【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2021年8月第3週はCeres Fauna、Nimu、HACHI

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時3万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。


こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。過去に連載で取り上げたIRySさん、Veibaeさん、Pomu Rainpuffさん、Selen Tatsukiさん、Elira Pendoraさんも引き続き伸びており掲載されています。今回はここから新規デビューまたは10%以上増加したCeres Fauna(セレス・ファウナ)さん、Nimu(ニム)さん、HACHI(ハチ)さんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。

VTuberリスト登録のTwitterアカウントから、2021年8月16日13時から23日13時にフォロワー数が5%以上増加したうちのフォロワー数増加上位
データはTwitter APIより取得(以下同じ)。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えている
HACHIはピックアップのため追加

Ceres Fauna

初配信よりスクリーンショット

Ceres FaunaさんはホロライブEnglishからデビューした新ジェネレーション「議会」のひとり。「自然」の番人とされ、地球とともに45億年以上を生きる母なる自然の化身です。17日より活動開始、23日早朝に同期のTsukumo Sanaさん、Ouro Kroniiさん、Nanashi Mumeiさん、Hakos Baelzさんとリレーで初配信を行いました。

彼女の特徴はその美しい声で、配信は英語ですが言葉がわからなくても聞きたくなるほど。声の良さを生かしたASMR配信が得意で、初配信でその一端が披露されました。イラストの趣味もあり配信の各所で使われています。ゲーム「極限脱出 9時間9人9の扉」が好きでこれを手がけた打越鋼太郎さんのファン、音楽では日本のシンガーソングライターのkiki vivi lilyさんやさとうもかさんが好きと、日本のクリエイターへの造詣もうかがえます。

23日までに21万人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeチャンネルも17万人以上が登録しました。新人5名とも非常に勢いがあり、劇的なスタートとなっています。

フォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見るとNinomae Ina’nisさんを筆頭にホロライブEnglishの先輩のフォロワーが9割以上と、いまのところホロライブEnglishのファンが箱推し的にフォローしている傾向が見て取れます。「議会」は才能豊かなメンバーばかりで、今後の活動が期待されます。

Nimu

新2Dモデルお披露目の公式切り抜きよりスクリーンショット

Nimuさんは2020年2月頃から配信している自称「アルゼンチン初」のVTuber。宇宙から来た宇宙猫で、「Nimu」は正確には女の子の頭についている紫色のスライムのような宇宙生物のこと。当初はFacebook、現在はtwitchで主に配信しており、twitchで77万人以上のフォロワーがいるラテンアメリカでトップクラスに人気のあるVTuberです。

配信はスペイン語で、雑談やゲーム配信が中心。日本語はできませんが鳳玲天々さんと猿飛シアンさんとなど日本のVTuberとのコラボ経験もあります。日本のアニメも好きなようです。活動1周年を迎えて今年2月に2Dモデルをリニューアル新しい3Dモデルもお披露目しており最近はこちらをよく使っています。

今回の7日間で24%増となる2万6000人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も1万人以上増えています。過去の連載のグラフにも載っており、8月に入ってから継続してNimuさんは伸びています。

このきっかけが数百万人の登録者がいるメキシコの著名YouTuberのeldedさんやJuanSguarnizoさんらとの交流。彼らが投げ銭への反応をまとめた動画などでNimuさんを取り上げて集まり、15日には二人や同じく人気の高いストリーマーのARI GAMEPLAYSさん、Nephtunieさんを「Truth or Drink」(ランダムな質問に正直に答えるか、お酒を一杯飲むかを順番に選ぶ海外のパーティーゲーム)のコラボに招待しました。彼らの動画でもNimuさんは紹介され、ラテンアメリカのYouTuber界隈で一躍注目の存在となっています。

7日間の新規フォロワーを見ると、以前にVTuberデビューが話題になったスペインの著名YouTuber elrubiusさんのフォロワーは多いものの、彼を除くとVTuberをフォローしていたアカウントはほとんどいませんでした。新規フォロワーがフォローしていたアカウントとしてはコラボしたメンバーを含むスペイン語圏の著名YouTuber・ストリーマーがほとんどで、これらのリスナー層が関心を持った様子が伺えます。

過去に取り上げた英語圏でのMahou Shoujo RiriさんやMiyuneさん、ブラジルでの雲母ミミさんのように、各国の著名YouTuberをきっかけに伸びたVTuberはこれまでも見られ、今回もその一例と言えるでしょう。海外でのVTuberの浸透を示す動きの一つと言えそうです。

HACHI

「The Beginning ∞」ダイジェスト動画よりスクリーンショット

HACHIさんはRK Musicのプロダクション「ライブユニオン」所属のVSinger。2019年7月よりバーチャルライブ配信アプリ「REALITY」で活動を開始、2020年3月にライブユニオン所属以降はYouTubeも開始し、歌のカバーや1stシングル「光の向こうへ」をはじめとするオリジナル曲の動画投稿、「ハニカムステーション!」と題した毎週金曜の歌枠配信など、歌を中心に活動しています。昨年はREALITYのイベントで勝利して「Life Likea a Live!」に出演。今月8日にはクラウドファンディングの支援を受けた1stワンマンライブ「The Beginning ∞」(ダイジェスト動画)を開催し、29日開催の「TUBEOUT!FES -2021 SUMEER-」にも出演します。REALITYを入り口としてブレイクした代表的なVTuberのひとりです。

今回の7日間で12%増となる2300人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も1万7000人以上増え、その後チャンネル登録7万人を達成しました。

この期間では、9月12日に開催のホロライブのAZKiさんの8th LiVE「Rewind & Reunion」のオープニングアクトとしてHACHIさんの出演が発表されました。HACHIさんとAZKiさんは、これまでもAZKiさんが「光の向こうへ」、HACHIさんがAZKiさんのオリジナル曲「いのち」をそれぞれライブや動画でカバーするなどお互いリスペクトし合うシンガーです。この注目も含め、HACHIさんは期間を通じて継続的に伸びています。

7日間の新規フォロワーを見るとGawr Guraさんを筆頭にホロライブのメンバーのフォロワーが8割ほどと多く、ホロライブの海外ファンが注目した様子が伺えます。Rumi / 懶貓子さんや浠Mizukiさんなど台湾の新人VTuberのフォロワーも目立ちました。AZKiさんのライブ出演発表もきっかけの一つですが、歌の動画や配信から広く海外の視聴者が増えているようです。

今回はホロライブEnglishのデビューもあり、ハイレベルな人気のVTuberのピックアップが重なりました。すでに一定の人気があるVTuberでも、今回のようにより上のステージに上がっていく動きも各所で見られます。今後の展開が楽しみです。


(TEXT by myrmecoleon

 
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