カバー・谷郷氏に聞く「ホロライブ、相次ぐ卒業についてどう思う?」

LINEで送る
Pocket

VTuber事務所「ホロライブ プロダクション」を運営するカバーは13日、メディア向けに決算説明会を開催した。2025年3月期の業績について、売上高が434億100万円(前年同期比+43.9%)、売上総利益が218億500万円(同+55.9%)、営業利益が80億100万円(同+44.5%)、純利益が55億5900万円(同+34.4%)と大きな成長を見せたことを明らかにしている(決算説明会資料)。

サービス別では以下の割合になっており、売上高に占めるボリューム、成長率ともにマーチャンダイジング(グッズ)が売上の柱になっていることがわかる。決算資料では、2024年9月に発売したトレーディングカードゲーム「hololive OFFICIAL CARD GAME」が想定を超える販売実績を記録したと解説している。

・配信/コンテンツ:93億2300万円(同+21.9%)
・ライブ/イベント:77億9300万円(同+39.1%)
・マーチャンダイジング:205億3900万円(同+64.6%)
・ライセンス/タイアップ:57億4400万円(同+29.4%)

興味深いところでは、コストの「演者報酬」で2025年3月期は57億2900万円費やしていることがわかる。ぜひ決算資料を読み込んでみよう


説明会にて、所属タレントの卒業が相次いでいることについて質問したところ、「YAGOO」の愛称でファンに親しまれている代表取締役社長・谷郷元昭氏が言葉を選びながら以下のように回答してくれた。

谷郷氏 そうですね、やはりVTuberというのもプロダクションの運営が始まってから期間がだいぶ経っているということですね。2018年からホロライブ1期生が始まって、もう6年ぐらい経ってきている中で、やっぱりタレントさん各位のキャリアプランだったり、人生設計だったりというのが発生するタイミングなのかなと思っております。それぞれタレントさんに個別の理由があるのだと思っておりまして、同じ理由で卒業されるみたいなことではないという理解ではあります。

ただ、やはり我々自体も事業の成長に注力していかなければならなかった、それはタレントさんをサポートするために例えばマーチャンダイジングだったり、ライセンスだったり、営業だったりの体制を整えるところにリソースをさかなければいけなかったところが、この4月以降の経営体制の変更によって私はかなりフリーで動けるようになりますので、それでクリエイターさん一人一人が今どういうことをやられているのか、より向き合える体制になってきているのかなと思っています。

色々個別の事情はあっても、可能であれば我々一緒にパートナーとしてやっていけるといいなと思っていますので、そういうコミュニケーションのすれ違いによって辞められるということが発生しないように、我々もやはりタレントさんのニーズによって会社も成長していくと思っていますので、こういうコミュニケーションを強化しながらタレントさんの成長に応えられるような会社になれるように改変を進めている状況です。

──谷郷さんが直でタレントさんとコミュニケーションを取るという感じでしょうか?

谷郷氏 基本的に外に出ている情報で、タレントさんも配信で話されていますが、私が直接話しているという状況ですね。これは我々基本的には「B2B2C」という業態だと思いますので、タレントさんがパートナーでファーストクライアントであるという性質上、例えばZOZOTOWNさんや楽天さんなどのビジネスでも、主力なクライアントさんとは当然トップがコミュニケーションされているのかなと思います。我々もそう言った形で、私がコミュニケーションを行っています。

(TEXT by Minoru Hirota

 
 
●関連リンク
決算説明会資料(PDF)
ホロライブ プロダクション
カバー