VRChatで、本格的な酒蔵見学。 江戸時代から続く「田村酒造場」へ遊びにいこう!

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創業は1822年。江戸時代より酒造りに取り組む酒蔵へ、「VRChat」からいつでも行くことができます。

田村酒造場 Japanese sake brewery」は、日本酒の蔵元・田村酒造場を再現したワールドです。お酒のオンラインストア「ROJI日本橋 ONLINE STORE」と、3D制作・管理クラウドサービスのbestat株式会社が制作し、現在公開中です。

「日本酒ファンコミュニティを作り、ユーザーと蔵元の双方向のコミュニケーションを図る」という目的のためにオープンしたとのことで、そのためか12月にはVTuberによる配信企画まで実施するなど、単なる「場所の公開」では終わらせない動きが特徴です。

モバイル対応しているため、「Meta Quest 2」や「PICO 4」、そして先日解禁されたAndoridからもアクセスできるハイクオリティな酒蔵。この記事では、ワールド全体や12月実施の配信企画について、まるっとご紹介いたします。


都心から離れた、自然豊かな酒蔵を見学しよう!

田村酒造場の外観。右側に川が流れている。

田村酒造場がある場所は東京都福生市。東京ではありますが、都心からはかなり離れた場所ということもあり、酒蔵がある場所はかなり自然豊か。近くにはきれいな川も流れており、「東京にこんな場所が!」とおどろく人もいるかもしれませんね。

酒蔵前。「!」に触れると解説が表示される。

建物の雰囲気は古風で、江戸時代の面影が感じられるところ。細かなところまで丁寧に作り込まれています。「!」マークに触れると解説が表示されるので、ツアー見学のガイドがわりに読み込んでみるのがオススメです。

「木槌でふたを叩き割るアレ」ができる酒樽。

お祝いごとで目にする酒樽も置かれています。こちらは近くの木槌で「ふたを叩いて割るアレ」が体験できます。なかなか現実でやる機会がないものです。思う存分叩き割っていきましょう!

酒蔵の中。正面モニターでは現実の田村酒造場の映像が流れる。
酒蔵の中。掛け軸や井戸など、歴史的な展示物が並ぶ。

蔵の中は博物館のようになっています。酒造りに活用された水車、酒造りを始める際に掘られた井戸、さらに普段は公開されていない帳面など、田村酒造場の歴史を伝えるものが展示されています。解説と合わせて見学していけば、田村酒造所がどのように現代まで酒造りを続けてきたか、その一端が垣間見えるはずです。

「ROJI日本橋」コーナー。
ワールド公開と合わせて公開された酒瓶の3Dモデル(有料)。

また、一角にはお酒のECセレクトショップ「ROJI日本橋」のコーナーも設けられています。こちらでは、ワールドと合わせて公開された、日本酒関連の3Dモデルが展示されています。田村酒造場の日本酒ボトルは有料ですが、木升は来場すればもれなく全員に、前掛けはアンケート回答で、どちらも無料で入手できます。前掛けと木枡を携えれば、立派な日本酒好きとしてアピールできそうですね!


まるでロケ番! VTuberによるVRChat配信企画も

12月21日にはVTuber・おきゅたんbotさんを起用した、VRChat上での配信企画も実施されました。

左からおきゅたんbotさん、すのう・あにぅさん、草羽エルさん、リーチャ隊長、猫日和きゃりこさん。
配信開始前の様子。おきゅたんbotさんの友人やメディア関係者が招かれた。

出演したのはおきゅたんbotさんに加えて、草羽エルさん、すのう・あにぅさん、猫日和きゃりこさん、リーチャ隊長の合計5名。また、おきゅたんbotさんの声掛けによって、数名がお客さんとして配信現場に同席しました。筆者もその一人です。

配信中の様子。ときおりクイズが出題された。
配信中の様子。歴史ある煙突の前にて。

配信は現実の蔵見学のように、ワールド内をじっくり眺めながら、ときおり解説やゲストのトークを交えるという、さながらロケ番組のような雰囲気でした。合間には田村酒造場やROJI日本橋にまつわるクイズも出題され、配信を盛り上げていきました。このクイズは、配信の視聴者が回答するものとなっており、正解すれば田村酒造場のお酒がゲットできる太っ腹な企画となっています。

配信中の様子。酒樽を囲みながらゲストが日本酒を楽しんだ。

配信後半は、ゲストが実際に田村酒造場のお酒を呑みながら語らうトークパートに。お酒好きな草羽エルさん、すのう・あにぅさん、猫日和きゃりこさんは、気に入った銘柄や飲み方、合う食事について話に花を咲かせていました。ちょうど映画撮影が一区切りついたおきゅたんbotさんも「今日は特別」と日本酒に舌鼓を打ち、お酒に弱いリーチャ隊長は「お酒の活用法」について尋ねるなど、三者三様のトークがくり広げられました。


日本酒片手にバーチャル酒蔵見学のススメ

数あるVTuberの中でも、VRChatなどのソーシャルVRに精通したおきゅたんbotさんらが起用されたのは、なかなか意外な切り口です。話を軽く聞いたところ、もともとワールドの公開にあたって、「VRChatユーザーに認知してほしい」という方向性から、おきゅたんbotさんに紹介・相談したことがきっかけで生まれた企画とのことです。

おきゅたんbotさんも、取り組みの熱量を感じ取り、なによりおきゅたんbotさんへのご指名の企画依頼だったこともあり、多忙ななかお受けしたそうな。VRChatを軸にした企業施策は、担当者の熱意が大きなカギになることが多いのですが、本件も該当するケースのひとつなのかもしれません。

11月に公開後、本ワールドには本稿執筆時点でおよそ6900人が訪問。見学も実施している酒蔵ですが、一回につき15名が定員で、24時間実施しているわけではないと思えば、これはかなりの集客。海外からの訪問者もいるとのことで、メタバース場での日本酒コミュニティ作りという目的に、いい具合に近づけている印象です。

なお、本ワールドは時期は不明ですが期間限定公開になるとのこと。お酒好きの方はもちろんですが、和の雰囲気が美しいワールドでもあるので、和服姿で遊びに行って記念撮影、というのもおもしろそうです。

ちなみに、上記の配信ゲスト・猫日和きゃりこさんは、「日本酒を近くであけておくと、ワールド散策中にお酒の香りがして酒蔵見学っぽくなる」と、おもしろい楽しみ方を提示していました。せっかくなら、お正月に日本酒を楽しみつつ、みんなで酒蔵見学に行ってみるのもよさそうですね!


(TEXT by 浅田カズラ

●関連リンク
・田村酒造場 Japanese sake brewery(VRChat
田村酒造場 公式サイト
ROJI日本橋 公式オンラインストア