企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。
分析・執筆は、Twitterのリストから随時3万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。
こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。過去に連載で取り上げた藍沢エマさん、紫宮るなさん、瀬兎一也さん、瑠璃野ねもさんも引き続き伸びており掲載されています。今回はここからカガセ・ウノさん、ヒトシロ・イツキさん、高城(たかじょう)まよさんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。
カガセ・ウノ、ヒトシロ・イツキ(VERSEⁿ)
カガセ・ウノ
ヒトシロ・イツキ
- Twitter:https://twitter.com/itsuki_htsr
- YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCi3aT9cC6YyC0BnOpm2XBEw
カガセ・ウノさん、ヒトシロ・イツキさんはいずれもソニー・ミュージックレーベルズ運営のVTuberプロジェクト「VERSEⁿ」(ヴァース)のキャラクター。マル・ナナモナさん、アルバ・セラさん、カシ・オトハさんとともに19日に5名のリレーで初配信を行いました。彼女たちの活動に先駆けてアニメーションPVが公開されており、一人の少女・リンと、カガセ・ウノさんらの失われた記憶にまつわる物語が「VERSEⁿ」の背景となっています。このため彼女たちも自分らの過去すべてを知らないまま、活動が進む中で少しずつ知る仕組みで、初配信の前には彼女らのそうした過去の記憶の一部を紹介するツイートも投稿されています。
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カガセ・ウノさんは頭にねじれたドラゴンの角がある少女。皆を引っ張るムードメーカーで、見た目通りのかわいらしい声で自由奔放に話します。初配信では自己紹介が苦手と断りながら、ゲームとバイクが趣味で、「VERSEⁿ」の仲間たちが大好き、特にヒトシロ・イツキさんをいじるのがマイブームと紹介。キャラクターデザインはHIMEHINAの田中ヒメ・鈴木ヒナやKMNZのLITA・LIZも手がけるイラストレーターのしゅがおさん。
ヒトシロ・イツキさん曰く「妹みたいにかわいい」「私たちを気持ちの面で盛り上げてくれるとても素敵な女の子」。ソロのゲーム配信が中心ですが人を集めたコラボが好きで、早くもヒトシロ・イツキさんとマル・ナナモナさんを誘って「Getting Over It」コラボを開催、今後はゲストとしゃべるラジオ企画もやりたいとのこと。
ヒトシロ・イツキさんは頭に枝分かれした東洋の龍のような角のある少女。フルマラソンをこなす体力があり、弓道・剣道・柔道といずれも初段、実銃を撃つ訓練も経験というVTuberには異色な経歴。旅行や登山も好きで、初配信では富士登山の心得を経験を交えながら視聴者にレクチャーしました。日本語のほか中国語と英語ができるほか、韓国語とドイツ語を学んだことも。ダンス経験があり、三線や篠笛、ピアノと楽器もできるとのこと。キャラクターデザインはアメリカ出身のイラストレーターのraemzさん。
カガセ・ウノさん曰く「一番の問題児。でもそこがイツキの良さ」「すごい真面目で努力家」「お互い助け合いたい人」。ゲーム好きでもありゲーム配信を中心に活動、現在は警察官になって容疑者を尋問するゲーム「L.A.ノワール」などをプレイ中です。筋トレ講座になってる「リングフィットアドベンチャー」配信もおすすめ。
今回の7日間ではいずれも150%以上の増となる1500人以上が彼女らをTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネルも1900人以上が登録しました(現在は)。2名は特に伸びていますが、ほかのメンバーも好調なスタートを切っています。
フォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見るといずれも白上フブキさんを筆頭に国内外のホロライブメンバーのフォロワーが6割ほどと目立ちました。また2割ほどはVTuberをフォローしていない層と見られます。カガセ・ウノさんとヒトシロ・イツキさん双方をフォローしているアカウントも多く、箱推し的にフォローされている傾向も伺えます。
ソニー・ミュージックレーベルズや参加クリエイターのネームバリューが高く、ストーリー性のあるアニメーションPVを中心に進んでいくVTuberグループという変わったコンセプトもあり注目されている「VERSEⁿ」。ホロライブファンなど広くVTuberリスナーが関心を持っているようです。個性的なメンバーも参加しており、今後の活動が期待されるところです。
高城まよ
- Twitter:https://twitter.com/TakajoMayo
- YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCGjgttrmA86skxVzq5kQcmg
高城まよさんはライバー事務所「i-LIVE」所属のバーチャル家庭教師メイド。2019年4月頃より「IRIAM」で活動開始、7月からYouTubeでも活動。2020年10月に自作の3Dモデルをお披露目し、YouTubeではこちらを改良しつつ使用しながら、ゲーム配信を中心にASMRや企画雑談、3Dモデルを活用した動画など幅広くマイペースに投稿しています。YouTube開始当初から同期の葵よしのさん、ルルさんとともに始めて48回を数える「まよるのラジオ」も長寿企画。包容力ある声とリスナーのコメントを交えたユーモアあふれるトークが魅力です。衣装等のデザインは本人もVTuber活動をしているイラストレーターの河地りんさん。
今回の7日間では111%増となる1500人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も300人近く増加しました。このきっかけが以下の17日のツイート。3Dモデルを活用してレイザーラモンHGさんの「フォー」のポーズを真似した様子がウケてバズりました。結局返事は来なかったようですが、これを受けて19日には(ベトナム料理の)フォーを食べる配信もされています。
7日間の新規フォロワーを見ると白上フブキさんを筆頭に国内のホロライブメンバーのフォロワーが6割を占め、月ノ美兎さんらにじさんじライバーやその他のVTuberも含めて8割ほどはVTuberをフォローしている国内のファンと見られます。特に朝ノ瑠璃さんや兎鞠まりさんのフォロワーは目立ちました。VTuberをフォローしていないアカウントではTwitterでマンガなどを投稿しているアカウントをよくフォローしていました。VTuberファンを中心に、面白ツイートを好む層が注目した傾向が伺えます。
ネタツイートがたまたま当たってバズったかたちですが、背景としてはIRIAMから2年半以上活動し続け、3Dモデルの自作までしてしまってる高城まよさんのバイタリティの高さがあります。IRIAMのような独自プラットフォームからYouTubeなどに進出しつつ、元のコミュニティともつながっている彼女のような存在がいることも、VTuberの文化の中で興味深い動きと言えるでしょう。
(TEXT by myrmecoleon)
●関連リンク
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