GMOペパボ会式会社、今年の新卒説明会はVRChatで開催!カジュアル面談に続き力を入れる「メタバース採用」

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レンタルサーバー「ロリポップ! byGMOペパボ」や、クリエイター向けECサイト「SUZURI byGMOペパボ」など、さまざまなサービスを提供するインターネット老舗企業・GMOペパボ。実は、今年1月に「メタバース推進室」を設立し、VRChat社とのパートナーシップ契約を締結するなど、急速にメタバース領域で存在感を増していることはご存じでしょうか。

そんな中でも直近で話題を呼んだのが、「NAGiSAスーパーカジュアル面談」。VRChatで人気の日本人向け1対1お話しワールド「NAGiSA」を活用した採用イベントに、定員の7倍にも至る70名の応募があったそう。

さらに、3月7日(金)には、VRChatにて「新卒説明会」を実施。これに合わせて、オリジナルワールドをお披露目しました。今回、PANORAではGMOペパボのオフィスより、この「新卒説明会」に参加。その様子をお届けします。

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入口に巨大「ロリポおじさん」!? カルチャーを体現するVRChat新卒説明会

そもそも、GMOペパボの会社説明会は、これまでも社長自らがメイクアップし、歌って踊る奇抜なオープニングアクトが風物詩。最近では、2018年にマイケルジャクソンの「スリラー」をモチーフにしたオープニングアクト「PEPABO OF THE DEAD」を行っていました。

しかし、そんな一風変わった新卒説明会も、採用方針の見直しにより2018年開催を最後としていたとのこと。そこで今回の舞台として選ばれたのが「VRChat」です。

登壇者および運営スタッフは、渋谷セルリアンタワーのGMOペパボオフィスより、各会議室をひとつずつ使いVRChatへアクセス。参加者は、各自自宅からアクセスするという形で、ニューノーマルに適応しつつ全国各地の学生に向けて”対面”での接触ができます。

社長室よりMeta Quest3(PC VR)で参加するCEO・ケンタロさん
同じく別室より参加するCTO・あんちぽさん

これまでも、採用イベントでメタバースやバーチャルプラットフォームを活用する事例はいくつかありましたが、そこはGMOペパボ。ただの「新卒説明会」では終わらせません。

まず、今回の会社説明会で初お披露目となるのが、このVRChatオリジナルワールド。

学校の体育館をモチーフに、側面にはGMOペパボの各種サービスを紹介する出店が立ち並ぶなど、文化祭のテーマを感じさせます。そして、目を惹くのが入口頭上に大きく覆いかぶさる「ロリポおじさん」。新卒説明会というと、普通は「お堅い」ホールのようなワールドにしそうなものですが、かなりカオスな雰囲気を漂わせています。

ワールド制作協力:株式会社V

また、頭上に表示できるタグマーカーには「新卒」のほかに「”自称”新卒」の文字も。イベント自体も「Group+(インスタンスにフレンドがいれば誰でも入れる権限)」に設定するなど、間口を広く取っており、実際に会場には予定していた定員の倍以上と、想定を超える参加者が集まりました。

いざ、説明会がスタートすると、まずはCEOのケンタロ(佐藤健太郎)さん、続いてCTOのあんちぽ(栗林健太郎)さんが登壇し、最後に新卒メンバー2名によるトークセッションを行うという至って真面目な内容。

しかし、よく見てみると、CEO・ケンタロさんも、CTO・あんちぽさんもナチュラルに「改変アバター」を使っている。お2人とも、今回の機会のみならず、普段からVRChatにのめり込んでいる様子がうかがえます。

通常の会社説明会では見られない光景として、本編パート終了後の熱気にも注目です。参加者から登壇役員まですべてが、アバターというフラットな見た目だからか、イベント終了後にもそのまま残ってお喋りをする和やかな雰囲気に。自然と、CTO・あんちぽさんを囲んだ質問コーナーが開催される一幕もありました。

新卒説明会終わりに、フォトスポットで記念撮影
CTO・あんちぽさんともフラットにお話しできます

参加者A 他のVRChatのイベントのように、開催日時が夜21時からだったため、簡単に参加できた点が嬉しかったです! お家で普段着でリラックスして参加できる点が良い点だと思います。社長さんを含むスタッフの皆様がVRヘッドセットを使用し参加されていて、その先進性と独自性に大変驚きました。

参加者B 遠方からでも参加しやすい点や、説明会後に雑談しやすい点がよかったです。


「2000年代にはブロガー採用を行っていた」
CEO・ケンタロさんが語るVRChatの先進性

イベント終了後には、CEOのケンタロさんに改めて今回の新卒説明会開催の背景をお聞きすることができました。そこには、インターネット文化を黎明期からサポートしてきたGMOペパボならではの思いがありました。

──「新卒説明会 in VRChat」、手ごたえはいかがでしたか?

ケンタロ(敬称略、以下同):我々がブログの事業を始めたのが2004年くらいだったのですが、その数年間はブログやってる人を積極的に採用するということをしていました。面白いブログを書いている人、いいデザインのブログを書いている人などに入っていただき、そういう人たちがクリエイターとしても活躍していくという。そのときの雰囲気に近いものを感じましたね。


──確かに。作っている人だからこそわかる感覚みたいなもの、価値観みたいなものはカルチャーと一緒に仕事をするうえで大事ですよね。

ケンタロ:我々は、いままでWeb側だったので、逆に言うと3Dであったり、メタバース、VRであったりをやっている人たちに、むしろ合わせていかなければいけない。会社としてカルチャーをそっち側に寄せていかなければいけないフェーズに入ってきたなとは考えています。


──メタバース推進室も設立されましたが、今後メタバース関連でどういう風に事業展開をしていこうというお話はすでにありますか?

ケンタロ まだ明確には。走りながら面白いことをやっていこうというところですね。この採用イベントもその一環として受け取っていただけると。もちろん、「SUZURI」としてデジタルコンテンツに力を入れていくという部分については2年ほど前から取り組み始めていて、これからも継続していきます。とはいえ、僕たちのビジネスのメインはストック型で、よりインフラ的なものを担ってきた自覚があるので、そういった領域でも何かチャレンジしてみたいなという風には考えています。


──今後、メタバース説明会の定番化や、もっとこんな試みを採用×メタバースでやっていきたいというような気持ちはありますか?

ケンタロ:まだ、今回の反響であったり、実際何人が採用に繋がったのかだったりは未知数なので、トライアルで一度行ってみて考えていきたいなと思っています。一方で、今回初お披露目したオリジナルワールドについては、もっと有効活用していったり、さらにエリアを拡張していったりと、いろんなことをしたいというアイディアが出ております。

いずれにしても、今日来ていただいた人や興味を持っていただいた人たちに、何か新しい若い風を吹かしてもらいたいですね。

(TEXT by アシュトン


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