
VTuber/作家バーチャル美少女ねむとスイスの人類学者リュドミラ・ブレディキナによる研究ユニット「Nem x Mila(ねむみら)」は13日、ソーシャルVRユーザーの経済活動に関する84Pに及ぶ大規模調査レポート「メタバース経済:ソーシャルVRライフスタイル調査2025」を無償公開(日本語 / 英語)。
また、10月26日 (日) 18時からは、本調査を実施した研究ユニット「Nem x Mila」がYouTube Liveでメタバースから調査報告会を実施。今回の調査結果ではプラットフォームによる経済行動の違いが大きく見られたため、Resoniteのヘビーユーザーである「orange」さん、clusterのヘビーユーザーである「おはよう真夜中」さんをゲストとして招き、その違いをもたらした要因が何なのか徹底討論を行う予定とのこと。
「メタバース経済:ソーシャルVRライフスタイル調査2025」第1章ではユーザープロファイルについて述べられている。プラットフォームはVRChatが首位を維持している一方、ヨーロッパではResoniteが大きく躍進。ユーザーの約半数が正社員で上流階層は少ないという調査結果が出ている。

第2章「メタバースでの支出」では、デバイス支出やコンテンツ支出について触れており、フルトラッキング機器を買ったユーザーは50%を超え、コンテンツ支出金額はプレイ頻度・プレイ時間と相関関係があり、毎日プレイするユーザーでは約50%に達しているという結果に。
第3章では、バーチャルアイテムを全体の35%が累計50以上のアイテムを購入していることや、全体の30%が1ヶ月間に10以上のアバターを使用していたなど「バーチャルアイテムの消費」について触れている。

第4章ではユーザーの収入額、収入種別など「メタバースでの収入」の調査。全体の30%が収入があり、clusterにおいてはVRイベントで収益を得ている人も多いという結果に。
第5章は「プラットフォーム内課金によるイベント」に関する調査。「プラットフォームを維持するため 」「支払いが楽だから 」などの賛成意見、「支払い方法は自由に選べるべき 」「プラットフォーム手数料を避けるため 」「リアルマネーで支払われるべき 」などの反対意見、賛否両論する意見が挙がった。
第6章では「メタバース経済の未来」について触れており、全体の85%がメタバース経済の拡大を予想していることや、全体の80%がメタバース経済にポジティブであるなどの調査結果となった。
●調査概要
・目的:ソーシャルVRのユーザーの経済活動の在り方について理解を深めること
・対象:VRヘッドマウントディスプレイを用いて、ソーシャルVR (VRChat、Resonite、cluster、バーチャルキャストなど) を直近1年以内に5回以上使ったユーザー (デスクトップ・スマホからのみの利用者は今回は対象外)
・方法:2025年7月28日~8月16日、 日本語・英語でのGoogleフォームによる公開アンケート
・募集:日本語・英語でプレスリリースを発行。各種メディア・関連コミュニティ経由で拡散
・運営:研究ユニット「Nem x Mila」
・回答数:901件(日本、北米、ヨーロッパ、ほか)
●公式サポーター
・IMMERSIVE WIRE
メタバースや空間コンピューティングに関する情報を発信する英国を拠点とする Web メディア。
・ICXR(Intercollegiate XR)
学生主導のXRクラブ同士の連携、キャリア開発、相互支援、教育促進を目的とした、世界有数の大学間エクステンデッド・リアリティ(XR)コミュニティ。世界中の35を超える大学が加盟し拡大を続けている。
・Armani’s Parlour
現実と仮想の境界を越えた好奇心を称えるコミュニティ。好奇心の赴くまま、ソーシャルVRの風変わりな側面や、人類が仮想現実の内外にもたらす文化について探求する。
・PANORA
「日本にVRを広める」をミッションとする日本初のVR専門ニュースメディア。
・HIKKY
メタバース上で世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット(Vket)」を企画・運営。
・VRアジト
TGS2022でDiscord社おすすめサーバーに選ばれた、MyDearestによるVRコミュニティ。
・ブイノス
「Vの者がVのまま社会参画できる未来」を目指す実践検証組織。
●Nem x Mila「ソーシャルVRライフスタイル調査」シリーズ
「メタバース経済」はスイスの人類学者ミラとVTuber/作家バーチャル美少女ねむがVTuberやメタバースが人類に与える影響を調査するために結成した研究ユニット「Nem x Mila(ねむみら)」による大規模調査プロジェクト「ソーシャルVRライフスタイル調査」シリーズの第6弾。
これまでの6回に渡る調査の総回答数は6000件を超える。2023年には国際連合の国際会議「IGF京都2023」でも活動について登壇発表を行った。
・メタバースでのアイデンティティ(Nem x Mila, 2024)
・ソーシャルVRライフスタイル調査2023 (Nem x Mila, 2023)
・メタバースでのハラスメント (Nem x Mila, 2022)
・ソーシャルVR国勢調査2021 (Nem x Mila, 2021)
・新型コロナはバーチャルコミュニケーションを加速したか (Nem x Mila, 2020)
●リュドミラ・ブレディキナ
スイスの博士課程在籍の学生。通称ミラ。
2022年に「バ美肉」「VTuber」に関する修士論文でジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル」(ジェンダー賞)を受賞。 2024年にはNHK「最深日本研究」で密着ドキュメンタリーが放送。
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●バーチャル美少女ねむ
日本のVTuber/作家で、メタバース文化エバンジェリスト。HTC公式VIVEアンバサダー。
2022年に解説書「メタバース進化論(技術評論社)」を出版。「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門で大賞を受賞。
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●公式アドバイザー:経済学者・井上智洋氏
経済学者。駒澤大学経済学部准教授。慶應義塾大学SFC研究所研究員。 専門はマクロ経済学。特に人工知能(AI)の進化が雇用に与える影響を研究している。著作に「メタバースと経済の未来(文春新書)」。
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