ホロライブのアイドル19人が魅せた3度目の全体ライブ「Link Your Wish」DAY2を渾身レポ!

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Photo by 中村ユタカ(@yutamacaron)

3月19日・20日に幕張メッセで開催された、人気アイドルVTuberグループ「ホロライブ」の、約1年3ヵ月ぶり3度目となる全体ライブ「hololive 3rd fes. Link Your Wish Supported By ヴァイスシュヴァルツ」別記事でレポートした19日の「DAY1」では、最新AR技術も駆使したライブ演出のクオリティーなどに驚きながら、全体ライブ初参加のホロライブ5期生や海外勢を含む19人のアイドルたちのパフォーマンスに魅了された。

本記事では、「DAY1」を経て、より大きな期待感とともに会場での取材に赴いた20日の「DAY2」をレポート。前日とは全員異なる19人のアイドルたちによる全26曲、約2時間半のライブをダイジェストで紹介していく。

全セットリストに関しては記事の最後に掲載。本記事では、断腸の思いで一部の楽曲のみを紹介しているが、未見の人は、ぜひニコニコ生放送とSPWNで期間限定配信されているアーカイブで全編を楽しんでほしい。

JPメンバーの「キラメキライダー」で2日目が開演!

ホロライブ6期生「秘密結社holoX」沙花叉クロヱさん、風真いろはさんによる「DAY2スタート」というコールに続いて、オープニング映像がスタート。出演者のライブビジュアルと名前が順番にスクリーンに映し出されていく。「DAY2」の出演者は、ときのそらさん、ロボ子さん、夜空メルさん、アキ・ローゼンタールさん、湊あくあさん、紫咲シオンさん、百鬼あやめさん、癒月ちょこさん、大神ミオさん、猫又おかゆさん、兎田ぺこらさん、不知火フレアさん、角巻わためさん、雪花ラミィさん、獅白ぼたんさん、森カリオペさん、小鳥遊キアラさん、アユンダ・リスさん、アイラニ・イオフィフティーンさん。ホロライブ5期生のラミィさんとぼたんさん、ホロライブEnglishのカリオペさん、キアラさん、ホロライブインドネシアのリスさん、イオフィフティーンさんが全体ライブ初出演組だ。

Photo by 中村ユタカ(@yutamacaron)

オープニングのあとの1曲目では、「DAY2」に出演しているホロライブJPのメンバー15人が全員登場。2階建てのステージに並び、ホロライブ全体曲第3弾「キラメキライダー」を披露した。曲が始まってすぐの「最高の時間、最高の仲間と」と歌いながら左右の仲間と目を合わせる振りの時点ですでに、ホロライブの全体ライブを観られている喜びを強く感じる。基本的に全員揃った振りで踊っているのだが、間奏などの手の振りはフリーなのか、一人ひとりの動きが異なり、客席に手を振っているアイドルがいることも楽しい。

Photo by 中村ユタカ(@yutamacaron)

アキロゼさん、フレアさん、ラミィさんのハーフエルフトリオが2曲目「神のまにまに」を披露した後の3曲目からは、ホロライブ2期生がソロ曲を続けて披露。シオンさんは「メイジ・オブ・ヴァイオレット」、あやめさんは「宵の余、良い」と、二人ともオリジナルソングを歌った。それぞれファンが特に聴きたかった曲だったようで、会場はコロナ感染症対策で大声禁止ながらも、イントロが流れた瞬間、テンションが一気に高まる気配を感じた。

シオンさんは、カッコよさが前面に出ている楽曲をクール目に歌いながら、間奏ではステージを左右に動き大きく手を振って「みんな~来てくれてありがとう。まだまだ盛り上がっていくよ~。ペンライト振ってね」とかわいくアピール。その後は、大サビをカッコ良く歌って退場と、ギャップで魅せていくようなステージだった。

対して、あやめさんはイントロの「よ~ぽんぽんぽんぽん」という掛け声からかわいさ全開。お祭り感にあふれてライブ映えのする楽曲を笑顔で歌っていく。多くのファンの前でステージに立っていることの楽しさや嬉しさが伝わってくるようなパフォーマンスで、あやめさんの甘くて「かわ余」な唯一無二の歌声の魅力を改めて実感した。

異世界の歌「シャルイース」で会場も異世界に

6曲目で登場したホロライブ4期生のわためさんは、ホロライブの中でも特に音楽活動に力を入れているメンバーのひとり。毎週恒例の歌枠配信「わためぇ Night Fever!!」は本稿の執筆時点で第79回を数え、昨年10月にはZeppTokyoで、ほぼ全曲がオリジナルソングという構成の1stソロライブも開催している(ホロライブ全体曲「Shiny Smily Story」のみソロカバー)。そんなわためさんが幕張メッセという大舞台のソロコーナーで選んだ曲は「My song」。わためさんは、人生(羊生)や歌への想いを綴ったような歌詞に魂を込めて熱唱。力強い歌声は、このライブの大きな特徴でもある生バンドの迫力ある演奏と重なり合って、ホールの広さを感じさせないほどに響き、2階上段の記者席まで届いてくる。昨年のソロライブでは会場に行けず、わためさんの歌声を生で聴くのは初めてだった筆者は、決して低くはなかった期待をはるかに上回る歌声の魅力に正直、驚かされた。

7曲目でオリジナルソング「明日への境界線」を披露したラミィさんは、わためさんとは対照的に、普段は歌枠配信をほぼ行わない活動スタイル。しかし、このステージでは、瑞々しい美声とキュートなダンスを披露。王道アイドルのオーラを強烈に放つようなパフォーマンスだっただけに、ラミィさんの歌声をもっと聴いてみたいと思わされた。大好きな晩酌配信の半分くらいの頻度でも、歌配信が観られるとうれしいのだが……。

13曲目でアキロゼさんが披露したオリジナルソング「シャルイース」は、多種多彩なホロライブメンバーの曲の中でも、特に独創的な世界観を持った曲。異世界から来たハーフエルフのアキロゼさんが故郷の言葉で歌う幻想的な楽曲で、過去2回の全体ライブで披露された際も強烈な存在感を放っていたが、ライブ演出がパワーアップした今回は、その魅力も上積み。イントロのアカペラパートでアキロゼさんの澄んだ歌声が響いた後、ステージに色鮮やかな花々が咲き乱れたかと思うと、曲の途中で、エルフの森をイメージさせる幻想的な森に変化。ステージは、その後もさまざまな空間に移り変わっていき、会場ごと異世界に包み込まれたようだった。

「DAY2」でも海外勢が3Dの姿で初ライブ

15曲目からは、この日、3Dモデル初披露となる海外勢が4人続けてオリジナルソングを披露。まずは、カリオペさんが「Red」で、ラップや歌声からイメージしていた通りの存在感あふれるステージパフォーマンスを披露。同じホロライブEnglishのメンバーで、明るく元気な印象が強かったキアラさんは「HINOTORI」で、想像以上の身体能力の高さと力強さを見せつけ、会場をさらに熱くした。

デコレーションしたオーバーホール姿がよく似合うホロライブインドネシアのイオフィさんは、笑顔、歌声、ダンスのすべてがキュート。オリジナルソング「Q&A=E」もイオフィさんのアイドル性の高さにぴったりの曲だった。海外勢のトリを飾ったのは、ホロライブインドネシアのリスさん。「ALiCE&u」で、透明感がありながら重厚さも併せ持った歌声を披露。リスさんの歌声は筆者にとって「DAY2」で最大級の驚きであり、発見だった。

20曲目では、ホロライブ3期生のフレアさんがボカロ曲「地球最後の告白を」をカバー。高音域まで澄んだ歌声がまっすぐ綺麗に響き、なおかつ力強さもあるフレアさんにはぴったりの選曲だ。続いては、普段は優しく柔らかな語り口調な印象的なミオさんが、オリジナルソング「Howling」で、「さすが、狼」と思わせる熱くカッコいいパフォーマンスを披露した。逆に、22曲目にオリジナルソング「Lioness’ Pride」を歌ったぼたんさんの歌声は、ホワイトライオンらしい凛とした振る舞いの普段より、かわいさ成分が大増量している印象だった。

23曲目に登場したのは、1月にワンマンライブを大成功させたばかりのあくあさん。ファンへの想いも込められたオリジナルソング「海想列車」で、会場のエモーショナルな雰囲気をますます高めていく。そして、ソロとしての大トリを飾ったのは、「アイドルVTuberグループ」のホロライブが誕生するきっかけを作った、最初のホロライブアイドルそらさん。オリジナル曲の「Step and Go!!」を歌い、明るく元気で、観ている側もそのオーラで包み込むような「これぞアイドル!」と思わせるパフォーマンスを披露した。

Photo by 中村ユタカ(@yutamacaron)

ホロライブの最初期の歴史を支えたそらロボがデュエット!

一旦、ステージを去ったそらさんは、同じホロライブ0期生のロボ子さんと一緒に再登場し、二人で人気ボカロ曲の「劣等上等」をカバー。ホロライブ最初のVTuberと二人目のVTuberによるデュエットは、綺麗に重なりながらもしっかり聴き分けられる相性抜群の歌声や、クールだがかわいさもにじみ出るダンスでクライマックスをますます盛り上げ、「フロアが沸き上がりました」のセリフでクールに締めた。

二人がこのライブ最後のMCでファンへのメッセージを語った後は、再びホロライブJPの15人が再集合。前日のメンバーと同じくライブTシャツ姿で新しいホロライブの全体曲「Prism Melody」を披露した。ライブTシャツは黒と白の2種類から自分の好きな方を選ぶことができ、「DAY1」ではほぼ半分に分かれていたのだが、なぜか「DAY2」メンバーの中では白が大人気で、黒を選んだのはアキロゼさんただ一人。会場では、「これが最後の曲か……」という思いでステージのパフォーマンスに集中していたため、あまり気にならなかったのだが、ライブ後に行われた各メンバーの感想配信では、鉄板ネタとして盛り上がり、絵本の「スイミー」に例えるメンバーもいた。出演者やスタッフの名前が流れていくエンディングテロップの後には、この3rd fesのBlu-ray化なども発表され、2日間のライブが終幕した。

Photo by 中村ユタカ(@yutamacaron)

2日間合わせて5時間を越える長丁場のライブでありながら、ステージに目と心が惹きつけられっぱなしだった「hololive 3rd fes. Link Your Wish Supported By ヴァイスシュヴァルツ」。アイドルVTuberグループ「ホロライブ」は、メンバーも増えてますます個性豊かになってきたアイドルたちのパフォーマンスだけでなく、全編にわたって活用されたAR演出をはじめとする「バーチャルライブの見せ方」でも、着実な進化を進化を遂げていることを証明。JP、English、インドネシアのどのグループにも、今回のライブには出演していないメンバーがいるだけに、いずれ実現するであろう4thライブの開催が早くも待ち遠しい。そのとき、さらにパワーアップしたアイドルや、新たな技術とアイデアが、どんなライブを観せてくれるのか。「PANORA」で定期的に記事を執筆しながら、XR技術に関する知識が皆無の筆者には、予想もできない世界が待っていることだけは間違いない。

<DAY2 セットリスト>
M1 キラメキライダー/DAY2ホロライブJPメンバー全員
M2 神のまにまに/アキ・ローゼンタール、不知火フレア、雪花ラミィ
M3 メイジ・オブ・ヴァイオレット/紫咲シオン
M4 宵の余、良い!/百鬼あやめ
M5 どうぶつ占い/大神ミオ、兎田ぺこら、角巻わため、獅白ぼたん
M6 My song/角巻わため
M7 明日への境界線/雪花ラミィ
M8 かっぷと☆NightSky/夜空メル
M9 Q&Aリサイタル!/兎田ぺこら
M10 Choco?Melty/夜空メル、癒月ちょこ
M11 もぐもぐYUMMY!/猫又おかゆ
M12 ChocoLove/癒月ちょこ
M13 シャルイース/アキ・ローゼンタール
M14 コトノハ/ロボ子さん
M15 Red/森カリオペ
M16 HINOTORI/小鳥遊キアラ
M17 Q&A=E/アイラニ・イオフィフティーン
M18 ALICE&u/アユンダ・リス
M19 フォニィ/湊あくあ、紫咲シオン、猫又おかゆ
M20 地球最後の告白を/不知火フレア
M21 Howling/大神ミオ
M22 Lioness Pride/白ぼたん
M23 海想列車/湊あくあ
M24 Step and Go!/ときのそら
M25 劣等上等/ときのそら、ロボ子さん
M26 Prism Melody/DAY2ホロライブJPメンバー全員

© 2016 COVER Corp.

(TEXT by Daisuke Marumoto

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