メタバースイベントコミュニティ「CLUSTARS」は、2025年3月18日にメタバースプラットフォーム「cluster」にて、NFTプロジェクト「CryptoMaids」のコミュニティマネージャー Yukiさんをお招きし、公開インタビューを実施しました。
今回の記事では、3年以上継続しているNFTコミュニティの特徴やNFT×メタバースの未来についてインタビューの模様をお伝えします。
目次
回答者・コミュニティ紹介
●Yuki さん
YukiさんはNFTプロジェクト「CryptoMaids」のコミュニティマネージャー(盛り上げ隊長)を務めています。「CryptoMaids」プロジェクトの初期から運営に携わっており、メタバース空間を中心にイベント企画やコミュニティを運営しています。さらに、バーチャルアイドルグループ「YUKI CAFE MAIDS」のメンバーとしても活動中です。
●NFTコミュニティ「CryptoMaids」
CryptoMaidsは、「戦闘用メイドサイボーグ」をコンセプトにした日本発のジェネレーティブNFTプロジェクトです。2021年頃に、海外を中心に盛り上がりを見せていたNFTプロジェクトに着目したNeo氏(CryptoMaidsのリーダー)が、「日本独自のカルチャーとWeb3を融合させて何か挑戦をしたい」という想いからスタートしたプロジェクトです。
「CryptoMaids」とは? ~変化する戦闘メイドNFTの魅力~
CryptoMaidsの設立
「CryptoMaids」は「戦闘用メイドサイボーグ」をコンセプトにした、日本発のジェネレーティブNFTプロジェクトです。
ジェネレーティブNFTとは
NFT「Non-Fungible Token」(非代替性トークン)はスマートコントラクト(自動契約処理プログラム)により管理され、世界で1つしかないデジタルデータのことです。NFTの仕組みを使うことで固有の識別情報(所有権)を持つデジタルデータを作り出せます。
ジェネレーティブNFTとは、NFTとアルゴリズム(コンピュータープログラム)を使用して生成するユニークなNFTアート作品を指しています。その特徴を生かしてアート、音楽、ゲームアイテム、動画などのデジタルデータに価値や所有権を付加することができる技術・手法です。
変化する戦闘用メイドサイボーグNFT
CryptoMaidsのNFTは、最初ドット絵の姿をしていますが、覚醒(Awaken)というプロセスを経ることで高解像度イラスト(覚醒後の姿)に姿が変化します。
この「変化するNFT」という仕組みは、単なるデジタルアートとしてだけでなく、成長や変化を楽しむことができる変化するNFTとして当時から注目されていました。YukiさんもCryptoMaids開発部のことを「すごい!」と賞賛していました。
CryptoMaidsの設立と“1週間”のはずだった始まり
CryptoMaidsはNeo氏によってプロジェクトが立ち上げられました。
海外NFTプロジェクトの盛り上がりに影響を受け、「日本独自のカルチャーとWeb3 を融合させた挑戦をしたい」という強い思いから始まりました。
Yukiさんはプロジェクト立ち上げ時に「1週間だけ力を貸して欲しい」と言われ参加したそうです。このNFTプロジェクトは短期間で立ち上げ、資金を集めて成果を出す“短期決戦型”のプロジェクトを想定していたからです。
そんなCryptoMaidsは現在設立から3年が経過しており、長く続くNFTコミュニティとして現在も成長しています。
CryptoMaids流「NFTコミュニティ」の心地よさ
一般的にNFTコミュニティは多くの場合、NFTのユーティリティ(特典や使い道)、今後の価値、市場動向などのNFTに関する情報交換を目的としたコミュニティになります。その結果、投資的な側面から殺伐とした雰囲気となることがあります。その一方、CryptoMaidsはNFTに関する情報交換だけに留まらず。むしろそれ以上に、ゲーム、漫画、イベント、日常の話題など、NFTだけに関わらずメンバー同士がゆるく、自由に温かく交流するコミュニティーに成長しています。
Yukiさんによると、CryptoMaidsでは面白いゲームとか漫画とかイベントとか食べ物とかダイエットしたかしてないかとか、NFTだけでなく日ごろの些細な話など和気あいあいとした会話が繰り広げられるコミュニティになっていると教えてくれました。その結果、コミュニティ内で何か険悪なムードや怒っている人が現れても周りのみなが「大丈夫?」と優しく声を掛け合い、大きなトラブルになることもなく穏やかに収拾する心温かいコミュニティメンバーが集まる居場所になっているようです。
今回のインタビューにもCryptoMaidsのメンバーが応援に駆けつけており、実際Yukiさんが資料の準備を忘れるというハプニングがあった際には「またやってるよ、って感じで(笑)。基本みんな許してくれるんです。だから成長しないという…」と語っており、失敗も受け入れてくれる気兼ねない雰囲気が出来上がっていることが伝わってきました。CryptoMaidsのコミュニティは、NFTという共通項がありつつも、それだけに縛られることなくメンバーがみんな好きなことを共有し、温かい居場所としてコミュニティが成長してきた結果だと感じられました。
メタバース(cluster)での活動:アイドルから英会話まで
CryptoMaidsは、現在メタバースプラットフォーム「cluster」でも活動の場を広げています。プロジェクト設立当初はファンアートコンテストやNFTのNFTのエアドロップ(Airdrop)やギブアウェイ(Giveaway、いずれもNFTを無料配布する企画のこと)など、NFTプロジェクトらしい活動が中心でしたが、現在はclusterなどを活用して多様な活動を展開しています。
cluster内での活動
clusterでは主に「YUKI CAFE MAIDS(ユキカフェメイズ)」としてアイドル活動をしています。アイドル活動は元々CryptoMaidsのコミュニティメンバーであるKoen先生という方がCryptoMaidsの二次創作活動として立ち上げたものから始まりました。YUKI CAFE MAIDSで使用しているミュージックビデオやワールド(会場)などはKoen先生が制作しているそうです。
YUKI CAFE MAIDSはcluster内でライブイベントを定期的に開催しているほか、ミュージックビデオの上映やファンとの交流、CryptoMaidsの他の活動で活躍している方をゲストに迎えた企画などのイベントを開催しています。
アイドル活動以外には由宇霧さんというVTuberの方と協力してメタバース内で学ぶ英会話プログラム「メタ英GO」、Yukiさん個人によるマンツーマンの英会話レッスン「ユキングリッシュ」も開始しており活動の幅は今も広がり続けています。
コミュニティが花開かせる二次創作文化
CryptoMaidsには二次創作を歓迎しているという特徴があります。ガイドラインの範囲内であれば、CryptoMaidsファンによる二次創作活動や、それによる商用利用(収益化)も歓迎されています。
CryptoMaidsから着想を得て、いろんな絵を描いたりストーリーを作ったりと「何をしてもオッケーです!」とインタビュー中に何度も熱弁していました。二次創作、商用利用などが歓迎されている理由は、元々クリエイターの方を何かサポートしたいというCryptoMaids設立時の一つの理想が関係しています。
二次創作を歓迎する文化から、実際に様々なクリエイティブな活動が生まれています。例えば、コミュニティメンバーの大川先生がCryptoMaidsの世界観を元に執筆している小説「BIG LOVE GEEKS」これは記事執筆時点でSEASON 00~03が実際にAmazonのKindle本が出品されているほか、コミュニティのDiscord内ではSEASON 04が一部公開されています。さらに、先ほど話題にも取り上げたバーチャルアイドルグループ「YUKI CAFE MAIDS」。このグループも実はコミュニティメンバーのKoen先生の二次創作から誕生しており、アバター制作、楽曲・MV制作、ライブワールド制作までを手がけています。現在はcluster内でYukiさんたちアイドルメンバーが様々な活動をしてます。
CryptoMaidsの初期からの「クリエイターを支援したいという」想いが、実際に様々な形でコミュニティメンバーの活動に繋がっていることは素晴らしいことですよね。
3年間の活動で感じた喜びとメンバーへの想い
3年以上活動を継続していて嬉しかったことについてお聞きしました。
Yukiさんはインタビューで「NFTに昔からいらっしゃる方に『よくこんなに長くやってるプロジェクトなかなかないよ』って言われる時、嬉しくなっちゃいますね」と語っていました。どうしてもNFTコミュニティは長くやるにつれて人が減っていく現状です。しかし、今回のようなインタビューイベントやるよ、と声をかけた時に会場に足を運んで見守ってくれたり(会場に来て固まって座ってくれるCryptoMaidsメンバーのみなさん)、毎週イベントに顔を出してくれる方、新しいイベントやるよと声を掛けたら「じゃあとりあえず行ってみよっか」と言ってイベントに参加してくれる。そんなメンバーの皆さんがとてもいい人たちで、素晴らしいコミュニティーが作り上げられていると語っていました。とても温かい人の輪ができていることが伝わってきました。
メタバースとNFTのこれから
メタバースとNFTの関係性や今後の可能性について追加で質問しました。質問を受けたYukiさんは会場のコミュニティメンバーからの温かい(?)視線を感じつつ、Yukiさん自身の考えを話してくれました。……ちなみにそれを見たYukiさんは「多分クリプトメイズの皆さんがこっちをすっごく心配そうな(顔で)見てるのがアバターなのにわかる(笑)」と言いながらも真剣に回答してくれました。
Yukiさんから見て「この世界は新しいもの好きがたくさんいると感じている」と語ります。
NFTをやっている人たちも、今後注目されている「Web3」や「NFT」と言った新しい技術を使い、新しいことを始めたいと話していた。だから、そういった新しいもの好きという点でNFTもメタバースも親和性があると感じていると答えてくれました。さらに、メタバースにNFTが組み合わさると、新しい世界へのチケットのようにメタバースでの人気や活動が起点となってNFTの技術を利用できるのではないか。例えば、アイドルのチェキのようなグッズやサインといった、デジタル世界のものに活用していくことが出来るんじゃないかと教えてくれました。メタバースとNFTが組み合わさることでNFT市場も改めて活性化していく可能性が見えてきますね!
NFTを安全に始めるには?
NFTに興味を持った人へ向けて
そんなNFTの世界にも注意点があります。ここまでの話を聞いてNFTに興味を抱いた方へ、いざ始めようと思った時の注意点を教えてくれました。
NFTに関して調べていると、そのサイトや書かれている内容が正しいものなのか、中にはクリックすると悪意のあるサイトに繋り、資産が盗まれたりする危険なリンクが含まれていることもあるそうです。それがNFT系の怖い側面でもあるとのこと。その解決法としては「CryptoMaidsのDiscordに来ること!」とのことです。
これは単なる冗談じゃなく、NFTのコミュニティとして3年以上も続いている場所。なので、当然NFT覇者と呼ばれるようなとても情報に詳しい人達もコミュニティメンバーとして在籍しています。だからこそ、何が正しいのか、どうしたら安全にNFTに触れることができるのか、といったノウハウがたくさん蓄積されています。一人で始めるのではなく、CryptoMaidsのように既存のNFTコミュニティに入ることで安全にかつ正確な情報に触れつつNFTを楽しむことが大切です!
インタビューを終えて
今回のインタビューではNFTプロジェクト「CryptoMaids」のコミュニティーマネージャーYukiさんをお招きして、NFTコミュニティーとは何か、メタバースとNFTの関係性や未来についていろいろとお話を聞かせてもらいました。
NFTコミュニティーとして3年間継続しているからこそ築き上げることができているコミュニティーの雰囲気やメンバーの人たち、また変化する世界の中でclusterというメタバースの世界をはじめとした場所で活躍するコミュニティメンバーの皆さんのお話を聞くことができました。
もしこれからNFTに興味を持った人が居れば、ぜひ一度「CryptoMaids」のコミュニティを覗いてみてはいかがでしょうか?きっと今回のインタビューでは語りきれなかったいろいろな情報やお話、ノウハウがたくさん詰まった、そして和気あいあいとしたコミュニティがあなたを迎え入れてくれると思います。今回インタビューにご協力いただいたYukiさん、本当にありがとうございました!
ライターのあとがき
今回ライターを務めさせてもらったことはしろです。普段、私はメタバースの世界に出入りして日々を過ごしています。正直NFTと聞くと少し遠い世界の話だと思っていましたし、どうしても資産やお金といったイメージを持ってしまいます。ですが今回「CryptoMaids」のYukiさんのお話を聞いたり、会場に集まっているコミュニティメンバーの人たちの様子を見ていて本当に仲のいい思いやりのあるコミュニティーなのだなと感じました。私もメタバースの世界という新しいもの好きが集まる世界に身を置いているので、食べず嫌いをするのではなくいろいろと触れてみるのもいいのかなと改めて思いました。それではまたどこかでお会いしましょう。
スタッフクレジット
・主催:CLUSTARS(公式サイト)
・協力:PANORA
・インタビュー回答者:Yuki
・イベントMC:まつりぴ
・ライティング:ことはしろ
・カメラマン:つゆあさぎ
・イベントサムネイル:LuAr
・記事校正:Komei Kobayashi
・プロデューサー:由宇霧、ずんだ
・スタッフ統括:sun
*連載一覧はこちら → CLUSTARSコラボ連載