VRChat参入で話題のカシオ計算機は止まらない! 「未来のG-SHOCK耐久試験」ライド型アトラクションワールドを公開

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G-SHOCKをアバターファッションの一環として販売するためのワールド公開などの取り組みが話題騒然となった「カシオ計算機」は12月8日12時、VRChat上に新たにライド型アトラクションワールド「G-SHOCK THE RIDE」を公開する(関連記事)。

VRChat社とのパートナーシップ契約、ワールド制作にGHOST CLUBチーム起用、マテリアル改変可能なG-SHOCKのモデルを公式Boothショップで販売など、VRChatの文化に沿った参入が話題となったが、次なる発表が「ライド型アトラクション」とあって、その斜め上をいく展開に驚いた。

G-SHOCK STORE

カシオ計算機によるワールド「G-SHOCK STORE」は、ストリート系カルチャーやアーティストにも愛されているG-SHOCKを象徴するように、シンプルでクールな印象を与えるワールドになっていた。そこには、元々VRChatで遊んでいたというワールド担当者によるこだわりで、GHOST CLUBチームに作って欲しいという強い気持ちがあったという。

しかし、アトラクションとなるとG-SHOCKの持つかっこいいイメージとは話が別だろう。VRChatには乗り物に乗って楽しむワールドは他にもあるが、G-SHOCKかつ乗り物というのは一体どういうことなのだろうか…?
「まずは何も知らない状態で楽しんでください!」という言葉に乗せられてワクワク感と戸惑いを以って体験してみると、「未来のG-SHOCKの耐久試験を体験する」というコンセプトのもと、「G-SHOCKに乗り込んで耐久試験を体験する」というVRならではのアトラクションによって、水圧、衝撃、その他、G-SHOCKが受けるあらゆる耐久試験を体験できるものになっていた。しかもワールドはQuest対応とのこと。

一体、カシオ計算機はこのワールドで、我々ユーザーにどのような体験をもたらそうというのだろうか。


未来のG-SHOCK耐久試験を体験しよう!

ワールドに入ってすぐの光景

早速、アトラクションの内容を紹介したい。

「G-SHOCK THE RIDE」ワールドに入ると、研究室の中にやってくる。本アトラクションのストーリーは「開発拠点の羽村技術センターで行われている“G-SHOCK”の耐久試験をベースに、未来の“G-SHOCK”の耐久試験を体験する」というもの。

博士のような人物が机に向き合っている後ろに意味深に輝くG-SHOCKにコントローラを向け、トリガーを引くことでアトラクションが開始する。

ホワイトボードに注意書き

なお、VRに慣れていない方はホワイトボードに注意事項などがあるため、そちらを見てからアトラクションに参加すると良いだろう。

取材時は立って体験したが、耐久試験を体験するアトラクションなだけあり、結構揺れを感じてふらつきそうになる場面もあった。不安な方はなるべく座った状態で体験するのがおすすめだ。

同じ部屋のはずなのに、違和感

トリガーを引くと、周りの雰囲気が少し変わっていることに気づく。

お分かりいただけただろうか

よく見渡すと、先ほど机の上に乗っていたG-SHOCKの上に自分が乗っている事に気づく。あたりの形状を見渡して、「アレ? これって?」と確かめていくのが楽しいのでぜひ、この視界の変化を楽しんでいただきたい。このVR ならではの演出が未来の社会科見学のようでワクワクさせられた。

外国語対応もあるのはさすがG-SHOCK

ホワイトボードにも英語表記があったが、説明に対して英語字幕が同時に出てくるところはホスピタリティが高い。本ワールドはVRChatを始めたての人でもすぐに楽しめるように作れられているといい、「もしよろしければ、耐久試験のレポートをお願いできないでしょうか?」と言われることで、VRChatで日頃遊んでいる方でなくても写真を撮ってみたくなるのでは、と思った。

いよいよ耐久試験を体験するライドアトラクションの開始!

G-SHOCKはまず、海中へ。

現在のG-SHOCKは水深200メートルの水圧を耐えられるモデルもあるという。実際の水圧耐久試験は見た目上は地味な試験を行うそうだが、このアトラクションではVRらしく、実際に海中に潜る形で体験する。上を見上げると、水深200メートルの海中を思わせる雰囲気がなんとも綺麗だ。

迫り来る大岩

次なる試験の舞台は山岳ゾーン。
「G-SHOCK」という名前の通り、衝撃に極めて強いショック耐性を活かして大岩がこちらを目掛けてどんどん転がってきてもそのまま進んでいく。

待ち構えるハンマー

大岩のゾーンを抜けると、衝撃試験として実際に行われているハンマー衝撃試験機が見えてくる。自分よりも何倍も大きいハンマーがぶつかってくるとなると、いくらVRとわかっていても少し怖くて身構えてしまったが、「歴代のG-SHOCKは全てこれを耐えてきました!」という力強い言葉が聞こえてくる。巨大なハンマーがぶつかってくるように感じるが、G-SHOCKのサイズ感覚で言うと実際のサイズ感そのものとも言えるため、G-SHOCKがいかに強靭な衝撃耐性を誇るか体感できる気がした。

WARNING!?

そして、次なる試験は…?
眼前には警報マークと空が広がる。ハンマー衝撃試験の後で一体何が起こってしまうのか、続きは実際に体験して、ぜひレポートしてみよう! きっと興奮を伝えたくなるはずだ。


「ワールドを単純に楽しんでもらいたい」

G-SHOCKはそもそも、1980年代に「落としても壊れない丈夫な時計」という一行の企画テーマから生まれたもので、絶対に壊れない時計を作りたいという信念を叶えるために作られた。耐久性を極限まで高めた結果、無駄を削ぎ落とされた現在の形状にたどり着き、高いデザイン性からファッションアイコンとして愛されている。

そんなG-SHOCKの実用面での凄さをVRならではのコンテンツとして楽しむために作られたのが今回のワールドだ。担当者はこのワールドについて「単純に楽しんでもらいたい」と語る。

試験の内容の紹介
試験の様子の動画
模型やポータル

アトラクションを終えると、試験内容の説明やハンマー衝撃試験機の模型などが登場するので、じっくり読んだり手に取ったりできる。アトラクション自体を楽しんだ後で、G-SHOCKのことをもっと知りたいと思ったらぜひ手に取ってみたり、説明を見たりして欲しい。

さらに、試験の様子を見られる動画も流れているため、先ほど体験したアトラクションが実際にはどのような試験になっているのか見ることもできる。

奥にはG-SHOCK STOREへのポータルもあるため、このままワールドを移動することも可能。アトラクションをきっかけにG-SHOCKに興味を持って、そのままアバターファッションとしてのG-SHOCKを試着できるのはかなり楽しいはずだ。

博士のような人物は…?

ワールドに入った時からずっといた、丸メガネが印象的なこの人物。博士のような風貌だが、なんとG-SHOCKの生みの親である伊部さんがモデルになっている。聞くところによると、伊部さんが親にもらった時計を落として壊してしまったことが「絶対に壊れない時計を作りたい」という原体験になっているという。

もし、今回のワールドをきっかけにG-SHOCKを知って興味を持った方や、G-SHOCKは好きだけど開発ストーリーは知らないという方がいたら、この動画もおすすめだ。G-SHOCKの誕生エピソードを見ることで、より好きになれるだろう。

たった二ヶ月の間を置いて公開されるワールドが、VRChatのワールド表現として真逆のものになっているのはあまり前例がないように感じる。
製品アピールとしてかっこいいワールドを、ブランドアピールとして興味を持ってもらうきっかけ作りで純粋に楽しんでもらうためのワールドを作るという異なる軸で制作したことは、担当者の情熱によるところが大きいと思う。

このカシオ計算機の並々ならぬVRChatへの期待と、G-SHOCKへの愛情をぜひ体験して欲しい。

(TEXT by ササニシキ


関連リンク
カシオ計算機公式BOOTHショップ