カバー株式会社は3月18、19日に、同社のVTuber事務所「ホロライブプロダクション」をテーマにしたリアルイベント「hololive SUPER EXPO 2023 Supported By Bushiroad」を幕張メッセにて開催した。
本記事では、当イベントの体験型イベントブースを中心に紹介する。
●ホロライブ警察
昨年に引き続き、もはやお馴染みとなった、大空スバルさんによる「取り調べ」のコーナー。去年は出張裁判所にて裁判を行っていた彼女だが、今回は警部にジョブチェンジした。参加者はスバル警部と一緒に証拠を推理し、ホロライブメンバーを取り調べるという内容だった。
体験型のイベントブースは、待機列があふれた場合に整理券を配布しており、開場直後はこの整理券を求める参加者により大行列ができていた。9時30分開場の1日目は、10時前に並んだにもかかわらず、筆者の整理券番号は200番台であったことからもその人気っぷりが伺えるだろう。
整理券をゲットできたら、番号が呼ばれるまで、列に並ばず自由に会場を散策できる。整理券に記載の二次元コードをスマホで読み取れば、自分の番まであと何人かが逐一表示される。無意味とはわかっていても、ブラウザを更新したくなるのは、人の性というものだろう。
待ちに待ってようやく自身の番号が呼び出された。人にあふれた会場を移動し、ブースへと向かう。
ようやくたどり着いたブースの前では、大空スバル警部と、今回の「指名手配犯」たちのパネルがお出迎え。
警察署によくある指名手配犯の一覧ボードがあるのもニヤリとするポイントだ。桃鈴ねねさんの指名手配ポスターには、早速本人による落書きまで入っている。(大空警察署の警備体制はどうなっているのだろう……)
ブースの中は、さながら監獄といった雰囲気。重々しい鉄格子が並ぶ姿は、さながら網走刑務所といったところだ。
スタッフさんに案内され、監獄の一つに通される。中では、お馴染み電気スタンドがお出迎え。
デスクに置いてあるコントローラーを操作すると、スバル警部によるブースの説明が始まった。
今回のブースでは、取り調べたいメンバーを10人から選択可能。画面には、各メンバーが何の罪状で取り調べを受けているのかを確認できる。
しかし、ここで問題発生。制限時間が大変短いのだ。刻一刻と迫るタイムリミットに、筆者は 宝鐘マリンさんを選択する。彼女なら、必ずセンシティブなネタを披露してくれるという安心感があったからだ。
選択が終わると、ついに取り調べがスタート。
今回、船長が取り調べを受ける理由は、「ホロメンに対してお局ムーブをしちゃってる罪」とのこと。
被害妄想じゃないか、と容疑を否認する船長であったが、スバル警部は、ホロメン全員から「最近の船長が怖い」と通報されていると反撃。それでも容疑を否認する船長に、スバル警部は決定的な「証拠」をぶつけると宣言。
ここで、参加者の選択フェーズに移行する。
ここで、参加者は、容疑者を追い詰めるための証拠がどちらの写真であるか、選択することとなる。重大な局面を握るはずの証拠写真だが、両者ともに雑感たっぷりのクソコラ画像。ゆっくり眺めたいと思う筆者であったが、またしても選択可能時間が短い!
ここは素直に、「マリンさんがデスクに座り眼鏡をかけてホロメンを威圧している写真」を選択。
これによって、動かぬ証拠を突き付けられた船長。はたしてどんな言い訳をするのかと、固唾を呑んで見守る。すると、船長は思いもよらないことを述べる。
船長による一連のお局ムーブは、なんと、ホロメンの信頼関係を試すための作戦だったと語る。ホロメンに辛いことがあったとき、ホロメンは互いに相談し合えるのか──それを確認するために、あえて「嫌われ者」(ヒーラーー)を演じたというのだ。それを聞いて、鬼のスバル警部も、彼女の思慮深さに思わず心揺さぶられてしまう。
「スバル先輩ってそういうの苦手そうだからさー」と、スバル警部の手を借りることもなく、嫌われものを演じきった船長。スバル警部はもう「無罪」を言い渡すことが精いっぱいだ。
かくして一連の事件は解決したのだった、となるのかと思いきや、そうは問屋が卸さない。
スバル警部は、唐突に「もう一つ通報が来ている」と船長に告げる。それは、船長がホロメンを性的な目で見ているというものだった。これを聞いた船長は突如興奮し、容疑を否認するどころか、ホロメン全員を平等に「見ている」と宣言。
あまつさえ、この瞬間もスバル警部を「そういう目」で見ていると高らかに主張する。
程なくして、船長はスバル警部の手により逮捕されてしまうのであった。
ブースを出る際、取り調べ結果に応じて、バッチをもらうことができる。
「有罪でしたか?無罪でしたか?」とスタッフさんに尋ねられ、逡巡してしまう筆者。しかし、船長が有罪なのはいつもの話か、と頭を切り替え、「たぶん有罪だと思います」と、有罪のバッチを受け取った。
●ホロライブ・ホスト
ホロライブ・ホストは、ホロメンによるホストなりきりを体験できるブースである。今回はかつてのような「地獄」とは打って変わって、ホロライブ6期生の鷹嶺ルイさん描き下ろしの特別シナリオで演じられるという気合の入りっぷりだ。
今回のExpoでは、時間帯に応じて、ホストになりきってくれるホロメンが変化する。筆者が参加したときは、ときのそらさん、夜空メルさん、AZKiさん、尾丸ポルカさん、博衣こよりさんの6名によるおもてなしを受けた。
ブースの入口には、お店を模した展示物が並ぶ。それっぽい雰囲気のある受付や、壁にかけられたキャストの写真。そしてシャンパンタワー。パネルのみんなも、手にはそれぞれお酒を持っているというこだわりっぷり。
ブースの内容は、ホストのことをよく知らないままお店に入場してきた「あなた」に、ホストのみんなが自分を「担当」(=お客さんに指名された人)にするべくアピールしてくる、というもの。
筆者は、実のところ、夜空メルさん演じる「夜空メルト」くん(昔はめるおって源氏名だった、かわいい)単推しなので、「えっメルトくんとアフターしたいし、オリシャン入れたいんだけど……」と思いつつ、財布の中身を確認しながら待機列に並ぶ。
ようやく筆者たちの順番となり、席に案内される。部屋も黒を基調としたシックなデザインとなっており、雰囲気がとても仕上がっている。
最初のナレーションは、ルイ姉によるもの。世界観の作りこみ方が素晴らしい。
ナレーションが終わると、いよいよ本編スタート。果たして誰がお出迎えしてくれるのか、期待に胸を躍らせていると、
メルトくん、メルトくんじゃないか!! 推しがトップから出てきてくれるというなんたる僥倖。
つづいて、 尾丸ポルカさんの演じるぽるお、 博衣こよりさんの演じるこよ斗、 AZKiさん演じるのAZUKU.、 ときのそらさんの演じるそらひろの順で登場し、自己紹介。いつもの配信とは異なる低音ボイスに、心が躍る。
みんなの自己紹介が終わったところで、みんなのアピールタイム。なのだが、筆者の残念な脳内メモリは、もうメルトくんの思い出で焼き尽くされてしまった。
いや、だって耳元でイケボのままいつもの「かーぷっ!」ってやられて脳内無事な人っているんですか!?
メルトくんはとっても可愛いんですよ。相手のことを思いやる優しさがあって、でも、ちょっとキミが他の人見てると嫉妬しちゃうっていう可愛いところもあったり。それでいて、キュートなことしてキミのハートを奪いに来るんですよこの人!?
──少々取り乱してしまい、申し訳ございません。
みんなのアピールが終わったところで、残念ながらお時間が来てしまう。延長はできないので、みんなにお見送りされてお店を後にする。
ブースから出る際に、スタッフさんからクラブの名刺をもらうことができる。裏面にはランダム(?)でキャストの名前が入っている。うん、今度はメルトくんと同伴しよう。
●WithShot
こちらは、「ホロライブ・サマー2022」の水着衣装を着たホロメンとツーショット映像を撮ることができる、AR技術を利用した撮影体験のできるブースである。
察しのいい読者の方なら、もう私が誰と撮影したか分かるだろう。そう、メルちゃんである。
実を言うと、筆者は昨年のホロライブEXPOでも、メルちゃんとプリクラを撮っている。しかし、自身の顔があまりに残念すぎる状態であったため、恐れ多くも推しの隣に並んでしまったことを非常に後悔していたのだ。従って、今回は去年の「リベンジマッチ」として、入念に身だしなみを整え、撮影に挑んだ。
撮影そのものは、一人1分もかからない程度で回ることのできるものであったが、ホロJPの総勢35名と撮影ができることもあったのか、ブースの前には、朝から晩まで長蛇の列ができていた。
スマホのインカメラで何度も確認をしていると、ついに自分の順番となり、ブース内に通される。
ブースにある画面を操作して、迷うことなく夜空メルちゃんを選択する。そしてついに……
水着、可愛い。
顔がいい
そんな笑顔で見つめないで!好きになっちゃう!
放心状態になりながらも、何とか撮影を終了することができた。
撮影した動画は、各自自分のスマホに保存することができる。家宝にしよう。
ちょうど1年ぶりのEXPOとなるが、とにもかくにも参加者が多かったというのが第一の印象であった。また、その人数に負けないくらい、様々なブースの数も増えており、去年と比べておおよそ2倍近いブースが準備されていたことも驚きであった。
体験型ブースに関して、去年は「待機列:180分」といった恐ろしい看板を見かけることも多々あったが、今年は、ブースのサイクルタイム(回転率)が遅くならないようにしつつも、昨年同様のクオリティを提供しようと工夫されていることが、とてもよく伝わってきた。
また、パネルなどの展示物に関しても、よくよく見るとホロメンからのメッセージが隠れており、そういった要素を探すだけでも1日中楽しめるような会場であった。
都合が合わず参加できなかったホロリスは勿論、参加できたものの「○○のブース、整理券すら切れたんだが?」という方も多いだろう。本記事が、そうした方々に、少しでも会場の楽しさを伝えることができることを祈り、本記事の締めとしたい。
(TEXT by Ono Soichiro))