ソニーとタッグを組んだHIKKY リアルとメタバースをつなげる「メタバースの未来」を指し示す

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11月29日、HIKKYは東京・ミッドタウン日比谷にてバーチャルマーケット2022 Winter発表記者会見を開催しました。

12月3日よりはじまるバーチャルマーケット2022 Winterは、世界最大規模のVR展示会。約70社の企業ブースのなかには、リアルでの乗車が極めて難しいリニア中央新幹線の体験ブース(JR東海)や、サイコスリラー作品「ガンニバル」の世界観を再現したというディズニープラスのブースなど、興味深いものばかり。

JR東海で執行役員を務める川田啓貴さんにお話を聞くと、L0系改良型試験車をHIKKYのクリエイターが(メタバース向けのディフォルメはあるものの)極めて正確にモデリングしてくれたとのこと。これは鉄道ファンも、VRChatでの写真撮影が好きな方も満足できそうです。

「リニア中央新幹線の体験乗車会に、ネット世代って言われる20~30代ぐらいの方にも関心を持っていただくきっかけになるんじゃないか。バーチャルの世界でいろいろな体験をしてもらったらリアルで本当に移動してみようかと思っていただけるかどうか。そういうリアルとバーチャルを融合させる取り組みをいろいろ試してみたいと考えました」(川田さん)

またHIKKY代表取締役CEOの舟越靖さんは、来年以降における同社の取り組みについても発表しました。

まずはソニーが2023年1月下旬より発売するモバイルモーションキャプチャー「mocopi」(モコピ)との連携です。「mocopi」は小型軽量フルワイヤレスのモーションキャプチャー機器で、ソーシャルVRのVRChatでもMeta Quest 2と合わせて利用可能。メタバースのなかで手軽に全身を動かすことができるアイテムです(ニュース記事)。

HIKKYが提供するメタバース開発エンジンVket Cloudと外部機器との連携を果たす新サービス「unlink」により、「mocopi」を用いてVket Cloud内でのフルトラッキング環境を実現します。

実際に、開発中のmocopiおよびunlinkの連携デモを見させていただきました。ダンスはやや動きが唐突なところがありmocopiのソフトウェア側でモーションの補間をしているのかと思わせるもの。

Bluetooth LEで通信を行うことからフレームレートが50fpsまでとなっているようですが、小型・軽量で持ち運びしやすく、装着もしやすいのに最大約10時間とバッテリーライフが長いことから、自宅だけではなく屋外や学校施設などでも活用できる機材かつメタバースとなりえるのでは、と感じさせてくれます。

また2023年夏には、メタバース空間で開催するバーチャルマーケットと、現実世界で開催するリアルバーチャルマーケットを同時開催するとのこと。

リアルもメタバースも秋葉原を舞台として、リアル側はショップ店員がmocopiを使ってどちらの空間でも接客を行ったり、イベント会場でも出演するタレントにmocopiをつけてもらって、リアルでもメタバースでもパフォーマンスを楽しめるようになる、という狙いがあるようです。

リアルとメタバースをつなげるという施策は複数のメタバース企業が取り組んでいます。

mocopiというデバイスを使い、既存の取り組みよりも一歩先にいく施策を構想しているHIKKY。バーチャルマーケット2022 Winterだけではなく、今後の展開にも注目が集まります。

 
 
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