STYLYが個人向けHMDアプリを段階終了 今後はLBE・スマホARへ集中へ

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STYLYは7月8日、個人向けVR・HMDアプリの配信停止と、HMD用アプリ/セッション機能の終了を発表した。

今後は施設・法人向けの没入型体験需要の拡大や、スマートフォン、Webブラウザを通じた空間表現の定着を背景に、開発リソースをLBE(ロケーションベースド・エンターテインメント)とスマートフォンAR領域へ集中させるという。

発表によれば、2026年8月末にMeta Questシリーズ、Steam、PICO 4、VIVEPORT、XREALなどのHMD向けストアアプリ配信を停止する。2026年内にはSTYLY Studioの機能範囲を順次変更し、2027年3月末予定でHMD用アプリとセッション機能を完全終了する。作成済みのシーンやセッションも、同日以降はHMDで利用できなくなる。

一方で、STYLY Mobile App、STYLY for Vision Pro、STYLY Studio/Galleryでのブラウザ制作・Webビュー、STYLY WebARは継続して提供される。2027年3月末まではAPKファイルによるインストールも可能だが、同月末以降はAPKでインストールしたアプリも利用できなくなる。

STYLYは2017年のサービス開始以来、「XR制作の民主化」を掲げ、ブラウザベースの制作環境と配信基盤を通じて、個人クリエイターがVR/AR空間を制作し、発表する場を広げてきた。PARCO、ロフトワークと展開した「NEWVIEW」など、ファッション、カルチャー、アート領域でのVR表現を後押ししてきたことでも知られ、多くのクリエイターの活躍の場を広げてきた。

近年のSTYLYは、HMD中心のVRプラットフォームから、スマートフォンAR、WebAR、スマートグラス、LBEを含むXR基盤へ重心を移している。2025年11月にはWebARサービス「palanAR」などを展開するpalanの全株式を取得し、経営統合とブランド統一を進め、palanARはその後「STYLY WebAR」にリブランディングされた。

今回の発表に寂しさを感じるものの、STYLYがVRそのものから離れることを意味するものではない。多数のVRヘッドセットを運用するための管理ツール「STYLY-MDM for LBE」を公開するなど、LBE領域での活用を推進していく。

国内の話題だけでも、clusterは2026年4月、デジタルツイン、フィジカルAI、調査の3領域に本格参入し、事業開発本部を新設したと発表した。カバーのメタバースプロジェクト「ホロアース」も、2026年6月28日をもってサービスを終了した。仮想空間に人が集まり、遊び、創作する場を広げようとした各社の取り組みは、継続、再編、終了と、それぞれ異なるかたちで節目を迎えている。

VRで作品を発表し、見に行くという体験は、夢として語られた時期から、場所や用途を伴う実装の段階へ移りつつあるのかもしれない。


(TEXT by ササニシキ


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