【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2021年12月第3週はMysta Rias、天守なこ、詩羽しう

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時3万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。

こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。過去に連載で取り上げた沙花叉クロヱさん、ラプラス・ダークネスさん、博衣こよりさん、Millie Parfaitさん、Enna Alouetteさんも引き続き伸びており掲載されています。今回はここからMysta Rias（ミスタ・リアス）さん、天守（あまもり）なこさん、詩羽（うたは）しうさんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。

VTuberリスト登録のTwitterアカウントから、2021年12月13日13時から20日13時にフォロワー数が5%以上増加したうちの増加数上位
データはTwitter APIより取得（以下同じ）。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えている
詩羽しうはピックアップのため追加

Mysta Rias

初配信よりスクリーンショット

Mysta Riasさんはにじさんじの英語圏向けプロジェクト「NIJISANJI EN」の新人バーチャルライバー。過去の時代から来た天才探偵で、オレンジ色の眼鏡の下の水色の目が魅力的。12月17日より活動開始、先輩の「LazuLight」「OBSYDIA」「Ethyria」と同様に同期5名でユニット「Luxiem」を構成し、20日の初配信の後には5人が歌うオリジナル曲「Hope in the dark」も公開・音楽配信されています。 衣装等のデザインは同期のShu Yaminoさんやホロスターズの荒咬オウガさんも手がけるイラストレーターの吠Lさん。

イギリス人とフィリピン人のハーフで、NIJISANJI ENでも珍しいイギリス英語を話し、特にコックニー（ロンドン訛り）を気にしています。ラブコメを中心に日本のマンガやアニメを好み、リズムゲームや「League of Legends」「Apex Legends」などゲーム好き。好きなアーティストはイギリスのシンガーソングライターのFox Stevensonさん。好物はチョコレートアイスのMAGNUMとカツカレー。

初配信では色をミスしてチャットをほとんど読めなくし、「冷蔵庫の牛乳が古くて黄色くなってた」「チョコだと思って机のカビを食べた」などデビュー数日で残念なエピソードが次々と明らかになるポンコツ。才能豊かな同期たちと比べて「自分には才能がない」と言うMysta Riasさんですが、暗いところとホラーが嫌いなのに初のゲーム配信はホラーゲームの「UNTIL DAWN」で悲鳴を上げまくり、本人はマゾを否定しつつも先輩や視聴者に好んでいじられ、ツイートも非常に多いです。自分をさらけ出して活発にコミュニケーションする点が好まれているのかと思われます。

こうした点から、いずれも伸びているLuxiemの中でも特にTwitterのフォロワーを伸ばしており、活動開始を含む今回の7日間では4万4000人以上が彼をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネルも2万1000人以上が登録しました。現在はフォロワーは10万人近く、チャンネル登録数も7万人を越えています。

フォロワーの傾向（該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ）を見るとElira Pendoraさんを筆頭にNIJISANJI ENの先輩ライバーのフォロワーが6割、また叶さんなどにじさんじの男性ライバーのフォロワーも多いです。ほかではGawr GuraさんなどホロライブEnglishのメンバーのフォロワーも若干見えます。

にじさんじは伝統的に国内外とも男女のライバーが参加していますが、NIJISANJI ENではこれまで男性ライバーが無く、 「Luxiem」 はNIJISANJI EN初の男性グループとなりました。英語圏では他でも目立った男性VTuberがまだ少ないこともあり、「Luxiem」は新しい挑戦と言えます。いまのところ一定の成功を示している点は今後に向けての新しい動きと言えるでしょう。

天守なこ

誕生配信よりスクリーンショット

天守なこさんはVTuberグループ「Blanche Fleur（らしゅるる）」所属のVTuber。みんなを看取る立派な天使になるためにたまごから生まれた見習い天使。2021年2月にたまごの姿で初配信、4月に現在の姿で生まれました。歌が上手く、オリジナル曲「milky way」MVや歌ってみた動画を投稿。配信はYouTubeとbilibiliで行っており、歌枠やゲーム配信が中心。過去にはにじさんじの渋谷ハジメさんらとともにVALORANTのゲーム大会「VALORANT VTUBER TOURNAMENT」に参加して優勝、これまで連載で紹介した天曰ひよさんとや宝珠るらさんともコラボ経験があります。 衣装等のデザインはイラストレーターの館田ダンさん。

最近では12月18日・19日の「わくわく！VTuberひろば おんらいん Vol.13」でトークショーやファンとの1対1のトークイベント（わんおんわん）で3Dの姿を初披露。また渋谷のACG_Laboで12月17日～28日開催のクリスマス展示イベント「Timeless Red」にも参加中です。

今回の7日間では76%増となる2800人以上が彼女をTwitterでフォローしました。このきっかけとなったのが下記のイラストツイート。館田ダンさんによるイラストで、上記「Timeless Red」で販売のグッズのものです。こちらはよく注目され、執筆時点で4000回近くRTされています。

7日間の新規フォロワーを見ると館田ダンさんのフォロワーが8割を占め、その他もイラストレーターなどのファンが中心で、イラストに関心を持つ層がフォローした傾向が見えます。これらは同時にホロライブのメンバーなどVTuberをフォローしている方も最近は多く、こうしたVTuberに親しんでいるイラストレーターのファンが中心のようです。

彼女とコラボ経験のある宝珠るらさんの紹介や同様にbilibiliでの活動が中心のShanoaさんの紹介でもありましたが、VTuberが自身を描いたイラストのツイートをきっかけとして伸びるケースはしばしば見られます。必ずしもチャンネル登録等まで伸びるわけではないですが、新規グッズ等を出す際のオプション的な伸び方として定着してきている印象があります。

詩羽しう

Vtuber一問一答自己紹介よりスクリーンショット

詩羽しうさんは個人で活動しているお絵描きVTuber。イラストとLive2Dを手がけ自分自身も作っているセルフ受肉で、みんなをハッピーにするために活動中の見習い天使。2019年頃からTwitterで活動を始め、2021年6月から本格的なVTuber活動を開始しました。可愛らしい声で雑談・イラスト・ゲームなどの配信を行っており、自作素材のにぎやかな配信画面が特徴。

企画もよく行っており、今年のハロウィンは「1日でデビューして引退するVTuber」を産み出して12時間近く配信し、先日22日には「Vtuber断末魔選手権2021」としてほかのVTuberから断末魔（死に際の台詞）を募集して仲間とともにコメントしながら配信しました（参加作品の例。断末魔選手権は面白かったのでオススメです）。

今回の7日間では30%増となる2000人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も800人以上増加しています。このきっかけは詩羽しうさんが投稿しているVTuberあるあるな2コママンガで、特に以下の2作は1000回以上リツイートされ、注目されたようです。16日に行われた登録2000人記念配信はこうした伸びへの反応やこれまでの活動の振り返りなども行われ、詩羽しうさんを知るのに良い配信です。

ちなみにこの前にTwitter1万人・YouTube3000人を年内目標に、達成したら翌年することを発表していましたが、YouTubeチャンネル登録数3000人はすでに達成、Twitterフォロワー数も現在9000人を越えて1万人を達成しそうなペースで伸びています。

7日間の新規フォロワーを見ると白上フブキさんや夏色まつりさんを筆頭にホロライブのメンバーのフォロワーが半数ほどを占めました。 夏色まつりさんは上記2コママンガのツイートをいいねしており、ここから関心を持った方もいそうです。また1割ほどのフォロワーは個人VTuberや準備中の方となっています。

クリエイターかつ個人VTuberとして活動を続ける詩羽しうさんだからこそのVTuberあるあるマンガが共感を呼んだのが今回のブレイクのきっかけと思われます。また同時期に募集していた断末魔選手権は個人VTuberがTwitterから気軽に参加できる企画だったこともあり、両者が良い相互作用を産んで拡散につながったのかもしれません。マンガも企画も面白く、詩羽しうさんの今後の活動が期待されます。

（TEXT by myrmecoleon）

 
●関連リンク
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