ソーシャルVRサービスの「VRChat」は、オープンβ版にて「リージョンアップデート」を実施したと発表した。同アップデートは、4月14日に実施された「VRChat Developer Stream」の開発ロードマップにおいても事前に告知をしていたもので、従来のアメリカサーバーに加え、欧州サーバー(EU)および、日本サーバー(JP)を新たに実装するというものだ(関連記事)。
オープンβは、正式リリース前に短期間で実施されるユーザー参加のテスト版のようなもので、「Steam」の「VRChat」プロパティより「ベータ」の項目を確認し、「open-beta」を選択することで参加できる。なお、「open-beta」利用時には、同じくオープンβ版を利用しているユーザーとしか出会えなくなるため注意が必要だ。
これまでは、本社のあるアメリカのサーバーを経由していたため、同じ地域に住んでいる人同士でも応答速度を表す「ping値」が200~250ms程度とかなりの遅延が発生してしまっていた。今回の「リージョンアップデート」により、日本サーバーが導入されたことで、日本在住者同士の遅延に関しては大幅に改善された。
筆者もさっそくオープンβ版を試してみたところ、「US」の場合191msとなっていた値が、「JP」を選択すると21msまで改善されていることが分かった。0.191秒から0.021秒への短縮となると、十分実感できるレベルの差だろう。ちなみに、「EU」を選んでみたところ317msとなった。
これにより、今後会話の「間」が取りやすくなったり、ゲーム系のワールドでラグを極端に気にする必要がなくなったりと、これまで以上にスムーズなバーチャル体験が可能になるだろう。
そのほか、アバターキャッシュに関するメモリーの使い方を改善し、インスタンス内でもしばらく使っていないアバターをメモリーから排除するようにする変更や、ユーザーステータスの更新安定と速度向上、これまで「読み込みバグ」と呼ばれていたアバターもしくはワールドのローディングが100%の状態で固まってしまうバグの修正などが含まれているとのことだ。詳細は、こちらの公式リリースノートより確認してほしい。
(TEXT by アシュトン)