ホビージャパン公式VRChatワールドは出るべくして登場した! みんなで遊びに行きたくなる楽しさをレポート

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ホビージャパンは4月12日、公式VRChatワールドを公開した(ワールドのURL)。オープンを記念して行われた同日のYouTube配信の現場にお邪魔させてもらったのでレポートする。

ワールドを体験した率直な感想を書くと、プラモデルやフィギュアといったホビー文化を盛り上げてきたホビージャパンならではの、訪れた人に楽しく遊んで欲しいという情熱を感じる楽しいワールドだと感じた。さらに、みんなが楽しく遊べる場というコンセプトから、なんと嬉しいMeta Quest 2対応も! ぜひフレンドと遊びに行ったり、ホビージャパンが開催するゲーム体験会に参加して楽しんで欲しい。

ホビージャパンとは

今回ワールドを公開したホビージャパンは、「月刊ホビージャパン」など、プラモデルやフィギュア、ゲーム、アニメなどに関する書籍や雑誌を出版するほか、小説・コミックのレーベルも展開している会社だ。また、自社でプラモデルやフィギュアの製造・販売も手がけているなどホビー文化を基点に幅広い事業を展開している。

ホビー業界というと、コトブキヤがVRChat用のアバターを展開しており、サブカルチャーの立体物とVRとの親和性の高さがうかがえる。そんな中でホビージャパンもついにVRChatに公式ワールドを公開すると知って、一体どんなワールドが見られるのだろう? と気になっていた。

ホビージャパン駅前商店街でフレンドと遊ぼう!

ホビージャパン駅前商店街の面白い点は、フレンドと遊ぶ場所を意識して作られている点だ。

例えばボードゲームが置いてあるボードゲームカフェでは、VRChatで遊べるようにアレンジされた実在のボードゲーム「エスペライゼーション」を遊ぶことができる。説明用のボードが設置されているのでルールを知らない人でも遊べるようになっているのはもちろんのこと、定期的にゲーム体験会をワールド上で開催してユーザーを集める予定らしい。

エスペライゼーションは本来は4時間ほどかけて行われるゲームとのことだが、ボードゲーム初心者や、長い時間VRゴーグルをかぶるのに慣れていない方を想定し、1時間で遊べるようになっているという。

ジオラマの上に飛行船を持ってくると…

また、社内にあるという塗装コーナーを再現した「塗装工房」には、用意されている模型にエアブラシで着色できるようになっている。それだけでなく、塗装コーナーの隅に配置されているジオラマの上に模型を掲げると、ワールド内の上空に巨大な模型として投影されるようになっていた。

神社の上空に飛行船が出現!

配信内でもひときわ盛り上がった場面だったが、フレンド同士で純粋に楽しめるような仕掛けとして素晴しいと感じた。

見覚えのあるバットが…?

もちろん、配置されている模型だけでなく自身の身体の一部だったり、アイテムだったり、自由なものを上空に投影できるので楽しみ方は無限大だ。

また、配信では塗装コーナーについて「退勤後に自由に塗装できる場所がある」と説明しかけて、ワールドの担当者Tokiさんが「退勤後」と「放課後」と言い間違えてしまう場面も。思わず学校気分になってしまうほど和気あいあいとした職場環境を思わせられる一幕だった。

配信内ではワールドの担当者Tokiさんが社内で部活のように「ホビージャパンVR部」と名乗って、試行錯誤しながらVRと自社のコンテンツを組み合わせて新しいホビー体験を作れないかという流れで公式ワールドを作ったことを熱く語っていた。

さらに司会の一翔剣さんが「部活のようにと言いつつ、試行錯誤することが共有されているんですね」と話をふると、「オタクが好きなものを試行錯誤して、それをビジネスにしていくのがホビージャパンの遺伝子なのかなと感じているので、その一環として理解いただいている」と語っていたのが印象に残っている。部活のように和やかな雰囲気と、趣味をベースに社員が集まっているホビージャパンだからこその発想力や、実行する熱意を感じた。

ホビージャパン駅前商店街には何がある?

ワールドにJoinすると電車内に

ワールドに来ると電車の中からスタートし、電車で訪れた「ホビージャパン駅前商店街駅」の商店街を巡るようになっている。

商店街の中にはカードゲームのお店やプラモデルのブースなどが点在しており、それぞれのブースでは異なるコンテンツを楽しむことができる。

一見なにも無いように見える神社

神社は一見すると空地になっているが、境内に近づくと七つの大罪のメニュー表示が登場。

七つの大罪の石板が出現

石板が地中から砂埃と共に現れるという厳かな演出だ。石板に描かれているのは七つの大罪のキャラクター達。彼女達は邪神像と呼ばれるフィギュアで、合計20万体以上売れているという。

ほとんどのパッケージを触れます

最初に取り上げたボードゲームカフェは2階建てになっていて、1階部分は実際に販売されているボードゲームのパッケージが並んでいる。こうした自社製品のモデルが並ぶワールドは珍しくはないものの、触れるアイテムが多いのがなんとも楽しい。

階段で登った先にある2階部分がエスペライゼーションを遊ぶフロアになっている。壁にはルールなどが書いてあり、中央のテーブルにはゲームで使用するアイテムが並んでいる。

配信の後で伺った話によると「ボードゲームはVRと非常に相性がいいなと、昔から感じていました」とのこと。中でも、エスペライゼーションはジェスチャーやコミュニケーションを通じて新しい言語を作っていくという内容のゲーム。ボードゲームとVRの相性の良さを存分に活かした体験への期待が高まる。

巨大なランナー

ボードゲームカフェの隣には、プラモデルのランナーが浮かんでいる空間がある。ニッパーを使ってランナーを使用すると、真っ白の大きな店舗の模型が登場。

全てのパーツをランナーから外すと模型が出現
筆でお店の外観を塗り替えられる

店舗の模型の前には筆のオブジェクトもあり、それらを使う事で店舗の模型が「八百屋さん」「花屋さん」などに変化するほか、デカールも用意されていて、店舗の模型に配置して遊ぶことができる。
これは「模型工作の楽しさを知ってもらえれば」という理念で作られたギミックだそう。

このほか、ホビージャパンの書籍の試し読みもできるHJ書店、公式のアバターに着替えられるVIRTUAL FASHION、最初に紹介している塗装工房がある。

それぞれがひとつのワールドとして存在していそうなくらい凝ったギミックが楽しいお店が並んでいることに、取材で来たメンバーからも思わず感嘆が漏れる場面も多かった。

ホビージャパン駅前商店街の今後の展開

記事内でも触れた通り、定期的にゲーム体験会を行う予定で第1回目となる体験会は、4月26日(水)21時より実施する。

ワールドに行ってみたけど楽しみ方が分からなかった方や、一緒に行けるフレンドがいないという方は体験会に参加してみるといいだろう。

また、神社に出現する七つの大罪のイラストを担当したNiθ(ニシー)さんがデザインを担当するアバターも製作中とのこと。

アバターが公開された折には改変コンテストも予定しているなど、ものづくりが好きなユーザーを大事にしてきたホビージャパンならではの企画が楽しみだ。

社員発のVR企画という熱量と、コンテンツホルダーの強み

今回の取材を通じて、社内で部活動的にVR部を発足して会社の公式ワールドを展開するに至った熱量と、そうした情熱を信じる社風に感銘を受けた。

ワールド担当のお二人

配信後にお話を伺ったさいに聞いた「社内でVR部と名乗ってからVRChatにワールドを作ろうと企画していたさいに、たまたま後ろの席の社員がアバターを自作しているVRChatユーザーであることが発覚してVR部に参加してもらった」というエピソードは面白く、趣味に生きる人たちが集まっているホビージャパンならではの環境を感じずにはいられなかった。

また、自社で出版レーベルを持っていたり、自社コンテンツのフィギュア展開もしているなど、コンテンツホルダーとしての強みを生かして「これは自分が作ったキャラクターなので自由に使っていい」といった、通常であればクリアすべき版権のハードルもないに等しいという、まさに出るべくして登場したワールドだと感じた。

(TEXT by ササニシキ

●関連リンク
ホビージャパンVR部Twitterアカウント
ホビージャパンofficial site
「ホビージャパン駅前商店街」VRChatワールド