【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2021年10月第1週はもちこまめ、イ・ロハ、羽渦ミウネル

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時3万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。


こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。過去に連載で取り上げたSquChanさん、Nimuさん、藍沢エマさん、紫宮るなさん、蟻塚フォミカさん、兎咲ミミさんも引き続き伸びており掲載されています。今回はここからもちこまめさん、イ・ロハさん、羽渦(はねうず)ミウネルさんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。

VTuberリスト登録のTwitterアカウントから、2021年9月27日13時から10月4日13時にフォロワー数が5%以上増加したうちのフォロワー数増加上位
データはTwitter APIより取得(以下同じ)。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えている
羽渦ミウネルはピックアップのため追加

もちこまめ

初配信よりスクリーンショット

もちこまめさんは個人で活動しているチンチラになりたい系VTuber。師匠のチンチラ「めるる」に弟子入りしてチンチラに変身することを目指している女の子。また日本で同人音楽の活動をしているシンガーで、サークル「liqueurprime」としてM3などに継続して出展もしています。2021年7月にVTuberとして初配信し、以降はVTuberとしても活動。配信は歌枠が多いほか、過去に同人CDでもコラボしたmanamoさんをゲストに呼んで同人音楽の紹介などもしています。衣装等のデザインは台湾のイラストレーターの水々さん。

過去に台湾に住んでいた経験があり台湾好き。配信はおもに日本語ですが中国語も多少話せて、「茸茸鼠」という中国名もあります。以前から台湾からのファンが多く、中国語を勉強する配信や台湾のVTuberとのコラボもしてますが、9月26日に行った台湾のミーム動画を紹介する配信でブレイク。その後行った台湾の夜市を紹介する配信もよく見られました。今回の7日間では244%増となる9000人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数は6万5000人以上増加して約20倍になりました。

ミーム動画紹介配信の本人による切り抜き。台湾で人気のあるミームをかわいい声で再現したことで話題になった

7日間に増加した新規フォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見ると、兎田ぺこらさんやGawr Guraさんなど日本内外で人気のあるホロライブのメンバーのフォロワーが8割を占めます。また過去に紹介したRumi / 懶貓子さんや浠Mizukiさん、ほか露恰露恰さん・15號さん・平平子さんなど台湾で活動しているVTuberのフォロワーも目立ちました。

もともと台湾に好意的な活動をしていたところ、ミーム紹介から台湾のVTuberファンに注目されたようです。過去に紹介したせしりあさんと似たきっかけと言えるでしょうか。最近は過去のネット等での活動と同じ名前でVTuberをはじめる方も珍しくなくなりましたが、そこから国外でブレイクした興味深い例と言えます。

イ・ロハ

初配信よりスクリーンショット

イ・ロハ(이로하)さんはにじさんじの韓国向けグループ「NIJISANJI KR」3期生のバーチャルライバー。過去紹介したナ・セラさんらの先輩になります。日本と韓国のハーフの大学生で、宇宙アイドルになるのが目標。明楽レイさん、ヌン・ボラさんとともに2020年7月末から活動を開始しました。衣装等のデザインはホロライブの獅白ぼたんさんなども手掛けるトマリさん。

活動は歌ってみた動画やゲーム配信のほか、3D映像とともにピアノ演奏を披露する「半3D Piano」の配信が有名。2月には日本・インドネシアのにじさんじライバーとともに「にじさんじ生演奏リレー」を開催し、歌とピアノのセッションなども行いました。KRやにじさんじに限らず交友が広く、韓国の有名VTuberのGreatMoonAromaさんやイギリスのVTuberのLeafionsさんとコラボしたこともあります。

日本語と韓国語ができ、YouTubeでは日本語、twitchでは韓国語を中心に配信しています。最近まで日本に住んでいましたが8月下旬の配信を最後に韓国に引っ越しました。その間は1ヵ月配信をお休みし「ロハに戻りたいけどもう戻れない」というツイートもあり心配されましたが、9月27日にはじめての新衣装と2.0お披露目を配信歌ってみた動画も投稿、活動を再開しました。新衣装でのツイートも注目。これを受けて今回の7日間では11%増となる2500人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も1700名近く増加しています。最近はにじさんじの共同サーバーで「Ark:Survival Evolved」の配信をよくしており、日本のにじさんじライバーとも交流しています。

7日間の新規フォロワーを見ると夏色まつりさんを筆頭にホロライブメンバーのフォロワーが6割、星川サラさんなどにじさんじライバーのフォロワーも6割ほどを占め、KRだけでなくホロライブ・にじさんじの国内外のファンに注目された様子がうかがえます。

引っ越しはVTuberでも大きな出来事ですが、国を越えた引っ越しはやはりトラブルが大きいようです。配信は再開できたもののまだ日本からの荷物が届かず(執筆時点)、人気の「半3D Piano」なども現在は休止しています。それでも配信を再開できたことへのお祝いと期待、また新衣装の可愛さもあり、伸びた印象です。

羽渦ミウネル

初配信よりスクリーンショット

羽渦ミウネルさんはVTuberプロジェクト「VOMS」の新メンバー。頭にスクリューのある“渦”属性のおしゃべりモンスター。羽渦ミウネルさんの誕生日でもある9月11日に同期の大門地リューゴンさんとともに発表されTwitterでの活動を開始、10月3日に初配信を行いました。

「VOMS」はボカロPのGYARIさんが「無限にゲーム実況が見たい」をコンセプトに立ち上げたVTuberプロジェクトで、天野ピカミィさんや緋笠トモシカさんが所属。デザイン等もGYARIさんが手がけています。

羽渦ミウネルさんもゲーム好きで、VOMS志望の動機もゲーム実況中心にVTuberとしてやっていきたかったとのことでまさにVOMSしかない人材。中でも謎解きゲームやストーリーの良いゲームが好み。初配信では「脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング」をプレイ、サーモグラフィーに映る手許可を得て披露し、オチは爆発で〆るVOMSらしいところも。はじめてのソロゲーム配信ではデビュー前に練習で作っていた「Minecraft」の建築などを紹介。先日早くも収益化し、オーディション前後のエピソードなども話しました。

初配信を含む今回の7日間では8%増となる1200人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も6000名近く増加しました。Twitterでは初配信前に1ヶ月近く活動していたこともあり期間中の伸びは大きくありませんが、現在1万8000人以上にフォローされており好調なスタートと言えます。7日間の新規フォロワーを見ると8割が先輩の天野ピカミィさんらのフォロワー。ほか国内のVTuberのフォロワーが若干見えます。

国内外で人気の高いVOMSはじめての追加メンバーのため、これまでのVOMSファンが関心を持っている様子が伺えます。まだデビューして間もなく、今後の活躍が期待されます。


(TEXT by myrmecoleon

 
●関連リンク
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