4月16日、新作トレーディングカードゲーム「Xross Stars」(略称:クロスタ)が発表されました。VTuberやストリーマーなどが登場するTCGで、株式会社Brave group子会社の株式会社Game & Co.と、プロeスポーツチーム「Crazy Raccoon」運営の株式会社Samurai工房の共同事業として運営されます。
4人のタレントとともに勝利を目指せ!
カジュアルでもガチでも楽しめるTCG
「Xross Stars」は、VTuber、ストリーマー、eスポーツ選手など、様々な領域で活動するタレントたちのカードでチームを組み、勝利を目指していく対戦型TCGです。デジタルカードゲームではなく、印刷されたフィジカルなカードゲームです。
プレイヤーは、タレントが描かれた「リーダーカード」4枚と、50枚のカードで構成されたデッキを編成。デッキには、リーダーカードが攻撃を行う「アタックカード」や、様々な補助効果をもたらす「メモリアカード」などが組み込まれており、これらを駆使して相手のリーダーカードを攻撃し、全員倒すことができれば勝利となります。
リーダーカードはお互いに最初に4枚を場に公開。編成はプレイヤーの自由です。自分の好きなタレントを起用するのはもちろん、リーダーカードには相手リーダーを倒すと発動する「覚醒」効果が存在するため、それらの性能を見越した起用も考えられます。
ちなみに、リーダーカードは両面印刷となっており、「覚醒」効果発動時にはカードを裏返します。イラストも変化するため、推しを使っていると自然とテンションが上がるはず。
プロeスポーツチームである「Crazy Raccoon」が運営に関わることもあり、「Xross Stars」は競技性も意識したゲームデザインになっているとのこと。一方、気軽に遊びたい層にも届けるべく、対戦ルールには競技向けの「フルマッチ」と、お手軽に楽しめる「クイックマッチ」が存在します。
「フルマッチ」は2ラウンド先取ルールで、リーダーカードの覚醒状態をラウンド間で引き継ぐ戦略的な要素も組み込まれています。一方「クイックマッチ」は1ラウンド先取で、10分程度で終わるシンプルなものになっているそうです。
競技性のあるゲームであると同時に、各タレントのファングッズも兼ねるべく、レアリティの高いカードはラメ印刷や立体感のある手触りなど、非常にリッチな仕上がりになっています。また、「アタックカード」や「メモリアカード」は、タレントの配信などのエピソードがモチーフになっているものも多く、ファンであるほどニヤリとさせられる逸品になっているのだとか。
「手元に残る思い出」として、あえて挑む紙のカードゲーム
「Xross Stars」の発案は、「Crazy Raccoon」のおじじこと、高野大知さんによるものだそう。もともとは、ややギャグ寄りの「じゃんけんカード」くらいのものだったそうですが、ちゃんとしたカードゲームを作りたいと思い、Game & Co.などの手を借りて現在の形に至ったとのことです。
その立役者である「Xross Stars」のプロデューサーを務めるGame & Co.の久保敦俊さんは、VTuber事業の経験に加え、カードゲームのプロプレイヤーだった過去もある人物。自身の知見だけでなく、ゲーム設計には「マジック・ザ・ギャザリング」の殿堂入りプレイヤー・八十岡翔太さんも関わっているらしく、ゲームとしてのおもしろさと競技性にも相当に力を入れていることが伝わります。
一方で、なぜ「紙のカード」にしたかが気になる人も多いはず。「なぜデジタルではなくフィジカルなカードゲームにしたのか」と筆者から質問したところ、久保さんからは「挑戦的な取り組みだと思う」と前置きしつつ、「インターネットを中心に活動するタレントの記録は、膨大なデータの中で埋もれやすい。なので、手元に物理的に残せるもののほうが、我々の業界の未来が広がるのではと考えています」といったコメントをいただきました。
たしかに、VTuberなどの配信者の「日々の活躍」は、切り抜き動画などで後追いはできるものの、切り抜きの数自体も非常に多いため、より大きな話題に流されやすく、忘れてしまいがちです。その意味では、TCGという形で手元に残っていたほうが、彼らの活躍を振り返りやすく、人にも伝えやすい、と言えそうです。当然ながら、そこにコレクティブなグッズとしての価値が宿るでしょう。
8月にスターターデッキ&第1弾ブースターパック発売!
「Xross Stars」は、2025年8月にスターターデッキ「初の栄冠」と「魔王降臨」、および第1弾ブースターパック「Luminous Daybreak」が発売予定です。スターターデッキは各1650円、ブースターパックは1パック(8枚入り)440円、1ボックス(12パック入り)5280円です。
第1弾では、「ぶいすぽっ!」、「Neo-Porte」、「Crazy Raccoon」より24名のタレントが登場予定。スターターデッキとブースターパックをあわせて、150種類以上の描きおろしイラストが採用されているとのことです。また、全国で体験会の開催も予定しているほか、発売後は大会開催も計画されています。
ちなみに、「Xross Stars」からは今後も様々なタレントが登場予定とのこと。久保さんは質疑応答の中で、採用されるタレントには「ジャンルに制限はないものの、ストーリーは重視したい」としつつも、今後の展開については「想像は超えられるはず」と語りました。VTuberだけでなく、インターネットカルチャーで活躍するタレントが垣根を超えて集まる新たなプロジェクトは、どのように進化を遂げていくでしょうか。
(TEXT by 浅田カズラ)