の前にいる方に、とくとくと語りかけるように歌い上げて」と教わったので、少しでも伝わるようにと思って丁寧に歌いました。今回は、実際に目の前にお客さんがいらっしゃると思うので、それをより実行できるんじゃないかなと思います。
──当日、ステージで歌う曲について、どのような思いで選ばれたのかを、ネタバレにならない範囲で教えてください。
しぐれ 今回は超会議の企画でもあるし、今回は超会議の企画でもあるし、ボカロがとても好きなので、ニコニコ動画で好きだったボカロPさんの曲を選びました。あと、せっかくなら皆さんが聴いたことのない曲の方がいいかなと思って、配信や動画などでも歌ったことのない曲にしました。
──先日、発表されたVTuber Fesのオリジナルテーマ曲「ピース!!」の印象を教えてください。
しぐれ まずは、シンプルに良い曲だなって思いました。それに、この歌詞とこのメロディを、すごく大人数のVTuberが歌うからこそ、完成する曲なんだろうなって。練習してみても、ライブで歌うと、ますます気持ちいいんだろうなと思いました。
──ライブ当日に向けて、しぐれさん自身が特に楽しみにしていることはありますか?
しぐれ 私自身がVTuberのオタクなので、いろんな事務所や個人勢のVTuberさんが集まるこの場、自体がめちゃめちゃ楽しみですね。事務所の垣根を超えて、これだけ大人数のVTuberさんが集まることはあまりないと思うので。
──会場に来たり、配信を観たりするVTuberファンにとって、このフェスは、今まであまり知らなかったVTuberを知るきっかけでもあるかと思います。今回、しぐれさんの歌う姿を初めて観るという人もいるかもしれませんね。
しぐれ たぶん、私を知らない方が動いている私を見ると、「イラストレーター?」ってなると思うんですよね(笑)。そんな変なところも含めて、私の面白いところというか……特徴でもあると思うので。これをきっかけに、絵でも、配信でも観ていただけたら良いなと思います。
──最後に、VTuber Fesを楽しみにしている皆さんに、メッセージをお願いします。
しぐれ VTuber Fesの魅力は、先ほど申し上げた通り、いろいろな事務所の垣根も越えて大勢のVTuberさんが集まる、でっかいイベントというところだと思います。たぶん、ここでしか見られない組み合わせとか、新しい出会いや発掘とかもあると思うので、お祭り気分で観ていただければ嬉しいなと思います。あと、私を知って下さっている方は、初めてこういうライブイベントに参加させていただく機会なので、親のような気持ちで観に来ていただけると嬉しいです(笑)
(Text by Daisuke Marumoto)
<VTuber Fes Japan 2022 Supported by Paidy 開催概要>
・主催:ドワンゴ
・日程:2022年4月29日(金・祝)、30日(土)
・会場:幕張メッセ ニコニコ超会議2022特設ステージ
・ニコニコ生放送配信URL:
DAY1:4月29日(金・祝)開演 14:30~
https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038713
DAY2:4月30日(土)開演:14:00~
https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038799
●関連リンク
・VTuber Fes Japan 2022(公式サイト)
・VTuber Fes Japan 2022(Twitter)
・ドワンゴチケット
・プレミアムグッズ付き 2日間通しチケット(ドワンゴジェイピーストア)
・しぐれうい(YouTube)
・しぐれうい(Twitter)