シャニマス・ストレイライト単独ライブ初日レポート 現在進行形で最強を学習するロボットは生命を帯びるか

LINEで送る
Pocket

283プロダクションのユニット「Straylight」(ストレイライト)による単独ライブ「283 Production XXXX Performance XXX= S/N-GUL4R1TY」(シンギュラリティ)の最初の公演「// 0x01; initialize()」が2026年4月11日(土)に幕張イベントホール(千葉県千葉市)で開催された(公演冒頭の無料配信はこちら)。

ゲームやアニメなどで展開される「アイドルマスター シャイニーカラーズ」の舞台となるアイドル事務所。「283」と書いて「ツバサ」と読む。以下「283プロ」。

ストレイライトは芹沢あさひ(せりざわ あさひ)さん、黛冬優子(まゆずみ ふゆこ)さん、和泉愛依(いずみ めい)さんの3名によるユニット。さらに本ライブのキャストとして、「ALEV-1」(アレーヴ ワン)なるロボットの名前もクレジットされている。

本ライブのキービジュアル。左から芹沢あさひさん、黛冬優子さん、和泉愛依さん

本稿では、最強を目指し続けるユニット・ストレイライトと、現場での学習を経て完璧なライブを実現させ、生命であることを目指すロボット・ALEV-1による、パフォーマンスと実験を兼ねた公演の1日目の様子をレポートする。


「無機質な機械は生命足りうるか」

ストレイライトを改めて紹介すると、自由奔放ながら天性のセンスを魅せつけるセンターの芹沢さん、キュートで清楚、さらに年長者としてユニットを引っ張る黛さん、クールでミステリアス、それでいて情熱と優しさもあわせもつ和泉さんの3名によるユニットだ。サイバーパンクな世界観で、ハードロックをベースに、時には和テイストや中華風、はたまたデスボイスを織り込んだ楽曲群を操り、フロアを熱狂の渦に巻き込んでいる。

そんな今回のストレイライトの単独ライブでは、事前にテーマとして「無機質な機械は生命足りうるか」というものを発表していた。黛さんの学習パターンをもとにつくられた無機質な機械=ALEV-1は、ストレイライトのライブパフォーマンスや観客の反応といった対話を通じて成長していき、最終的にALEV-1が生命足りうるか判定される、そんなチューリングテストを兼ねたライブでもある。

(架空のものという断り書きがあるものの)入場時にこのような実験同意書が渡された

ステージには4つのポッド状の装置が並ぶ。「観客・出演者の行動からこの空間に生まれる感情の対象物に反応する」とのことで、観客が芹沢さんの赤、黛さんの緑、和泉さんの紫といったメンバーカラーのコンサートライトを振ったり、カメラに向けてメンバーのグッズをアピールすると、メンバーに対応する色に光り、ゲージとして蓄積されていく。そのうちの1台は時折青色に光っていたが、これがALEV-1への反応を示すものだろう。

赤・緑・青・紫のポッド(画像は演出上ゲージがフルになったもの)

開演2分前から始まったカウントダウンが0:00を示すと、会場に現れたヘリコプターから降り立つ演出で、芹沢さん、和泉さん、そして黛さんが登場。

まずは「Wandering Dream Chaser」「Transcending The World」とストレイライトの初期楽曲を披露。この日、幕張の外気温は25度を超えたが、初手からそれに負けないくらいの熱を会場内に巻き起こすパフォーマンスだ。

「Wandering Dream Chaser」
「Transcending The World」

続いて、中華テイストの電脳世界を歌い舞う「Cyber Parkour」、違う方向からながらも熱さなら負けていない283プロのユニット「放課後クライマックスガールズ」との合同曲「迅雷鉄火」と歌い、変化をつけながらも会場のボルテージを上げ続ける。

「Cyber Parkour」
「迅雷鉄火」
多くの楽曲で、客席に向けてのレーザーと照明が舞う演出が行われた

4曲連続のパフォーマンスの後のMCパートでは、「意思と演算の複合創造プロセスによる、実験的ライブステージ」として、人とロボットが一緒に作り上げる形のライブであると説明が行われた。こうして説明している時も、観客の応援に合わせステージに備え付けられたポッドのゲージは上がり続けていた。

続くブロックは、3名のダンスから始まった「Non-Stop DJ メドレー」。「乱舞る」「Reflection」「mellow mellow」「くだらないや​」「We can go now!」「​時限式狂騒ワンダーランド」「After Run」と283プロ所属の各ユニットの楽曲を、ストレイライトの3名から見た各ユニットの特徴を活かしたダンスで盛り上げる。

例えばポップでハッピーなユニット「アルストロメリア」の「mellow mellow」では、キュートな魅力の黛さんがかわいく「クラップいくよ」を呼びかけ、手でハートマークを作り観客をキュンキュンさせた
「乱舞る」
「​時限式狂騒ワンダーランド」

「After Run」から繋ぐように始まった特殊ロングイントロで、それぞれのパフォーマンスの特徴を生かしたソロダンスと息の合ったユニットダンスを魅せる3名。「EVERYBODY」という芹沢さんの叫びから始まった「LIVE LIVE LIVE!」は、ラップパートも含めて会場を沸かせてDJメドレーを締めくくった。

ここでいったん3名が退場し、インターバルの映像演出へ。3名のメンバーカラーの泡が散ったり集まったりとするCGの後はここが実験室であるようなイメージを喚起させる。そしてストレイライト3名のプロフィールに続いて、ALEV-1のプロフィールが映し出されると、観客は歓声で応えた。

衣装を変え、せり上がったカプセルから出てきた3名は、頭を押さえながらステージに上がる。

舞台下からキャストを登場・退場させる”せり”もカプセルの形状をしており、ここが研究所であるかのように思わせてくれる

そこで歌われる楽曲「Borderline」は、境界線を揺らし壊し、新しい世界へ踏み出していく挑戦的な楽曲だ。

Cメロの終わり、舞台奥のスクリーンに映るコマンドラインでコマンドが実行された時、センターステージに呼び出されたのは、フード付きの白いコートを着た1体のロボット。そう。ALEV-1だ。ALEV-1は3名のダンスにあわせ、一緒にダンスを行う。

センターステージでストレイライトと同じように踊る ALEV-1 (左手前)
3名と1体のパフォーマンスとそれに対する観客の応援に合わせ、舞台に置かれたポッドのゲージがあがっていく

続いて、1体でダンスを行った後、「私はロボット」「私は人間を学習します」「私はストレイライトを学習します」「私は黛冬優子を学習します」と機械音声にて宣言するALEV-1。

ここでステージに現れたのは黛さん。黛さんとの対話の中で、ALEV-1は「完璧なロボットとなり、完璧なライブを実行します」「完璧なロボットが生命であることを証明すること」と自分の存在理由を述べる。

黛さんと対話するALEV-1(右手前)。なお ALEV-1 は公式サイトの制作やライブ演出の提案なども行っているとのこと

黛さんのことを「冬優子」と呼ぶALEV-1。だが、対話の中で「(黛さんの愛称である)ふゆって呼んでほしいな」とお願いをすると、ALEV-1は学習し「ふゆ」と呼ぶように。

そんな発言をするALEV-1に対し、完璧で最強になる、それがストレイライトだと、ステージにあがった芹沢さんと和泉さんは告げる。黛さんが「一緒に楽しいライブにしようね」と話しかけて歌ったのは、巨大ロボとの共闘をイメージした「Tracing Defender」だ。

歌唱が終わると、黛さんのアバターをまとうALEV-1がステージのモニターに現れた。「私は、ストレイライトの”Tracing”を開始します」と宣言して始まったのは、あらためての「Tracing Defender」。黛さんと、黛さんの形だけでなく動きもトレースをしたALEV-1によるパフォーマンスが行われた。

黛さんと息を合わせたようにシンメトリーの動きをする、モニターの中の黛さんのアバターをまとうALEV-1
なお、和泉さんはMC中に、完璧にトレースしたと告げるALEV-1に、「完璧って、間違わないことじゃないと思う」と疑問を呈した

和泉さんは「ONE STAR」、芹沢さんは「Destined Riva」を、オリジナルと異なりソロでパフォーマンスを行う。

黛さんは、SNSでも話題になった自身のソロ曲「SOS」で、ストレイライトが目指す最強とは異なる、最強のかわいさをアピールする。

そんな黛さんの両隣に、ポップアップで飛び出した芹沢さんと和泉さん。3名揃ったストレイライトが披露したのは、「Timeless Shooting Star」。「進化続けるAIの支配下で 真価問われるHuman」という歌詞はALEV-1への挑戦状か。

このブロックでパフォーマンスした楽曲に対し、それぞれの想いを語る3名。そこに現れたモニターの中のALEV-1は、黛さんの投げキッスや「イエーイ」という観客への煽りもトレースし、実行できるようになっていた。

そんな中、「受け取れてるかな、想い」とつぶやく和泉さん

「Overdrive Emotion」でライブ終盤に向けてアクセル全開で突き進む3名。途中でALEV-1が加わり、ダンスだけでなくソロ歌唱にも挑戦し、実地での学習もスピードを上げていく。

MCパートでも黛さんをトレースするも、「私はまだ完璧ではありません」と未だ発展途上であることも認めるALEV-1。そんなALEV-1に、人間らしい対応を教えるストレイライトであった。

本日のライブパフォーマンスを終えたALEV-1が退場したのち、「私たちは誰にも負けない」と改めて誓うストレイライトの3名が披露したのは、ここで初披露となる新曲「One Live One Love」だ。高みを目指し続けることを歌う詞ではあるが、ストレイライトには珍しいミドルテンポの楽曲は、勢いだけで先へ進むだけではなく、これまでの積み重ねを踏まえての誓いのように聞こえた。

新曲の披露を終えストレイライトの3名が退場すると、ALEV-1の音声が会場に響く。機械音に近い声で「私は完璧なライブを実行します」と喋っていたのが、次第に女性の声に近づき、最終的には「私は完璧に到達します」と、黛さんと同じ声で述べた。

(事前のMCで芹沢さんが口を滑らせていた)アンコールの1曲目は、3名で歌う「Resonance⁺」。「混ざり合えない色にさえ きっと意味があるんだ 完璧じゃないグラデーション それでもいいんだ」と歌うこの楽曲を、ストレイライトの3名はどのような気持ちを込めて歌ったのか。そしてALEV-1には聞こえていたのか。

本日最後のMCコーナーで、和泉さんはクールに、それでいてウインクも決めて感謝を伝えると会場から歓声が沸き起こる。芹沢さんはこの日の来場者に明日の方がすごいと口にしてしまうが、黛さんと和泉さんのフォローを受けながら、ストレイライトは常に最強であり、そんな彼女らのライブを楽しんでいってほしいと言う。黛さんも来場者と配信視聴者にお礼も言うが、MCの途中で次の曲のイントロが流れてしまう。観客に違和感を抱かせるも、黛さんは歌い出しまでにきれいにコメントをまとめると、デスボイスの煽りが特徴的な「Start up Stand up」を披露。続いて、和ロックテイストの「Hide & Attack」を能面が浮かぶCGをバックに歌い、本日のライブを終えた。

「Hide & Attack」

なお、退場を促すアナウンスは、再び機械音声でのALEV-1が行った。また、センターステージにロボット形態のALEV-1が登場し、会場の各方面を向きながら礼をしており、その姿に客席から歓声と拍手が沸き起こっていた。

完璧なライブをすることで生命であることを証明しようとするALEV-1。ライブを共にする仲間であるALEV-1に対し、パフォーマンスする背中を見せることで学習を促し、しかし時折その方向性に疑問を抱くストレイライトの3名。

ステージ上のポッドに映し出されるゲージは、現時点でまだ最大値の半分にも満たない。 ALEV-1を見守るストレイライトと観客は、 無機質なロボット・ALEV-1をどのように進化をさせ、そして生命を感じたと判断するのか。

本ライブは4月12日に開催される2回の公演を残している。PANORAでは、その行く末もレポートしていく予定だ。

「// 0x01; initialize()」公演のセットリストは下記の通り。

本公演はYouTubeで冒頭4曲と最初のMCまでが無料配信されている。また、本編は2026年5月17日(日)までアーカイブ配信されている。


(TEXT by tabata hideki

©窪岡俊之 THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.


●関連リンク
283 Production XXXX Performance XXX= S/N-GUL4R1TY